2024.08.07

〈GO GLOBAL取材レポートより〉
非英語圏は「ダイバーシティ&インクルージョン」の宝庫
留学の事前イベント踏まえ、漠然とした夢の具体的準備を

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毎年春と秋の長期交換留学の募集期間前に、中央大学国際センターは、留学を目指す学生を対象としたさまざまなイベントを開催している。留学する国と大学の選び方、語学力・成績・選考基準、留学する期間、就活時期との兼ね合いなどについて、先輩たちが体験談を伝えるほか、国際センター職員によるレクチャーや相談会もある。学生は、イベント参加を踏まえ、漠然と夢に描いていた留学について具体的、現実的な準備を始めていくようだ。

2024年4月26日に多摩キャンパスで開催されたイベント「非英語圏への留学ってどうなの?」では、非英語圏のフィリピン、台湾、フランスの協定校に留学した3人の学生が現地での授業、語学の習得や地域事情・慣習、休日の過ごし方などについて説明した。その内容の一部を紹介したい。

非英語圏への留学イベントで自身の体験を語る(左から)佐藤彩音さん、吉村勇人さん、菅野大地さん

最高峰の大学での学び、英文専攻に生かす
「トリリンガル」目指して留学
留学生の仲間と欧州旅行

フィリピン大学ディリマン校に1セメスター(学期)留学した佐藤彩音さん(文3)は、「公用語は英語でも日常会話はタガログ語というネイティブとは言えない国で、いろいろな英語に触れることができた。フィリピン最高峰の大学で優秀な学生や世界からの留学生と学んだ経験を英文専攻での学びにつなげたい」と留学の成果を強調。

台湾の国立政治大学に1セメスター留学した吉村勇人さん(商4)は、「3カ国語を話すトリリンガルを目指して、授業が英語と中国語で行われる国立政治大学に留学した。寮のルームメイトでアジア・欧州からの留学生との会話は、最初は英語だったが、いつしか中国語となり、不思議な経験をした」と振り返った。

フランス・EMノルマンディービジネススクールに1年間留学した菅野大地さん(経済4)は、「留学準備中に、英語圏への留学の英語力基準を満たせずに悩んでいたとき、英語で授業を受けられて経済学部での学びを広げられるフランスのビジネススクールのことを知った。欧州、アフリカからの留学生が多くて、休日は欧州旅行を一緒に楽しんだ」と語った。

3人とも、他国の留学生と共に学び、英語で議論を交わすことで英語力に磨きをかけた。吉村さんは目的だった中国語のスキルアップがかない、佐藤さんはタガログ語、菅野さんはフランス語を学ぶ機会も得られたという。現地の暮らし・文化に触れ、世界各国の留学生と交流して、さまざまな考え方を知り、コミュニケーション力を高めた。

3人の言葉から、非英語圏への留学は、英語圏への留学以上に「ダイバーシティ&インクルージョン(包括・包含=組織を構成する人々が個性や能力などを認め合いながら活躍できている状態)にあふれている」と感じさせるイベントだった。

Gスクエア「JAPAN DAY」での書道体験(2023年夏)

Gスクエアのピクニック・イベント(2023年秋)

中央大学はグローバルな活躍を望む学生にとって恵まれた環境
特設サイト「GO GLOBAL」担当の6年間
前「GO GLOBAL」担当 本郷暢子

中央大学公式ホームページ内で、「グローバル」に特化した特設サイト「GO GLOBAL」を広報室で担当して6年。担当を卒業する時が来ました。感謝の気持ちを込めて、感じてきたことをお伝えします。

私は「中大のグローバルを知ることができるサイト」を目指して、取材・執筆、Webサイトの運営を行ってきました。担当して2年目の春に、突然のコロナ禍がキャンパスを覆いました。現在の1~4年生は高校や大学入学直後に通学できず、留学に行けないという残念な時期がありましたが、その間にSNSが一層普及し、通訳機能に加えてコロナ禍明けにはAI技術が一気に進化しました。

オンラインによる授業や会議・セミナー開催は当たり前のものになり、海外の学生とオンラインで接する機会も増え、留学や海外旅行をしなくても海外と交流できることを教えてくれました。街に目を向ければ、海外からの観光客や留学生が増え、さまざまな場所で海外からの働く人々の姿を目にします。グローバルは、憧れるものではなく、「すぐ隣にあるもの」になってきたことを6年間の仕事から感じ取りました。

そして、時代の要請は、「ダイバーシティ&インクルージョン」に移り変わり、個々の違いを受け入れ、認め合い、生かしていくことの大切さが必要とされています。さらなる活躍を望む人には起業家精神・挑戦する姿勢(アントレプレナーシップ)も求められるようになってきました。

学生の知的好奇心、意欲に寄り添い応援する教職員の姿

 

中央大学は、グローバルな活躍を望む学生にとって非常に恵まれた環境だと感じています。国際センターはもとより、各学部が独自のグローバルな環境や留学プログラムを用意しています。

たとえ留学できなくても、多摩キャンパスにある異文化交流ラウンジ「Gスクエア」や、留学生との積極的な国際交流活動を行う学生団体が存在し、「にほんごサポーター」という形で留学生の支援に関わることもできます。そして、グローバル面だけに限らず、学生の知的好奇心と意欲、学生の成長と葛藤に教職員と卒業生の方々が寄り添い、応援している姿を目にしてきました。

私の亡き父は教員でした。幼少期の頃から、わが家には大学生が出入りして、父や仲間と議論を交わしていました。議論や交流を深める中で、当時の大学生たちの柔軟な心に響いたことは、生涯にわたって生き方などに影響を与えたかもしれません。

その思いをベースに、学生・留学生、指導する先生方、サポートする職員を応援する気持ちで「GO GLOBAL」を運営してきました。中央大学の「グローバル推進」に少しでも貢献できていたら本望です。学生、卒業生、教職員の皆さんのますますのご活躍を心から応援しております。

中央大学特設サイト「GO GLOBAL」はこちらから閲覧できます。

https://globalization.chuo-u.ac.jp/

Gスクエアの「JAPAN DAY」で、中央大学の阿波踊り団体「中大連」が指導を担当した体験イベント(2019年夏)

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