2022.01.27
「Dream of sports! トップアスリート in Nagareyama」と題した中央大学女子陸上競技部と、千葉県流山市の中学生の交流会が、1月10日、キッコーマンアリーナ(流山市民総合体育館)で開かれた。国内トップクラスの技量のある大学生による技術指導・交流で、中学生に競技の楽しさや練習法、アスリートとしての心構えなどを培ってもらうのが狙い。
中央大学流山白門会(髙橋洋会長)、NPO法人おおたかスポーツコミュニティ流山が主催し、流山市教育委員会などが共催した。
交流会には、女子陸上競技部から主将の高島菜都美選手(文3)ら11人、中学生は流山市内7校の99人が参加した。体育館内で、冬季の筋トレを中心とした全体練習の第1部、短距離・長距離・ハードル・跳躍のそれぞれの専門練習の第2部に分けて実施。感染症対策のためマスクを着用し、水分補給も適宜行いながら、女子陸上競技部員が技術指導に当たった。
全体練習では、女子陸上競技部員と中学生が一緒になって、ランニングや馬跳びの後、ひねり背筋、もも上げ、V字腹筋などを次々にこなした。専門練習のハードルでは、女子陸上競技部員が「走りながら体の軸をずらさないよう、腰から下で(下半身を意識して)ハードリングしよう」とアドバイスして、正しいフォームで走る大切さを教えたほか、短距離では正しいフォーム動作を繰り返すため、ミニハードルドリルという器具を使った技術練習を指導していた。
このほか、変形ダッシュ、体育座りから即座に立ち上がっての1回転ダッシュなどを繰り返して汗を流し、充実した内容の交流会となった。
ミニハードルドリルという器具を使い、走行フォームを意識した練習をする中学生
長距離(5000メートル)が専門の加藤礼菜選手(商2)は流山市のおおたかの森中学校出身。「中学時代にここで陸上を始めて成長できた。地元の中学生との交流会を心待ちにしていました」と笑顔を見せ、「中学生が何でも吸収しようと頑張り、生き生きと楽しそうな姿を見て、こうした姿勢、気持ちの大切さに改めて気付きました」と話していた。
交流会の結びには、中学生からの質問コーナーの時間も設けられた。「大会前日に取る食事は何ですか」「大学で競技を続けるモチベーションは何ですか」といった質問が飛び、女子陸上部員が「400メートルを走り切るための糖質を取るための炭水化物」「コロナ禍でインターハイがなくなった世代のため、このままでは終われないと思って続けています」などと、それぞれ答えていた。
参加した北部中2年で陸上部部長の有永音羽さんは短距離やリレーが専門。「交流会で、陸上が強い人は全体をまとめる力もあり、部長としてそれが大切だということに気づきました。仲間と励まし合って活動していきます」と、この日の体験から手ごたえを感じた様子。同じ北部中2年で副部長の舘侑規さんも短距離やリレーが専門で、「もも上げなどの基本動作を学び直せました。全国レベルの選手から学び、高校でも陸上を続けて追いつけるように頑張りたい」と話していた。
女子陸上競技部主将の高島選手は「きついときに頑張ることがきっと成長につながる。交流会をもっと強くなりたいというきっかけにしてほしい」と、中学生にエールを送っていた。
女子陸上競技部員(右)が、正しいフォームでハードルを飛越する練習法を指導した
交流会には女子陸上競技部員11人(別表)と、流山市の南部、南流山、東部、北部、おおたかの森、東深井、八木の7中学校の陸上部から99人が参加し、たっぷり3時間の充実した練習内容でともに汗を流した。
交流会は2021年1月に予定されていたが、コロナ禍のため延期となっていた経緯がある。来賓としてあいさつした流山市の井崎義治市長は「強豪である中央大学女子陸上競技部との待ちに待ったイベント。中学生の皆さんには交流会を経て新たな目標を設定してほしい」と言葉を送り、主催した流山白門会の髙橋洋会長は「スポーツを通じてたくさんのことを吸収してください。何よりも交流会を楽しんでほしい」と中学生を励ました。
女子陸上競技部の中村哲郎監督は「約40人の部員から、えりすぐった選手たちと流山を訪れました。きょうの交流会のポイントは『元気に楽しく』。大学生からいろいろなことを吸収して、もっと陸上を好きになってください」と呼びかけていた。
中央大学女子陸上競技部 交流会参加者
名前(学部・学年) 種目 主な競技成績
高島菜都美(文3) 400m 21年関東インカレ4×400mリレー優勝
21年日本インカレ400m準決勝進出
梶木菜々香(法3) 七種競技/100mH 21年日本インカレ七種競技6位
21年日本選手権七種競技6位
村上 静和(文3) 400mH 18年高校総体400mH10位、国体熊本県代表
大島 愛梨(文3) 400m 21年関東インカレ4×400mリレー優勝
20年400m日本インカレ2位
21年400m日本インカレ4位
20年400m日本選手権4位
池本 夏実(文3) 七種競技 19年U20日本選手権七種競技9位
加藤 礼菜(商2) 長距離 19年高校総体3000m決勝進出
21年杜の都大学女子駅伝、富士山駅伝出場
松岡 萌絵(経済1)400m/400mH 21年関東インカレ4×400mリレー優勝
21年日本インカレ400mH準決勝進出
飯田 景子(法1) 400m 21年関東インカレ4×400mリレー優勝
21年日本インカレ400m5位
深澤あまね(法1) 100m/200m 21年関東インカレ4×100mリレー 5位入賞
21年U20日本選手権200m7位
徳永倫加子(文1) 100m/200m 21年関東インカレ4×100mリレー5位入賞
島貫恵梨子(商1) 長距離 19年全国高校駅伝4区4位
21年杜の都大学女子駅伝、富士山駅伝出場
(注)主将は高島菜都美選手、副主将は梶木菜々香選手