2022.07.25

日本選手権2位 2023世界水泳、その先のパリへ飛躍
女子200メートル平泳ぎ、水泳部の緒方温菜選手(文3)

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水泳部の緒方温菜選手(文3)が、5月の日本選手権女子200メートル平泳ぎで2位の好成績を収めた。今回の成績で出場が内定した9月のアジア大会(中国・杭州)はコロナの影響で延期されたものの、着実に力を蓄えて、将来の飛躍を期す。成長した先に2023年の世界水泳、その先のパリ五輪で躍動する姿を見据えている。

ラストスパートが持ち味

「200メートルならラスト50、100 メートルならラスト25で、私はグーンと上がっていけるんです」。レース終盤に全力でスパートをかける。持ち味は後半の追い上げ。スタミナ勝負に自信があり、得意なのは200メートルの方だ。

アジア大会の延期は残念だったが、初めて日本代表(Aチーム)の合宿を経験できたことも収穫となった。東京五輪金メダリストの大橋悠依選手(イトマン東進)や、日本選手権女子200メートル平泳ぎ優勝の今井月(るな)選手(東京ドーム、東洋大4年)らと泳ぎ、身体の機能や使い方を学ぶナショナルトレーニングセンターでの講義も「ステップアップできる内容」だった。

現在の目標には、今夏のインカレとともに、2023年7月に福岡で開催予定の世界水泳を挙げる。「実家の熊本の家族も見に来やすい福岡での開催。インターハイのように恩返しをしたい」。高校3年のインターハイは熊本市で開催され、家族や友人らが見守る中で100メートル平泳ぎ、200メートル平泳ぎで2冠を達成していた。

雰囲気に圧倒された東京五輪選考会

中大に入学後、自己ベストの記録は出ていたが、インカレなどでは結果を残せず、悔しい思いをした。

転機は2021年4月の東京五輪の選考会だった。派遣標準記録を突破したが代表内定の2位以内に届かず、個人種目の代表を逃した大本里佳選手(中大卒、ANA)や、優勝しても派遣標準記録にコンマ数秒の差で届かずに悔しそうな表情を見せた選手の姿に、「自分のレース以上に悔しさがこみ上げて泣いてしまった」と振り返る。

選考会の雰囲気に圧倒された自身の成績は200メートル6位。派遣記録にも及ばなかった。「試合に臨む先輩たちの姿勢や態度、雰囲気がいつもと全く違った。今度は私がそうならないといけない」。このときから「オリンピックに行きたい」と、より強く意識し始めた。

「自分に合った平泳ぎを見つける」

「何でも話せる仲」という緒方温菜選手(右)と池本凪沙選手の2人

競泳選手としては細身で、太れない体質という。背筋力を増やそうと、ダンベルを使ったり、5キロの重りをもって上半身の上下動を繰り返したりといった筋力を増やすトレーニングを繰り返し、食事管理にも気を配る。筋力を増やして泳ぎを進化させたいと思っている。

専門の平泳ぎについて、「体の前で手を返す動きをする最も抵抗のかかる泳ぎ方」と説明する。「いかに抵抗を小さくするかを追求し、選手一人ひとりが皆、違う泳ぎをしている。自分に合った泳ぎを見つけるという面白さもあるんです」と話す。

練習は、昔も今も息がつらくてきついと感じる。「世界」を目指すような練習であれば、きついというのも本音だろう。

水泳のこともほかのことも「何でも話せる仲」というのが水泳部の1学年後輩で、女子4×200メートルフリーリレーで東京五輪にも出場した池本凪沙選手(法2)だ。「ナギとはつらいこともうれしいことも、ずっと一緒に経験している」。同じ近大付高から中央大学に進学し、お互いの気持ちの支えや励みに なっているという。

 

緒方温菜選手

 

おがた・はるな。熊本市出身。大阪・近大付高卒、文学部3年。イトマン東京所属。身長167センチ。幼少期に水泳を始め、「気づいたら平泳ぎばかりを泳いでいた」と振り返る。高校3年のインターハイで100メートル平泳ぎ、200メートル平泳ぎの2冠。2022年5月の日本選手権200メートル平泳ぎで2位(2分25秒92)に入り、アジア大会代表に選出された。自己ベストは100メートル平泳ぎが1分07秒91、200メートル平泳ぎは2分24秒76。

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