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2026.09.01

「勝ちたい」 全員の強い思いが結実、2年ぶりの栄冠
「USA Collegiate Championships 2026」で優勝
ソングリーディング部「Garnets」

学生記者 木村結(法4) 池田茉琴(商3)

  • アスリート
  • ゼミ・サークル

ソングリーディング部(愛称・Garnets =ガーネッツ)が米国カリフォルニア州アナハイムで2026年2月に開催されたチアダンスの国際大会「USA Collegiate Championships 2026」の「Pom 4 - Year College」部門で2年ぶりの優勝を飾った。チアダンスのスキル(技術)や画一性、観衆をいかに魅了するかというショーマンシップなどが高く評価された。

 

主将の梅園茉優さん(商3)と副主将の高橋結里さん(経済3)は「演技直前の円陣で、互いの熱意を共有し、気持ちの入ったチアダンスを披露できた」と喜び、「大会での優勝をイメージして練習に励み、メンバー全員が勝利への意識を強く持っていた」と勝因を挙げた。「夢のような時間だった。夢見心地の気分になりました」と、目標とした大会で新チームとなって初めてつかんだ栄冠を振り返っている。

(ステージ上や表彰セレモニーでの写真はすべてソングリーディング部提供)

「USA Collegiate Championships」で2年ぶりに優勝したGarnets。メンバーの笑顔が弾けた

2分間「演技の激しさ」前面に

2分間の演技で大切にしたことは、「いかに魅せるかというショーマンシップ」(高橋さん)だった。日本国内の大会よりステージと客席が近く、観衆とのアイコンタクトも意識したという。1970~90年代のロック音楽をリミックスした楽曲に乗り、首を激しく振ったり回したりという特徴的な振り付けや、Garnets史上初の男子選手である久保井七豊(ななと)さん(法4)をリフトで高く引き上げるなど、演技の激しさを強く打ち出した。

 

予選と決勝の2回の演技中、個々の観衆の反応をみる余裕はなかったものの、梅園さんは「客席全体がGarnetsのチームの色に染まり、見入ってくれている」と感じたという。「表情もシンクロさせて、迫力を生む」(高橋さん)という演技が観衆の心をつかんだ。

 

村田麻里コーチの言葉もステージに出るメンバーの支えとなった。緊張すると音楽(楽曲)より早いテンポで踊ってしまいがちになるため、演技直前に「音をしっかり聴くこと」とアドバイスされ、背中を押して送り出された。梅園さんは、「決めてくるんだよというコーチの言葉が心強かった」と振り返った。

ステージで久保井七豊さんをリフトアップ=米国アナハイム

「アメリカで優勝」「GGを極める」

2025年8月のチアリーディング&ダンス選手権大会で2位に入り、今回の国際大会の出場資格を得た。それ以来、メンバー全員が「アメリカで勝ちたい」と目標に定め、多摩キャンパスの第一体育館やほかの体育館で練習する際は、「アメリカで優勝」「GGを極める」と決意を記した模造紙を壁に貼り、練習の最初に必ず組む円陣でも意識を高めた。GGは「Garnet Girls」の略で、久保井さん所属前のチームの愛称だ。

 

チーム競技であるチアダンスの魅力について、「チームの仲の良さも演技から見えてくる。テクニックの組み合わせやスキルを工夫したりと、チームカラーが表現されるところ」と、梅園さんは話した。決して楽をするという意味ではなく、チアダンス本来の「楽しい」を大事にするのがGarnetsというチームで、「3時間半の練習があっという間に終わってしまうような楽しさ」を目指してきた。

チアダンス本来の楽しさを

取材に笑顔で応じる主将の梅園茉優さん(右)と副主将の高橋結里さん
=多摩キャンパス

2025年4月の新チーム結成後、とくに秋から冬にかけて、この「楽しい」というチーム像を実現できず、さらに主要な大会でも思うような結果を得られず、梅園さんは気分がふさぎ込んだ時期があった。高橋さんも「うまくいかない、もどかしさから逃げ出したいような感覚があった」と苦しかった頃を振り返った。

 

Garnets はメンバーが意見を出し合い、良い意見なら学年の隔てなく取り入れるという柔軟性をもったチームであることが強みだ。メンバーがそれぞれの役割を全うして、支え合って演技は完成する。梅園さんと高橋さんは結果が出ないことに責任を感じながらも、「勝ちたい」という強い思いを頼りに苦しかった時期を乗り越えた。

 

競技チアダンスに打ち込んでいた小学生の頃からGarnetsの存在を知っていたという高橋さんは、広いキャンパスにあこがれて中大に進学し入部した。梅園さんも小学生からチアダンスの経験があり、国際大会の優勝は幼い頃からの夢だったという。

☆中央大学ソングリーディング部「Garnets」

 

2008年創部。村田麻里コーチ、梅園茉優主将。チーム名の愛称は村田コーチの誕生石から命名。2023年に初めて男子部員が入部し、「Garnet Girls」から改名した。

 

▶4年生=久保井七豊 小町美空 小澤茉侑

▶3年生=青木美咲希 牛嶋さやか 梅園茉優 小川奈乃春 高橋結里 瀧和花 土谷紗蘭 寺田楓 中井さとよ 平井愛海 宝達優苗

▶2年生=小山内くるみ 勝田美羚 大越優来 中村蒼 井口梨花 井上茉佳 小池七菜杉林美緒

▶1年生=佐藤千紘 音谷せり菜 山口遥 大屋いずみ 川下雫 中野美鈴 石川史華 立花優香 原千尋 岩脇ひなた 三好ひなた 中村沙知 溝井陽梨 田野陽菜 藤關光希

※学年は2026年度の表記

 


 

☆ソングリーディング

 

肩に人を乗せるなどのアクロバティックな動きは禁じられている。見どころは、体のターンやジャンプなどチアダンスとしての技や動きの切れのほか、片方の足を伸縮させながらもう片方の足を軸に全員でそろって回転するクラシックバレエの動き「フェッテ」など。

☆ USA Collegiate Championships

 

USA(Untied Spirit Association)は、チアリーディング、チアダンス競技の指導・育成・普及団体。本部は米国西海岸。Garnets が優勝したPom 4 -Year College部門は、楕円形のポンポンを使うチアダンスの4年制大学の部門の意味。アップテンポな楽曲をBGMとして、2分間の演技の中で、振り付け、技の難易度、ショーマンシップ、画一性、フォーメーション(隊形)など8項目について4人の審査員が評価した。

 

夏のチアリーディング&ダンス学生選手権大会(USAジャパン主催)、秋の全日本チアダンス選手権大会(日本チアダンス協会主催)、冬のUSA Regionals(地区大会)とUSA Nationals(全国大会)、グランドファイナル(日本チアダンス協会主催)と並んで、Garnets が目標としている大会である。

【取材後記】卓越した技術+チーム愛
「一人ひとりがチームづくりに関わる」
Garnetsの文化と伝統
学生記者 木村結(法4)

国際大会に優勝するまでの苦悩や大変だったことについて語る一方で、それと同じくらい印象的だったのは主将の梅園茉優さん、副主将の高橋結里さんの笑顔や生き生きとした姿だった。取材を通して、やり遂げたというすがすがしさや喜びが垣間見え、Garnetsにとって今回の優勝が本当に大きな意味を持っていることが伝わってきた。

 

梅園さんは、優勝決定の瞬間を「うれしさと同時に信じられない気持ちが大きく、夢のようだった」と振り返った。トロフィーを手に宿泊先のホテルに歩いて戻る途中、大勢の街の人々から祝福の言葉をかけられ、徐々に優勝の実感が湧いたという。高橋さんの「人生で一番祝福された日だった」という言葉も印象に残った。全ての努力が報われたのだろうと感じ、私もうれしい気持ちになった。

 

取材で感じたのは、Garnetsの強さは卓越した技術力だけではなく、「GG愛」と呼ばれるチーム愛が支えているということだ。学年に関係なく意見を出し合い、一人ひとりがチームづくりに関わる文化、伝統が受け継がれている。

 

大会直前までミーティングを重ね、一人ひとりの思いを共有し理解し合ったことが大きかったと、梅園さんは語った。それぞれの胸の内にあった「勝ちたい」という思いを言葉にし、いわば“可視化”したことが、チーム全体の練習の質の向上、モチベーションや意識の高まりに結びつき、士気を高めてきたという。

 

言葉や表情から、競技への真剣さと仲間を大切にする気持ち、主将、副主将として背負ってきた責任の重さが伝わってきたが、2人は「逃げ出したいと思うことは何回もあった」とも打ち明けた。取材中、苦しかった時期を振り返ったときは、言葉に詰まりながら思いを語る姿も見られた。優勝までの道のりで、演技やチームワークなどを話し合う中で、主将、副主将として悩みも尽きなかったからだろう。

 

それでも、「アメリカで優勝」「GGを極める」という目標の文字を練習中の体育館に掲げ、一つひとつの課題に真摯に向き合い続けたからこそ、栄冠を勝ち取ることができたのだと感じた。互いを信じ、支え合い、同じ目標に向かって進む。その姿勢こそが、優勝の最大の原動力だったのではないか。新たな目標を掲げ、日々練習に励むGarnetsの一層の活躍を楽しみにしている。

【取材後記】栄冠を勝ち取った“等身大”の学生たち
仲間と本音で向き合い、作り上げたチーム
学生記者 池田茉琴(商3)

国際大会の優勝という輝かしい実績を残したソングリーディング部。そうした偉業を達成するようなチームに対して、私はどこか遠い世界の、最初から完璧な集団であるかのように思っていた。しかし、ここに至るまでのチームの道のりは決して平坦ではなかった。

 

主将の梅園茉優さん、副主将の高橋結里さんの2人は、「感情があまり表に出ないタイプ」と自身をたとえたが、チームの雰囲気を良くしようと、明るく振る舞うように努めてきたという。ただ、時にはチームメイトから「勝ちたい気持ちが見えない」と厳しく指摘されることもあり、自分らしいリーダー像を模索する日々を過ごしてきた。

 

「自分の感情がわからなくなるくらい、いっぱいいっぱいだった」と、梅園さんはそうした日々を振り返ったが、その言葉は私たちと同じように、より良い未来を求めて苦悩する等身大の大学生の姿にほかならなかった。チームを率いる責任、結果に対するプレッシャーが取材中の率直な言葉から垣間見えた。

 

高い目標を掲げる組織だからこそ、生じるあつれきや重圧は想像を絶するものがある。それでも2人は向上心を保ち、学年の隔てなく誰もが意見を出し合える関係性を築いていった。取材中、彼女たちが「円陣」や「団結」など、チームを感じさせる言葉を何度も繰り返していたのが印象的だった。

 

わずか2分という演技時間のために、Garnetsはどれほどの努力を重ねてきたのだろうか。学年の壁をなくし、指先の角度だけでなく表情の細部まで全員で意見をぶつけ合い、妥協なく作り込んでいく。その道のりは一歩一歩強くなろうとするアスリートの歩みそのものであった。

 

チームが真に一つになったのは、渡米後、セミファイナルの前日ミーティングだったという。張り詰めた緊張感の中で「このチームなら勝てる」という言葉が出た瞬間、それまでの重圧が解け、互いへの確固たる信頼に変わった。仲間と本音で向き合い、全員でチームを作り上げてきたからこそ迎えられた瞬間だったのだろう。

 

取材を終えて改めて感じたのは、優勝するようなチームも最初から特別な存在だったわけではないということだ。同じキャンパスで授業を受け、課題に取り組み、友人と過ごす。ごく普通の大学生たちが、日常の中で悩み、ぶつかり合い、ときには逃げ出したくなるほどに追い込まれながらも、仲間と向き合い続け、その積み重ねが結実した。逃げずに継続することの尊さを教わった気がした。華やかな演技の裏側にある大学生としての人間性に触れることができた取材だった。

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