2026.05.11
コピーライターの登龍門といわれる日本最大規模の公募広告賞「第63回宣伝会議賞」(月刊『宣伝会議』主催)の「学生チーム対抗企画」で、国際経営学部の飯田朝子教授のゼミ生10人で作るチーム「Student Professors」が総合1位となった。応募したキャッチコピーなど8458本のうち45本が1次審査を通過、応募38チーム中最多となり、栄冠を勝ち取った。
受賞は2026年1月に発表され、チーム代表の澤田殊風(ことかぜ)さん(4年=受賞時3年)は「思考を止めずに“量”を書く。その中で“質”も重視して、光るアイデアを探していきました」と創作上の工夫を話した。澤田さんと、チームメンバーでゼミ長の小川礼夢(らいむ)さん(同)に、受賞の喜び、創作過程での苦労、言葉を紡ぎだすヒント、飯田ゼミで学ぶ意義や面白さなどを尋ねた。
「Student Professors」のメンバー 。(写真左から)リーダーの澤田殊風さん、メンバーの林蒼音さん、渋谷海翔さん、大川内詩英奈さん、小川礼夢さん、加賀谷彩乃さん、
保地菜々穂さん、橋本真緒さん、大塚史温さん、飯野桜太さん
学生チーム対抗企画への応募に備え、ゼミ生たちは夏休み中の9月に2泊3日の合宿を行った。小川さんによると、「一人1000 本書くまでは帰れません」と冗談交じりに声をかけ合い、個々にひたすら創作に集中する時間の一方で、「会話する中で、誰かの言葉から連想してアイデアが広がっていく」という経験もした。澤田さんは「書きまくっているときに、ふと言葉やアイデアが下りてくる瞬間があった」と振り返っている。
滞在先は海沿いのホテルで、澤田さんは「近所に出歩いて気分転換を図ったり、景色の素晴らしさから、刺激やひらめきを受けたりすることがあった」とも打ち明けた。小川さんは、「たとえば、ある商品を使った感想を言語化する過程こそがコピーライティングのやりがい」と説明し、「普段あまり使わない言葉も意識したところ、語彙が広がっていく感覚が楽しかった」と、創作の面白さを教えてくれた。
合宿中、皆で海を眺めて気分転換も図りました
合宿中、花火でリラックスも
合宿で、全員が脳を自在に働かせ、言葉とひたすら真摯に向き合い、マジックのように紡いでいったことが今回の受賞に結びついたといえるだろう。最終的に10人で応募した8458本のうち7~8割を合宿中の創作が占めたという。
受賞について、澤田さんは「合宿の成果です。『無限の思考で量を書く』という志を皆で共有し、言葉と真剣に向き合ったことと、個々のパッション(熱情)が伝染して皆に広がり、努力が結果となった」と喜び、小川さんも「(宣伝会議賞に)3度目の参加で、初めて結果として実った」と笑顔を見せた。
1次審査を通過したのは、協賛企業の一つ「YKK AP」の課題「社会を幸せにするYKK AP について表現するアイデア」に応募した澤田さんの作品「『ただいま』と、『いってきます』の、あいだ。」や、「中小企業が平松剛法律事務所と顧問弁護士契約したくなるアイデア」の課題に応募した小川さんの作品「それは問題ではなく、交渉の材料です。」など。澤田さんの「YKK AP」の作品は協賛企業賞も受賞した。
澤田さんと小川さんの2人は2年生のときから、飯田ゼミで多種多様な広告について学んでいる。日本だけでなく国外で注目されるような英語の広告も学修の対象で、小川さんは「海外のポスターはシンプルで、パッと見た瞬間にイメージが伝わるのに対し、日本は言葉での説明が勝っているポスターが多い」と違いを話す。
ゼミでは、そうした自身が学んだ広告を題材として、ゼミ生によるゼミ生を対象とした講義が行われている。題材はテーマパーク内の広告、映画ポスターなど、さまざまだという。チーム名の「Student Professors」もこの講義が由来だ。澤田さんは「日頃からグループワークやプレゼンテーションが多いゼミで、私の想像を超える創造をしてきてくれるゼミ生ばかりです。多種多様な学びから刺激を受けています」と、仲間たちに感謝する。
指導する飯田教授は自身のインスタグラムで、「(9月の合宿で)脳にたっぷり汗をかきました。素晴らしい頑張りでしたね。飯田ゼミ始まって以来の快挙です!おめでとう」と、教え子たちに称賛の言葉を送っている。
表彰セレモニーに参加したメンバーたち。後列一番左は「YKK AP」の竹林賢汰さん、前列一番左は飯田朝子教授
☆澤田殊風さんの1次審査通過作品(協賛企業賞)
「ただいま」と、「いってきます」の、あいだ。
課題:「社会を幸せにするYKK AP について表現するアイデア」
☆小川礼夢さんの1次審査通過作品
それは問題ではなく、交渉の材料です。
課題:「中小企業が平松剛法律事務所と顧問弁護士契約したくなるアイデア
☆総合1位を受賞したゼミ生
リーダー:澤田殊風さん
メンバー:林蒼音さん、渋谷海翔さん、大川内詩英奈さん、小川礼夢さん、加賀谷彩乃さん、保地菜々穂さん、橋本真緒さん、大塚史温さん、飯野桜太さん
※渋谷海翔さん(受賞時4年)以外は受賞時3年生
チームリーダーの澤田殊風さん(右)と小川礼夢さん
☆宣伝会議賞
60年以上の歴史を重ねた公募広告賞で、企業・団体が商品やサービスの認知向上などを促そうと提示する具体的な課題を題材として、キャッチコピーや動画広告、音声広告をプロ、アマを問わずに募る。今回の一般部門は30の企業・団体が課題を提示した。例年、60万件近い応募があり、1次審査通過率は1%未満とされる。
18~25歳の大学生、大学院生、専門学生のチーム(2~10人)が対象の「学生チーム対抗企画」は12回目の開催。課題は8月1日に発表され、38チームが参加した。メンバーが投稿した作品の1次審査通過本数の合計数を競い、応募8458本のうち45本が通過した飯田ゼミ生10人(2025年度の3、4年生)のチーム「Student Professors」が最多となった。