2023.08.22

木のぬくもりに触れ、絆、人との結びつきを感じてほしい
「赤ちゃんの手形・足形ブロックカレンダー」
商学部4年の吉岡朋美さん、藤岡夏海さんが商品化

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商学部の森弘行客員講師が指導する専門科目「プログラム演習Ⅴ」で、ソーシャル・アントレプレナーシップ・プロジェクト(SEP)に取り組む4年生の吉岡朋美さん、藤岡夏海さんの2人が、山梨県小菅(こすげ)村で産出された木材を使った「赤ちゃんの手形・足形ブロックカレンダー」を商品化した。受注生産で販売している。

コロナ禍の影響もあり、2人は「人と人とを結び付けられる商品」の開発を目指した。「木のぬくもりを感じられるカレンダーとして、手で触れた人に家族の絆や、つながりを感じ取ってほしい」と呼びかけている。

ヒントは成人式の記憶
手形・足形をレーザーで木に刻印

「家族の絆、人と人のつながり」をテーマに商品化したという藤岡夏海さん(左)と吉岡朋美さん

大学2年のとき、小菅村の持つ資源や課題を、同村に住む森客員講師の授業で学ぶ中で、面積の約95%が森林という小菅村の森林資源が十分活用されていない現状を知り、解決策を検討した。コロナ禍でリモートワークが増えたため、当初はペン立てなどのデスク製品を思いついたが、安価な競合商品が多く難しかった。

ヒントは、吉岡さんの成人式の記憶にあった。離れた土地に住む祖父母に晴れ着姿のアルバムを贈ると喜ばれた。この経験と、「人と人をつなげる商品にしたい」という藤岡さんの思いが重なり、方向性が固まった。森客員講師からは、マーケティングや営業、販売、広報などを網羅して学んだという。

カレンダーは本体、手形、足形と、日付や曜日を表すサイコロ状のブロックを組み合わせた構造。本体はサワラ、ブロックは杉、手形と足形はシナベニヤを素材としている。

半永久的に使用できるものにしようと、手形と足形、数字や文字は、素材の木に刻印する「レーザー彫刻」の技法を用いた。着色などは行っていないため、経年劣化の心配はほとんどないという。手形、足形の写真を送付すれば実寸大で刻印でき、数字や文字の書体(フォント)も選べる。藤岡さんは「手形や足形は実寸大という点にこだわった。触れてぬくもりを感じてほしい」と話す。

ブロックカレンダーの商品化に当たっては、小菅村の資源(木材)を使った商品として、村の企業に製作費を支払い、利益も生まれるという「ウィン・ウィン」の関係が成立している。さらに、吉岡さんは「半永久的に使用できるという点ではSDGsにもつながる」と説明している。

本体に写真を飾ることもできる。 価格はコンパクトタイプが1万4800円、リッチタイプが3万2800円。

大きさの異なる2タイプを商品化した

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☆ソーシャル・アントレプレナーシップ・プロジェクト(SEP)

地域社会が解決すべき課題を特定し、関連する情報を集め、効果的なビジネス・ソリューションを考案するとともに、課題解決の実現に向けたイノベーションに挑戦するプロジェクト。ソーシャル・アントレプレナーは社会の課題を事業によって解決する事業家、起業家のこと。

中央大学商学部は、SDGsを実践するビジネス人材の育成を目的に、山梨県小菅村と丹波山(たばやま)村、東京都檜原(ひのはら)村の奥多摩3村と交 流・連携に関する協定を2019年3月に締結した。各村が抱える課題を特定し、課題の解決に向けて、学生が若者ならではの視点で、地域資源を生かしたサービスや商品開発を目指して取り組んでいる。

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