2022.07.08

「児童ののみ込みの早さに驚き」「先生って大変だ!」
中大生12人がパソコン操作を小学1年生に手ほどき
八王子市立由木東小で「学校応援プロジェクト」

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中央大学の学生が6月24日、多摩キャンパスからほど近い八王子市立由木東(ゆぎひがし)小学校(源田佐知子校長)で、1年生にパソコンを教える「出張授業」を担当しました。初めてパソコンに触れる児童もいて、「私もできた!」「パソコンって楽しい」といった感想が聞かれました。

 

子供たちに、デジタル社会の“入り口”で機器や操作に慣れ親しんでもらうのが目的の一つです。教職課程の履修者を中心とする学生12人が、4クラス140人の児童に学習端末「Chrome Book」の基本操作や取り扱い方などを手ほどきしました。

「ログイン」「パスワード」ってなんだろう?

児童にパソコン操作を教える学生たち=八王子市立由木東小

学生たちによる授業は、「学校応援プロジェクト」として2019年からスタートしました。教職課程を履修する学生を中心に、大学での日々の学びを「他者に伝える・教える」力を身につけるとともに、活動を通じて地域に貢献することも大きな目的です。

 

パソコンについて詳しく知らない子供たちに取り扱いを教えるには、「ログイン」「パスワード」「シャットダウン」といった、使い慣れた大人なら知っているはずの用語の説明から始めなければなりません。パスワードはさしずめ、「パソコンを開く魔法のおまじない」といったところでしょうか。

 

「***―**」。教室の黒板にログインの際のパスワードが書かれています。数字(この記事では伏せてあります)の間にある「―」は、分かりやすいように、キーボードのひらがなのキー「ほ」を押すように指し示してありました。

 

学生の指導でどんどんトライ

「みんな、よく聞いてー!」。学生が児童たちに大きな声で呼びかける場面もあった=八王子市立由木東小

学生たちはほかにも、電源の入れ方、文字の入力方法、画面のスクロールの方法などを分かりやすく教えることに懸命に取り組んでいます。子供たちは、手書きで図や絵を描けるアプリ「ジャムボード」を使って好きな絵を描いたり、「Yahoo!きっず」のゲームを楽しんだりと、学生の指導をすぐにのみ込んで、どんどんトライしていきました。

 

学生たちは「みんな分かった? OK?」「できていない人は手を挙げて!」「誰かにいたずらされないように、シャットダウンしてみようか」と、時に大きな声を張り上げながら指導に熱を入れ、休憩を挟んだ90分間(2時限分)の授業はあっという間に終了しました。

「担任教諭の大切さ」「伝えることの大変さ」を知る

 

教職課程を履修し、数学の高校教諭を目指しているという理工学部3年の須藤春輝(はるき)さんは、「(アプリで)文字を書くだけと伝えても、図形を描くツールを見つけだしたりして、子供たちは皆、のみ込みが早い」と驚き、「2つのクラスで教えましたが、担任の先生の個性で(学級それぞれの)子供たちの雰囲気が違いました。担任教諭の大切さが分かりました」とも。将来の目標に向けて有意義な経験となった様子でした。

 

文学部3年の加藤詩菜(うたな)さんも教職課程を履修中で、「児童に伝えることの大変さを感じました。(授業前の準備からは)想定外のことも多かったのですが、子供の目線に立つことの大切さを学べました」と感想を話していました。

 

ほかの学生からも「子供たちの元気さに圧倒された。でも、やりがいがあった」の声や、「先生って大変なんだなと思った」「1年生は覚えるのが早い。ちょっと教えるとすぐにできるようになる」といった感想が聞かれました。児童たちは「おもしろかった」「(学生たちが)優しく教えてくれた」と喜んでいました。

 

由木東小の源田校長は「学生の皆さんは分かりやすい言葉で教えてくれています。『お兄さん、お姉さん』として、教員とはまた違った親しみやすさもあります」と語り、学生による指導を歓迎していました。

☆学校応援プロジェクト

出張授業で1年生にパソコン操作を教えた中大生たち

学校現場のニーズに応える授業プログラムを学生グループが作成し、出張授業などを実施するプロジェクト。大学の教育力を高めることを目的とする大学内の補助金事業「中央大学教育力向上推進事業」のひとつとして2019年4月にスタートした(補助期間は2021年度末で終了)。

 

事業には、英語でコミュニケーションをとる楽しさを伝える「グローバル教育プロジェクト」、プログラミング教育の効果を研究する教員と学生による小中学校への出張授業などを行う「プログラミング教育プロジェクト」、中学生らが自らの将来やキャリアを考える「キャリア教育プログラム」と、「いじめ防止教育プログラム」がある。

 

プロジェクト参加の学生は教職課程履修者には限定せず、中大での学修で得た知見を他者に伝え、教える力を身につけることで、地域に貢献することを目指して活動している。

パソコンの操作を丁寧に指導する中大生(左)

アプリ「ジャムボード」を使い、児童は画面上に思い思いの絵を描いた

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