2022.12.14

強心臓、堂々の金メダル 「ワクワクして楽しかった」
U20世界選手権 4×100メートルリレーで優勝
陸上競技部 藤原寛人選手(法2)

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「国を代表して戦うんだ」。日の丸を背負ってつないだリレーは重みが違った。陸上のU20世界選手権4×100メートルリレー(2022年8月5日=コロンビア現地時間)で、2走として出場した陸上競技部の藤原寛人選手(法2)を含む全員が、ミスなくバトンをつなぎ、日本勢初優勝の快挙を成し遂げた。メンバー4人の快走は、現地でバトンリレーを確認できたのが本番前日の一日だけという不安も全く感じさせなかった。

U20世界選手権4×100メートルリレーの優勝メンバー(左から2人目が藤原寛人選手) 

日の丸を背負って走る

南米コロンビア・カリの地で世界の頂点に立ったメンバーは、藤原選手と、1走の池下航和選手(環太平洋大2年)、3走の舘野峻輝選手(東洋大1年)、アンカーの栁田大輝選手(東洋大1年)の4人。藤原選手 は2022年6月のU20日本選手権100メートルでの優勝を評価されてメンバー入りした。メンバーの顔ぶれを見て「4人の力量なら金メダルが取れる」と確信していたという。

ただ、この4人でバトンをつなぐのは初めて。しかも現地の事情からバトン受け渡しの練習は前日だけと不安もあった。そして、予選はトップ通過したものの、決勝は南アフリカの後塵を拝して2位でフィニッシュ。「2番だったか」と少し肩を落としてトラックを一周していたところ、日本チームのスタッフから、コース侵害による南アフリカの失格で、日本が繰り上げ優勝と聞かされた。その瞬間、感情が高ぶり、4人で抱き合って喜んだという。

大きな舞台で国を代表して競うことについて、藤原選手は「プレッシャーよりも、やってやるぞというワクワクする気持ちのほうがまさった」と振り返り、「僕はプレッシャーを楽しめるタイプ。観客が大勢いたほうが楽しいと、コロナ禍があって気づいた」と頼もしく言い切る。

レース中盤からの加速力が持ち味

U20世界選手権には100メートルの自己ベスト(10秒37)を更新しようと意気込み、個人種目にも出場した。

予選は自己ベストにあと100分の4秒と迫る10秒41で2位通過したが、展開で後手を踏んだ準決勝で涙をのんだ。100メートルは9秒91から10秒30までの8人が決勝に残るという「過去最高レベルのジュニアの競走」(藤原選手)となった。

短距離ランナーとしての特長は中盤以降の加速力だ。「前半30メートルで出遅れさえしなければ勝てる」と力を込める。走力を爆発させる後半にエネルギーを温存する戦い方だ。

100メートルは1000分の1秒差で明暗が分かれる世界。「試合場が静まり返るスタートのドキドキ感や緊張感。それまで取り組んできたことを10秒足らずの間に全て出す。何の言い訳もできない競走」と、短距離走に打ち込む理由、魅せられる心境を語る。

個人種目の100メートルに出場した藤原寛人選手(左から2人目)

OBの飯塚翔太選手からの学び

2023年のユニバーシアード出場、2024年パリ五輪出場が在学中の目標。それに近づくための中大での練習環境も充実しているという。

大学1年のシーズンオフのころから、週2回、ウエートトレーニングだけの日を設け、本格的な体作りに取り組んでいる。ウエートの次の日のトラック練習では「体が動き、スピードも出ている。自信につながる」と効果を実感した。

また、このころから、陸上競技部OBの飯塚翔太選手(ミズノ)と練習をともにする機会に恵まれた。2016年リオ五輪4×100メートルリレー銀メダリストの先輩から、練習への姿勢や、走ることを柔軟にとらえて取り組む大切さなどを学ぶ。競技の面でも人としても、飯塚選手に見習うべき点が多いと感じている。この年末も合宿に同行する予定と いう。

◇第19回U20世界陸上競技選手権大会

男子4×100メートルリレー決勝 (2022年8月5日=コロンビア現地時間)

①日本 39秒35

(池下航和、藤原寛人、舘野峻輝、栁田大輝)

②ジャマイカ 39秒35

③米国 39秒57

2023ユニバーシアード
2024パリ五輪出場が目標

 

 

藤原寛人選手

 

ふじわら・ひろと。千葉・東海大浦安高卒、法学部2年。180センチ、72キロ。100メートルの自己ベストは2022年6月のU20日本選手権(予選)で記録した10秒37。中大在学中の目標を2023年のユニバーシアード出場、2024年のパリ五輪出場に置いている。国内に生息する淡水魚が好きで、寮近くの川で釣りをして気分転換を図るという。

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