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総合講座

 

【満席のため受付終了】西洋美術の歴史 -ルネサンスから19世紀まで-

  • 対面式
  • 芸術伝統
  • 総合講座

講座番号:14111

土曜日 11:00~12:30

場所
駿河台
定員
30名

お申込受付終了

[秋期/全4回【満席のため受付終了】]
9/28、10/26、11/9、12/7
受講料:12,100
申込締切日:2024/08/28

講義概要

 コーディネーター 小林 亜起子 講師

【講座内容】
 みなさんは、美術館や展覧会で西洋の美術作品をどのように鑑賞しますか。作品を前に、ぼんやりと眺めたり、近づいて細部を観察したり、メモをとったり、一瞥して通り過ぎたり、さまざまな作品との接し方があると思います。鑑賞方法に正解はありませんが、絵画をよりよく味わいたいと考えている方におすすめしたい鑑賞アプローチがあります。それは、西洋美術の歴史、それぞれの作品が作られた時代の美術特徴、美術の歴史についての基礎的な理解を基盤としながら作品を鑑賞する、というやり方です。美術館や展覧会の壁にかけられた絵は、それが作られた時代と切り離されて展示されています。そのため、作品を作り出した画家が生きていた時代の美術の特質、その美術様式が形成された背景、これらの側面は絵画を眺めているだけでは見えてきません。そこで本講座では、ルネサンスから19 世紀の美術の歴史をテーマとして取り上げ、西洋美術にたいする理解を深め、これまで以上に作品鑑賞を楽しむための基礎力を養うことを目指します。
 この講座は4 人の講師によるリレー形式で実施されます(各回の担当講師及び講座内容の詳細については下記をご参照ください)。1 回目の講座は15 ~ 16 世紀のルネサンス美術、2回目は17 世紀の美術、とくにイタリアのバロックを中心にとりあげます。3 回目は18 世紀のロココと新古典主義について、最終回は19 世紀後半のフランス美術に焦点をあてます。ごいっしょに、西洋美術の歴史をじっくり学びましょう。

【各回のテーマ・簡単な内容】

第1回 ルネサンス美術 -古代復興と美術家の個性 9/28(深田麻里亜講師)

 西洋美術史では、15 ~ 16 世紀はルネサンス時代と区分されるのが一般的です。この講座では、ルネサンス時代の美術の特徴として、「古代復興」と、美術家の「個性」という二つのテーマを取り上げます。
 ルネサンスという語は、西洋美術の文脈では、古典古代の文芸の「復興」を指します。この復興と美術作品の関わりについて、人文主義の興隆という歴史的背景とあわせて見ていきます。また、当時の作品の作り手は、それぞれ個性を発揮し競い合いうことで、中世来の職人という枠組みにとどまらない、美術家として歴史に名を刻むことになりました。ヴァザーリの『美術家列伝』をひもときつつ代表的作品を鑑賞し、美術家同士の交流についても理解を深めましょう。


第2回  17世紀イタリアの美術 -ボローニャ派を中心に 10/26(山本樹講師)

 16 世紀後半、ヴァザーリの『美術家列伝』により、ローマやフィレンツェを中心とする美
術史観が形成されました。それに対する異議をベースに、イタリアの他の地域からも新たな
動きが生まれます。中でもボローニャで頭角を現した画家一族カラッチは、ヴァザーリが積
極的に評価しなかった北イタリア諸都市のルネサンス美術に学び、自らの美術様式を形成し
ました。カラッチがローマに出て制作したファルネーゼ宮殿の装飾画は、バロックとよばれ
る美術史の新たな一時代への原動力となります。
この講座では、カラッチ一族と彼らに続くボローニャ派の作品を紹介すると共に、彼らが
どのように評価されていったのか、17 世紀の伝記作者たちの叙述と照らし合わせながら見て
いきます。


第3回 18世紀の美術 -ロココと新古典主義、王立絵画彫刻アカデミーを中心に 
     11/9(小林亜起子講師)

 18 世紀は、ロココと新古典主義というふたつの美術の潮流が生まれました。この時代の幕開けを飾る繊細優美なロココにはじまり、世紀後半から19 世紀前半には、古典古代を規範とする新古典主義が隆盛します。フランスにおいて、これらの新たな美術の担い手となった芸術家たちの多くは、王立絵画彫刻アカデミーに入会し、会員として活動していました。このアカデミーは、フランスの芸術と美術教育の発展の上で重要な役割を担いました。18 世紀になると、アカデミー主催のサロン展が定期的に企画されるようになり、サロン批評や公衆の趣味が、この時代の美術作品の評価に少なからぬ影響力をもつようになります。
 本講座では、ロココと新古典主義の特質とその誕生の背景、さらに、この時代の画壇を牽引した画家たちが所属していた王立絵画彫刻アカデミーについて、わかりやすく解説します。


第4回  19世紀後半のフランス美術 -美術制度の変化と独立派画家の登場
     12/7(袴田紘代講師)

 さまざまな美術表現が生まれた19 世紀後半のフランス。その重要な背景のひとつに、美術制度の変革がありました。それまで官営の公募展(サロン)に限られていた作品発表の場は、画家自身ないし画商が主宰する展覧会へと選択肢を広げます。また伝統的な美術教育を担ったアカデミーが衰退するなかで、新たな芸術観をかかげる画家たちが続出しました。
 本講座では、こうした19 世紀後半に顕著となる美術制度の変化をたどりながら、サロンやアカデミズムと距離を置く独立派の画家たちがどのように登場し、活動したのか見ていきます。エドゥアール・マネや印象派の画家たちの代表的な作品を鑑賞することで、フランス近代美術の流れも一緒に確認していきましょう。

対象 どなたでも参加いただけます。

日付 タイトル
秋1回目 2024/09/28 【深田 麻里亜 講師】ルネサンス美術 -古代復興と美術家の個性
秋2回目 2024/10/26 【山本 樹 講師】17世紀イタリアの美術 -ボローニャ派を中心に
秋3回目 2024/11/09 【小林 亜起子 講師】18世紀の美術 -ロココと新古典主義、王立絵画彫刻アカデミーを中心に
秋4回目 2024/12/07 【袴田 紘代 講師】19世紀後半のフランス美術 -美術制度の変化と独立派画家の登場

日程

土曜日11:00~12:30

  • 秋期全4回【満席のため受付終了】 :9/28、10/26、11/9、12/7
テキスト レジュメを配布します。
小林 亜起子

講師

多摩美術大学専任講師/東京藝術大学講師

小林 亜起子(こばやし あきこ)

パリ第十大学修士課程修了(修士・美術史)、東京藝術大学大学院博士課程修了(博士・美術)、ローザンヌ大学博士課程修了(博士・文学)。現在、多摩美術大学専任講師、東京藝術大学講師。
ローザンヌ大学文学部賞受賞。単著に『ロココを織る』(中央公論美術出版)、
共著にArachné : un regard critique sur l'histoirede la tapisserie( Presses universitairesde Rennes)、『イメージ制作の場と環境』、『新古典主義美術の系譜』(2点ともに中央公論美術出版)など。

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深田 麻里亜

講師

日本女子大学国際文化学部国際文化学科 助教

深田 麻里亜(ふかだ まりあ)

東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了、博士(美術)。著書:『カラー版 ラファエロ―ルネサンスの天才芸術家』(中公新書)、共著:『ラファエロ―作品とその時代を読む』(河出書房新社)、『教皇庁と美術』(竹林舎)、『システィーナ礼拝堂を読む』(河出書房新社)、訳書:ヴァザーリ『美術家列伝』共訳(中央公論美術出版)。

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袴田 紘代

講師

国立西洋美術館主任研究員

袴田 紘代(はかまた ひろよ)

パリ第十大学修士課程・東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了、博士 (美術)。国立西洋美術館での「北斎とジャポニスム」展担当、「憧憬の地 ブルターニュ」展企画構成など。

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山本 樹

講師

日本学術振興会特別研究員PD/成城大学文学研究科

山本 樹(やまもと いつき)

東京藝術大学大学院修了。博士(美術)。イタリア政府給費生としてボローニャ大学に留学。東京藝術大学教育研究助手を経て現職。主要論文:「ボローニャ、タナーリ家のアレクサンドロス大王伝- ルドヴィコ・カラッチの作品群とその「インヴェンツィオーネ」をめぐる一考察-」(成城美学美術史紀要)

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