2023.03.30

「SPIRITS」卒業の先輩へ 「本当にありがとうございました」
コロナ禍に負けず、4年間チアの活動をやり切る

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2020年の初春から続いているコロナ禍による社会の混乱の中で、大学生の部活動も中止や制約といった影響を受けた。2年生の私が所属するチアリーディング部SPIRITSの活動も例外ではなく、先輩の4年生8人は数々の喜びと困難の記憶を胸に卒業の日を迎えた。卒業生の袖岡結(そでおか・ゆう)さん(チアリーディング部2022年度主将)、秋元麻依さん、米田香音(かのん)さんの3人に、部活動をやり切ったからこそ得られた思いや道のりを、後輩で「HAKUMON Chuo」学生記者の私が聞いた。(学生記者・チアリーディング部 谷井花蓮=総合政策2)

チアリーディング部の4年生8人。(左から)河内山海(こうちやま・まりん)さん、小森美稀さん、袖岡結さん、
藻垣(もがき)野乃花さん、芳村舞さん、米田香音さん、川澄祐佳さん、秋元麻依さん

マスク越し…でも「笑顔の大切さ」強く実感

袖岡結さん

 

今の4年生が1年生だった2020年の冬、新型コロナウイルスがはやり始めた。

 

コロナ禍以前の練習は、「スタンツ」と呼ばれる、数人で組体操のように人を乗せたり飛ばしたりする技を磨くことが中心だった。しかし、他者との接触をなるべく避けなければならない状況となり、ダンスやジャンプといった「平場」演技の練習しかできなくなったという。

 

スタンツで技が決まったときの達成感や喜びは、演技のモチベーションにつながる。袖岡さんは「スタンツ練習が全くできなくなり、部員と成功の喜びを分かち合う瞬間がなくなった。正直、なかなか士気は上がらなかった」と当時を振り返った。

 

チアリーディングは応援から発祥したスポーツである。応援を目的としているスポーツのため、笑顔が欠かせない。笑顔が魅力の一つであり、応援する人にパワーをもたらす。

 

感染拡大防止のため、マスクを着用した活動となり、さらに声を出しての応援も控えたが、そんな状況だからこそ、選手や観客を盛り上げ、活気づけられるように、笑顔の大切さをそれまで以上に強く実感できた。「マスク越しの笑顔」を常に意識したという。

「1人ではできない競技」 仲間への感謝

米田香音さん

授業と部活を両立するあわただしい日々の中でも、米田さんは時間の使い方を工夫し、さまざまな行動力を培い、人との関わり方を学んだという。

 

いろいろな立場の人に対応した言葉の選び方、立ち居振る舞いなどを、時と場合に応じて対処する術や、その必要性を学んだ。具体的には、自身よりチアリーディング経験の長い後輩や先輩へのアドバイスの仕方、コーチや監督と話すときの言葉遣いなどである。

 

秋元さんはメンタル面で強くなったと感じている。1年生の頃は、うまくいかないことがあると泣いてばかりいたが、経験を積むにつれて自信が芽生えていったという。そして、その自信が強さを生んだ。できないこと、うまくいかないことにも心が折れずに挑戦できるようになった。

 

卒業を迎えた今、一番感謝しているのは「一緒に練習してくれた仲間の部員です」と力を込めて教えてくれた。

 

チアリーディングは一人ではできないスポーツである。みんなで一つのものを作り上げていく。先輩の4年生たちは、演技を披露できる応援活動の場や大会、学園祭などを、仲間と励まし合いながら乗り越えてきた。袖岡さんは「同期の部員に出会えた」からこそ、入部してよかったと感じている。

後輩たちへ「今を楽しんで」

秋元麻依さん

 

後輩部員の私たちへのメッセージを頼むと、3人は「今を楽しんでほしい」(米田さん)、「笑顔のスポーツだからこそ、いつでも笑顔で頑張ってほしい」(袖岡さん)、「頑張っていれば、技術面、精神面で成長できる。未来に向かって頑張ってほしい」(秋元さん)と、エールを送ってくれた。

 

卒業する先輩たちに私から感謝の言葉を送りたいと思います。4年間、本当にお疲れさまでした。先輩方がコロナ禍で多くの困難を乗り越え、部活動の経験を通してさまざまなことを学んだということを知りました。先輩方のように真剣に部活動に向き合い、いずれ引退を迎えるときに、私も「やっていてよかった」と思えるようにしたい。

 

先輩方にはいろいろなことを教えていただきました。先輩方のおかげで今のSPIRITSがあると思います。本当にありがとうございました。

学生記者でチアリーディング部所属の谷井花蓮さん

☆應援團チアリーディング部

 

1991年創部。加藤郁美監督。部員49人。愛称「SPIRITS」。應援團リーダー部、應援團ブラスコアー部とともに行う応援活動と、チアリーディング競技の2つの活動を行っている。

 

応援活動では、硬式野球部、準硬式野球部、アメリカンフットボール部、ボート部、サッカー部などの試合会場で、選手たちにエールを送る。競技では、関東チアリーディング選手権(兼日本選手権関東地区予選)、チアリーディング日本選手権(ジャパンカップ)、学生選手権(インカレ)などの大会を目標に演技に磨きをかけている。

 

應援團としての活動理念は「選手やチームを奮い立たせ、人の心を動かす応援をする」「活動を通して中央大学の発展、活性化に寄与する」「人のため、社会のために自ら考え行動する人格を養う」。団訓は「規律、礼節、時間厳守」。

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