2026.09.08
国際情報学部の村田雅之教授のゼミ生4人が福岡県東峰(とうほう)村に滞在し、撮影した映像作品が同村の動画コンテストで最優秀のグランプリを受賞した。「心のふるさと。東峰村」をテーマに募集されたコンテストで、受賞が発表されたのは2026年3月。動画作品は今後、東峰村の移住PR、観光振興などに活用されるという。受賞した4人のうち、代表の奥平成美さん(4年=受賞時3年)と、相方(さがた)彩音さん(同)に受賞の喜び、制作上の苦労などを聞いた。
ゼミ生たちが楽しそうに食事を取るシーン(「MANY Road」のグランプリ受賞作より)
コンテストは30秒〜3分程度の動画で、村内で撮影された作品が応募の対象。2025年11月に1泊2日で同村に滞在したゼミ生8人が、規定のハッシュタグをつけてInstagramに投稿する形でグループと個人で計4作品を応募し、「MANY Road」の名前でエントリーした奥平さんと相方さん、樋口萌さん(4年=受賞時3年)、小山公那(ゆきな)さん(同)の4人による54秒の作品がグランプリを受賞した。
受賞について、奥平さんは「レベルの高い作品が多く応募されていた中で、本当に驚きでした」と笑顔を見せ、「Instagramの再生回数も4500回に上り、作品が大勢の人に届いていることがうれしい」と話した。相方さんも「福岡に出かけて一から取り組んだ作品が評価された。楽しみながら制作し、学生時代の一つの足跡にもなった」と喜ぶ。2人とも、食卓を囲んだゼミ生がそろってカメラに笑顔を向けているシーンを“イチ押し”に挙げた。
滞在時間に制約があった中で、棚田や森林、星空といった村内で見える景色、8人が楽しそうに食事をする様子などを可能な限り映像に記録し、帰京後、奥平さんの原案(デモ映像)をもとに仕上げた。樋口さんはBGMの優しいピアノの音色にのせたナレーション、小山さんは景色を中心とした映像の撮影を主に担当し、相方さんは現地での撮影地選定に加えて編集にも力をそそいだ。
撮影ではスマホやデジタルカメラのほか、今では珍しくなった使い捨てカメラも使用した。ゼミ生の生き生きとした表情を写した使い捨てカメラの画像は、アナログ風の柔らかな質感をかもしだし、相方さんは「“ふるさとっぽさ”を演出しています」と教えてくれた。相方さんはテロップをどのタイミングで表示させたりするかにも知恵を絞った。
(いずれも「MANY Road」の受賞作より)
制作の過程でもっとも苦心したことを尋ねたとき、相方さんは「単なる『ふるさと』ではなく、『心のふるさと』がテーマでした。東峰村は全く知らない場所で、テーマから何を求められ、どう解釈すべきかをまず思いました。私自身の『ふるさと』についても考えさせられました」と振り返った。
作品制作と向き合うことは、4人それぞれが自分自身のそれまでの歩みや、ふるさとの存在について改めて見つめ直す、きっかけにもなったようだ。
奥平さんは「素材の映像が素晴らしかった。それに負けないような良い仕上がりにするための編集が一番に大変でした」と語った。指導する村田教授からは「楽しかった思い出の記録にとどまらないように、見た人にメッセージが伝わる映像を」とアドバイスを受けた。
応募期限の大みそかまでの数日は4人がLINEで連絡を取り合いながら、連日、編集作業に没頭した。奥平さんは「(滞在は)楽しくて忘れられない2日間になった。だれのふるさとにもなり得る場所と感じたからこそ、『行きたいな』ではなく、『懐かしいな、帰りたいな』をコンセプトにしました」と、作品に込めた思いを話している。
〈受賞作品のナレーション〉
私には、
「ふるさと」と呼べる場所がない。
生まれた場所も、育った場所も
違うから。
でもある日、
大学の仲間と訪れた村で、
透き通った空気、
斧で薪を割る音、
爽やかなかぼすの香り
心温まるうどんの味
初めて見た
流れ星。
一緒に味わったら、
生まれた場所も、
育った場所も、
別々なはずなのに、
自然と、
「ただいま」
「おかえり」
って、言い合ってた。
また帰りたくなる場所を、人は、
「ふるさと」
と、呼ぶのかもしれない。
心のふるさと。東峰村
使い捨てカメラで撮影した一枚。(左から)相方さん、樋口さん、小山さん、奥平さん
(「MANY Road」のグランプリ受賞作より)
☆ 東峰村
福岡県中央部の東端に位置し、大分県日田市と隣接する。村ホームページによると、日本棚田百選の棚田をはじめとする美しい風景に心を癒される人口約1700 人の小さな村。面積の約86%は森林原野で、標高500~900メートルの急峻な山地も広がる。窯元も村内に点在し、「清らかな水が湧き、のどかな里山の風景が広がる焼物の里」とうたっている。
「MANY Road」のグランプリ受賞作品はこちらからご覧になれます。