2021.01.26
Jリーグ、社会人チーム加入が内定した大久保智明選手、松本大輔選手、今掛航貴選手、高窪健人選手、飯吉将通選手(写真左から)
サッカー部は1月14日に記者会見を開き、Jリーグと社会人のチームに入団が内定した6選手を発表した。中央大学で4年間、サッカーと学業に打ち込んだ選手たちは今春、プロ選手、社会人選手としての一歩を踏み出す。会見で選手たちは学生生活を振り返るとともに、「競争は激しいがチャレンジしたい」「開幕スタメンを狙う」「全試合フル出場したい」などと、抱負と決意を語った。
おそろいのスーツ姿でマスクを着用し、多摩キャンパスCスクエアの会見場に現れたのは、浦和レッズ加入が内定している大久保智明選手(経済4)、サガン鳥栖に内定した松本大輔選手(経済4)と今掛航貴選手(経済4)、AC長野パルセイロの高窪健人選手(文4)、社会人チーム・南葛SCの飯吉将通(まさみち)選手(商4)の5人。加納樹里サッカー部部長(文学部教授)、佐藤健監督が同席。東京ヴェルディに内定した深澤大輝選手(経済4)はチーム練習のため欠席し、ビデオでメッセージを寄せた。
質疑応答に臨んだ5人はまず、大学生活で得たことや自分のアピールポイント、今後の目標などを1人ずつ回答した。
大久保智明選手
「(浦和レッズは)クラブ規模も大きく、(チーム内の)競争も激しいですが、チャレンジしたい。スカウトの方も練習や練習試合、公式戦に熱心に足を運んでくださり、レッズのためにプレーしたい気持ちが強まりました。大学4年間で時間の使い方だったり、いろいろな人と関わる中で考え方を深めたりすることができました。プレー面では、自分の武器は何なのか、自分がチームに何ができるのかということを磨き上げられたと思う。ドリブル突破や攻撃でのチャンスメイクが僕の特長です。開幕スタメンを狙い、1年目から中心選手として活躍したい」
松本大輔選手
「サガン鳥栖はもともと好きなチームでした。キャンプに参加させていただき、最後まであきらめないプレー、全力で戦うチーム力をとても感じ、オファーをいただいて入団を決意しました。自分の長所は、守備での一対一やヘディングでの競り合い(の強さ)だと思っています。長所を生かしてチームに貢献していきたい」
今掛航貴選手
「僕はけがが多くて、どこにも行くところがなくサッカーをやめようともしましたが、(サガン鳥栖から)最後にオファーをいただき迷うことなく決めました。大学で学んだことは“全て”です。運動量の多さと技術があると思うので、そこが長所だと思います。目標は全試合フル出場です」
高窪健人選手
「(AC長野パルセイロの)練習に以前に参加したとき、自分のプレースタイルに合うと感じました。オファーをいただき(入団を)決めました。大学では、自分の長所をどう生かすか、どうアピールするかということを学べました。自分の長所はフィジカルの強さと前への推進力。目標はJ2昇格に向けてチームに貢献することです」
飯吉将通選手
「『キャプテン翼』から生まれたチームの『見ている人をワクワクさせる』というコンセプトに引かれたことと、社会人チームの中でサッカー以外でも社会に出て働くということが将来のプラスになると思い、南葛SCを選びました。関東1部への昇格に向けてチームに貢献できたらと思います」
深澤大輝選手
「東京ヴェルディには小学4年生から高校3年生までの9年間お世話になり、僕に夢を与えてくれたクラブです。こんどは夢を与えられるように精いっぱい頑張ります」
(ビデオメッセージから)
大久保智明(経済4) 170センチ、62キロ MF 浦和レッドダイヤモンズ
松本 大輔(経済4) 183センチ、79キロ DF サガン鳥栖
深澤 大輝(経済4) 174センチ、69キロ DF 東京ヴェルディ
今掛 航貴(経済4) 170センチ、62キロ DF サガン鳥栖
高窪 健人(文4) 178センチ、72キロ FW AC長野パルセイロ
飯吉 将通(商4) 184センチ、72キロ GK 南葛SC
※名前、所属学部・学年の次は、身長・体重、ポジション、内定チームの順
会見ではさらに、「中央大学に入ってよかったなと思うところはありますか」という学生生活に関する記者の問いかけもあった。選手たちは、「1年から4年までの4人部屋で過ごす寮生活は、なかなか経験できないことで、精神的にタフになった」(大久保選手)、「時間の使い方を勉強した4年間でした。サッカーだけでなく、本を読んだり、寮の外に出て自分のためになるものを探したりと、成長させてもらった」(松本選手)、「歴史のある中央大学という名前を背負ってピッチ外でも生活しないといけないし、練習や試合での振る舞いなどを先輩方から学びました」(飯吉選手)などと答えていた。
レッズ入りする大久保選手は「(同じピッチで)去年戦った選手がJ1、J2で活躍しており、大学サッカーの立ち位置が変わってきているのがうれしい。自分もその波に乗って活躍し、それが中大サッカー部や、関東大学サッカーの価値も高めると思う」とも語り、プロデビューが待ちきれない様子だった。
最初は少し硬い表情で受け答えしていた選手たちだったが、内定先チームのユニフォームを身につけると緊張感も解け、カメラマンの注文に笑顔で応じていた。
Jリーグでは大学を経たルーキーが活躍して話題になっています。大卒でプロ選手になる意味を改めて考えると、文武不岐という言葉に思い当たりました。文と武は分かちがたいもの、相互に補うものという意味です。つまり、大学で学んだことは、セカンドキャリアという選手をやめてからだけではなく、サッカー選手として活躍するピッチの上でも役立つのではないでしょうか。
6人の皆さんも大学で過ごした時間が無駄ではなかったということを今後の人生において証明してほしいと願っています。
佐藤健監督は、「能力は非常に高く、攻撃と守備の要となって、1年生、2年生からずっと主力で戦った選手たちです。個性もあり、面白い人材だと思います」と強調し、「この選手たちが、中央大学の名前を背負いながら、しっかりとグラウンドで結果を出す。そういうプロ選手としての本領をみせてほしい。(日本)代表になるような選手がこの中から出てきたらうれしい」と期待した。
各選手の特長について、「大久保選手はサイド攻撃、今掛選手は両サイドとも(対応)できる。松本選手の空中戦や一対一、フィジカルコンタクトでの強さは間違いなくJ1でできるレベル」と高く評価。さらに、「ずっとヴェルディで育った深澤選手は、精神的にも肉体的にも今年から(公式戦に)出られるくらいの“ヴェルディ魂”を備えている選手。J3の(AC長野パルセイロの)高窪選手はJ2でも通用するくらいフォワードとしての資質がある。GKの飯吉選手は足元のテクニックや基本的なキャッチングなど、どこのプロ(チーム)にも行けたくらい技術レベルは高く、活躍が楽しみ」と話していた。