2021.12.21

「総合5位」「シード権確保」真紅の襷を全員でつなぐ
箱根駅伝会見 陸上競技部長距離ブロックが抱負

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箱根駅伝の記者会見に臨んだ陸上競技部長距離ブロックのメンバー=2021年12月15日、多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」3階ホール

藤原正和・駅伝監督

来年1月2、3日の第98回箱根駅伝に出場する中央大学陸上競技部長距離ブロックの藤原正和・駅伝監督と、エントリーされた16選手のうち15人が12月15日、多摩キャンパスで記者会見した。目標を総合5位と掲げ、選手たちは次々に決意や抱負を語った。

 

会見の冒頭、藤原監督は「5人がエントリーした4年生を軸に、往路、復路ともにしっかりと戦いたい。目標は総合5位ということで、選手たちは1年間取り組み、力をつけて非常に頼もしいチームになった」と手応えを語った。

 

さらに、「上位は力のある大学が多いが、まずは最低限、翌年のシード権(10位以内)の確保を目指したい。力をしっかりと発揮して流れが合えば5位も十分に可能。ここからのコンディショニングが大事で、気を引き締めて本番を迎えたい」と決意を述べた。

 

続いて、選手15人が凛々しい顔つきで1人ずつ目標や決意を語った。

(2年生の湯浅仁選手は授業のため欠席。会見の司会進行は、主務の南後海里選手が務めた)

「最初で最後の箱根」「陸上人生の集大成」「区間賞目指す」「チャレンジャー精神で」
 

井上大輝主将

☆4年生

井上大輝選手(主将) 出走すれば、自分自身は最初で最後の箱根駅伝。何としても出走し、チームに貢献する走りをしたい。

 

倉田健太選手 箱根駅伝は初めてのエントリー。4年間しっかりやってきた力を発揮することを第一に考えています。悔いのない駅伝にしたい。

 

手島駿選手 陸上人生の集大成として、最初で最後の箱根を悔いのない形で終わりたいと思っています。

 

三浦拓朗選手 区間賞を目指して頑張りたい。

 

森凪也選手 2年生、3年生と出走したが、チームの目標に届かなかった。今年こそチームの目標に届くように貢献できる走りをしたい。

 

 

☆3年生

助川拓海選手 2度目のエントリーだが、前回は未出走でした。今年こそ出走し、自分の走りでチームの目標である総合5位を達成できるように頑張りたい。

 

田井野悠介選手 初のエントリーとなりました。1年を通してしっかり練習できているので、本番でその力を十分に発揮したい。

 

中澤雄大選手 前回の走りで得た自分の課題を克服し、チームの目標に貢献できるよう精いっぱい走りたい。

 

若林陽大(はると)選手 チーム目標の総合5位、最低限シード権(の確保)に貢献できるよう精いっぱい頑張りたい。

 

 

☆2年生

居田優太選手 チームに貢献できるよう頑張りたい。

 

園木大斗選手 出走できれば、チームの目標達成に貢献できるように、最低でも区間(順位)1けたで走れるよう頑張る。

 

中野翔太選手 去年はけがに苦しみました。今年は順調に練習が積めています。チームに貢献できるよう、いい走りをしたいと思います。

 

吉居大和選手 昨年以上に練習を積めてきているので、自信をもってスタートラインに立ち、区間賞を目指して頑張ります。

 

 

☆1年生

阿部陽樹(はるき)選手 1年生なのでチャレンジャー精神をもって、しっかりとレースを楽しみたいと思います。

 

東海林宏一選手 チーム目標に貢献できるように走り、先輩たちと笑顔で終われるように頑張りたい。

箱根での健闘を祈り、会見前に応援部がエールを送った
=2021年12月15日、多摩キャンパス第一体育館前

吉居大和選手「20キロを自信を持って走る」

 

選手たちの決意表明の後、前回(総合12位)の結果を踏まえたレースプランについて、藤原監督に質問が飛んだ。

 

藤原監督は「前回は出遅れて、後手、後手を踏んだが、復路は本来持っている力を出してくれた。今回は1区から出遅れないようにしたい。本人(吉居大和選手)も区間賞を取るつもりでいるので、トップ近辺でスタートしたい」と述べ、スタートの重要性を指摘。ほかの大学も力のある選手がそろう2区は「どれだけしのげるか」と位置づけ、3、4年生を中心に据えていく考えだという。

 

続く3、4、5、6区で、力のある選手を起用し、どれだけジャンプアップできるかが、総合5位という目標に向けた大きな試金石になるとした。「できれば往路は6~8位で終えたい」とも語り、復路でのさらなる上位進出に期待をかけた。

吉居大和選手

スタートダッシュを期待された吉居選手は、「3区に出走した前回は、自分の走りができずに悔しい思いをした」と振り返り、「この一年、昨年以上に練習量を増やし、夏にしっかり走り込めたことが自信になった。夏合宿から、駅伝に向けて、長距離走の距離を伸ばし、月の走行距離も100~150キロ増えた。20キロを自信を持って走れる準備をした」と活躍を誓った。

 

藤原監督は、記録会への積極的なエントリーや、1万メートルの平均タイムの底上げなどで昨年培った“速さ”が、今年はしっかりと“強さ”に変わってきていると感じている。

 

「結果を出すことも強さだとは思うが、それ以上に4年間という短期間で、特にうまくいかないとき、つらいときに、自分と向き合って、どういった積み上げをしてきたか、どれだけのことをやってきたかが、彼ら(選手たち)の今後の人生につながる。そういった取り組みをチームとしてできるようになってきたことが強さだと思う」と説明。「日々の積み重ねが強さにつながる。それを大事にしてこられたのが今年のチーム」と、現在のチームの充実ぶりをたとえた。

会見の結びには、各選手に出走を希望する区間とその理由、自身の強みや、どのような走りをしたいかなどの質問があり、選手たちは落ち着いた表情で答えていた。

(選手名の次のカッコ内は希望区間)

「復路の流れを作る」「力出し切る」「リベンジを」「距離に自信」「しっかり上る」

 

井上大輝選手(10区) キャプテンとしてやってきた思いもあり、シード権を取って、気持ちよくゴールしたい。走るとなれば、23キロにこれまでの4年間を表現するような強気の走りをしたい。

 

倉田健太選手(7区) 前半から攻めて復路の流れを作りたい。

 

手島駿選手(2、10区) タフなコースや環境、プレッシャーのかかる中という条件でこそと言われる力をつけていると思っています。とくに10区は区間賞を目標にして良い走りをしたい。

 

三浦拓朗選手(1~4区) 3区は2年目(2年生で出走し12位)のリベンジを果たしたいし、4区は(チームに)よい流れを作りたい。任されたら勢いづける走りを見せます。

 

森凪也選手(希望区間なし) 任された区間で力を出し切りたい。チーム目標に貢献するのが大事と思っています。

 

助川拓海選手(9、10区) 強みは後半に大崩れせず、風に強いことです。出走したら、復路の長いコースを自分のペースで走り、後半崩れずに(チーム目標の)総合5位に貢献したい。

 

田井野悠介選手(5、8区) 今年はしっかり練習を積めました。関東インカレや箱根予選会に出て、距離への不安は全くなく、ハーフ(の距離)への自信があります。5区は復路に向けて勢いづける走り、8区は目標の総合5位、シード権に向けて勢いづける走りをしたい。

 

中澤雄大選手(4、7区) 4区も、前回出走した7区も、細かなアップダウンが連続するコース。崩れない走りが自分の持ち味と思うので、そこでチームに勢いをつける走りをしたい。

 

若林陽大選手(6区) 前回、前々回と6区を走り、納得いく結果ではありませんでした。今回は納得のいく結果を出したい。復路のスタートという大事な区間で、チームに勢いをつけたい。

 

居田優太選手(10区) 流れにうまく乗るのが自分の強み。出走したら、自分の得意な流れを作り、襷(たすき)をゴールまで運びたい。

 

園木大斗選手(7~10区) 試合で大外れをしない安定した走りが自分の持ち味。往路と6区の勢いを崩さず、流れをつなげたい。

 

中野翔太選手(2、5、8区) 3区間とも上りのあるコース。上りをしっかり上ることができるので希望しました。任された区間を精いっぱい走りたいと思います。

 

吉居大和選手(1区) ラストスパートで1番に持ってくる強さが自分の長所と思っています。それをしっかり出して、スタートから良い流れをチームに作りたい。

 

阿部陽樹選手(4区) 練習を通して往路で走れる力がついてきていると思うので、良い区間順位で終えたい。

 

東海林宏一選手(7区) 箱根駅伝の過去の結果を見ると、7区を(下級生で)好走し、上級生になってエース格になる選手が多い印象があります。7区を好走して、良いイメージでさらに強化していけたらと思っています。

選手の区間配置の決め手となる要素を問われた藤原監督は、「当日の天候、風の強さ、風向き、暑さ寒さなど、さまざまなことを考慮しながら決めます。16人は、ほとんど横一線の非常にいい状態で来てくれている。花田(俊輔)コーチとも話しているが、今年は最後の最後まで悩むでしょう」と語り、「直前のコンディショニングと、選手の表情から読み取る」と決断のポイントを挙げた。

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