2020.12.18

国際教育寮での交流に工夫 オンライン就活に不安も
コロナ禍と対峙~学生記者が寄稿

文/総合政策学部3年 齋藤優衣

  • 中大ニュース
  • きょう・あした

社会に未曽有の状況を引き起こしている新型コロナウイルス。中大生の学生生活にもさまざまな影響が生じています。
「HAKUMON Chuo」の学生記者が、悩みや、苦労する中での新たな発見、日々感じていることなど、率直な思いを記しました。

今年4月、多摩キャンパス内に新設された国際教育寮に私は住んでいる。1期生として、期待に胸を膨らませて入寮したものの、コロナの影響で予期していたものとは全く違った寮生活となった。しかし、さまざまな試行錯誤を繰り返し、コロナ禍に負けまいと、日々の生活を送っている。

寮内「ユニット制」に試行錯誤

学生記者の齋藤優衣さん

英語サークルの活動で、国際交流や異文化理解に楽しみを見出していた私は、新しい寮ができると聞き、すぐに興味を抱いた。別の国際寮に住む先輩から話を聞いて、共同生活を通じて学ぶことがたくさんあると知っていた。多くのことを学べる機会になると思い、入寮を希望した。

寮では6人が1つのユニットの中で暮らすユニット制を取っている。日本人学生と留学生が必ず同じユニットに入り、キッチンやシャワールーム、洗面台を共有。当然、共同生活でのルールやマナーといった決まりが必要になる。文化や生活様式が異なる中で、お互いの文化を尊重し、多文化理解を深めることが国際教育寮の目的である。

現在入寮しているのは日本人学生が大半だ。入国制限もあり、入寮している留学生は約20人という状況にある。入寮済みの日本人学生もさほど多くなく、本来6人が住むはずが1、2人しか住んでいないユニットもある。寮内では対面での集まりを可能な限り控えており、寮生同士が関わる場面は限られる。

共同生活は「学びの連続」

こうした状況を改善しようと、後期から「疑似ユニット制度」を取り入れた。異なるユニットの寮生同士がオンライン上で集まり、もう一つのユニットとして交流を図る。寮生活の不安、悩みなどを定期的に語り合い、それらを少しでも減らすのが狙いだ。

寮のまとめ役である「レジデント・アシスタント(RA)」が、こうしたアイデアに知恵を絞っている。RAは、寮生が快適に暮らせるよう、留学生の生活サポートや、寮生活のルール策定、イベント企画などの役割を受け持つ寮生のまとめ役。私もRAの1人として、広報や、共有キッチンの美化活動、八王子市と連携したSDGsに向けた取り組みの企画などを担当し、幅広く寮の運営に関わっている。

寮内の交流が制限され、当初は悲しく思っていたが、コロナ禍だからこそ工夫を凝らした活動もできた。寮に帰れば誰かがいると感じられ、学年・学科を超えて友人ができたことにも安心感があった。共同生活を送るというのは学びの連続である。入寮してよかったし、これから先も、国際交流をより深められる日々を楽しみにしている。

就活…ほかの学生の動向が分からない

現在3年生である私の就職活動についても話したい。一番強く感じるのは、同じ年代の学生がどのような状況にいるのかが全く分からないということ。これまではキャンパスで友人と話し、近況や悩みを共有できた。そうした機会が減り、就活への不安も一段と増している気がする。テスト前などに「私、全然勉強してない」といった声を聞くと、「自分だけじゃない」と安心するように、何げないコミュニケーションが実は大事なのだ。

インターンシップや企業説明会の多くはオンライン開催だ。ホームページや就職活動サイトの口コミをみて、どのような企業か、自分に向いていそうかを見極める。

交通費や移動時間が減って効率はいい半面、画面上でのやり取りで完結してしまうため不安も大きい。インターンシップでは、リクルートスーツを着た学生が自室から参加する形となり、「パブリックな姿」と「プライベートな姿」が入り交じった何とも不思議な光景が広がっている。画面映りを気にして照明器具を購入したという友人もいる。

経済活動の停滞に伴う採用人数の減少も気になり、先を見通せない。気が抜けない状況が続くが、まだ長い内定への道のり。友人とも連絡を取りながら、頑張っていきたい。

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