2024.04.02

「自分がどんなふうに輝ける人かを知る」
「好きなことを好きと言い続けられる環境に」
「柔軟に対応できる能力、アルバイトで身につける」
女子学生の就活応援 WINGの会がセミナー

学生記者 髙橋来佳(文1)

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これから就職活動に臨む女子学生の支援を目的とした第29回WINGの会「女子学生応援セミナー」が2023年11月25日、多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」408教室を会場に、対面とオンラインで開かれた。卒業生でつくる学員会の女性支部「女性白門会」が主催、キャリアセンターが共催した。

 

企業や行政機関に内定した4年生の女子学生3人がパネルディスカッションに参加し、就活を経験した本音を語りかけたほか、2004年法学部卒業生で三井住友信託銀行広告宣伝企画チーム・チーム長の吉原彩さんが「私らしいリーダーシップを考えよう」と題して講演し、参加者が熱心に耳を傾けた。

 

※記事中の学年はすべて2023年度のものです。

就活に関するさまざまな質問に答えた内定者の3人。(左から)経済学部の植松采音さん、文学部の吉田凪さん、経済学部の久留嶋彩さん

企業・行政機関に内定した女子学生3人がアドバイス

 

「今、知りたい就活のリアル!~就活経験者が語る本音の60分」と題したパネルディスカッションでパネリストを務めたのは、外資系コンサルタント会社「デロイトトーマツコンサルティング」に内定した経済学部4年、久留嶋彩さん▽秋田書店に内定した文学部4年、吉田凪さん▽東京都小平市役所に内定の経済学部4年、植松采音(あやね)さん―の3人。寄せられた主な質問に次のように回答した。

 

 

質問(以下Q)就活の軸、大事にしていたことを教えてください

 

久留嶋さん 一番大切にしていたのは自分が成長できるかどうか。「こういうスキルが身につく」「キャリアに磨きがかかる」といった観点です。企業はより自分をレベルアップさせるための一つのステージであるという感覚、そこで自分がどう輝けるか、どう働けるかという点に重点を置いて就活をしていました。

 

吉田さん 先輩から仕事を始めたら趣味に時間を割けなくなると、よく聞いていたので、一番の趣味である漫画の編集をしたいというのが一番の軸でした。漫画の出版社か編集プロダクションだけを受けていました。自分が好きなことを好きと言い続けられる環境にいたいと思ったからです。

 

植松さん AI(人工知能)の進展などで、仕事がなくなってしまっては自分の未来が危うい。公務員なら機械化は進んでも完全に職がなくなることはないと思いました。安定した職に就きたいという思いからです。

 

 

Q 企業・行政機関選択の際に、女性だから意識したこと、注意したことはありますか

 

久留嶋さん あまり意識しませんでしたが、男女の昇進スピードが同じではないと嫌だというのはありました。(内定先は)性差の別なく、絶対評価でその人の能力というふうに見てくれる。評価のされ方という点は、注意深く企業を見ていたと思います。

 

吉田さん 漫画に関わる出版社だけを受けていたので、「女性だから」ということは考えていませんでした。毎年の(内定者の)女性対男性の比率が1対9だったり、高くても4対6だったりしたので、(女性には)すごく狭き門だなと感じていました。

 

植松さん 女性ならではの観点で選んだということはありませんでした。しかし、民間企業で受験したある業界は全国転勤が多かったので、転勤などを自分が受け入れ可能かどうか決めた上で選ぶのは大切だと思います。

 

久留嶋彩さん

吉田凪さん

「ESを3つ書けるくらい活動的に過ごす」
「面接は誰よりも笑顔で」「アナログ手帳を大事に」

植松采音さん

 

Q 就活を始める前にやっておいた方がよいこと、役立ったことを教えてください

 

久留嶋さん 2点あります。1点目は活動的に動く。エントリーシート(ES)を3つ書けるくらい活動的に過ごすことが大事。私に置き換えると、2年生のときから長期インターンやビジネスコンテスト出場を経験しました。学業やサークル、アルバイトなど意欲的、自主的に活動できていたら、ESは書けると思う。もう1点は、「自分はどういうふうに輝ける人なんだろう」ということを今のうちから探した方がいい。会社はいろいろな人を求めていて、欲しい人材は1種類ではない。自分はどういう強みをもっているかを明確に知っておいた方がいいと思います。

 

吉田さん とにかく学業に力を入れていました。私は文学部哲学専攻で古代ギリシャ語を初級・中級・上級と履修して、検定を受けたりもしました。(企業の)年配の面接担当の方々は哲学の話にすぐに興味、関心を持ってくれた。面接で面白い話題を取り入れるのに学業が力になりました。飲食店のアルバイト経験からも「こんなユニークなお客さんがいた」といった話を紹介できました。

 

植松さん 学生生活の本分は学業ということをぶらさずに大切にしてきました。しっかり勉強した上で、アルバイトに力を入れました。高校3年から大学4年の7月末日まで働いていた飲食店はマニュアルがなく、その日その日に起きることに柔軟に対応できる能力が身につきました。学生マネジャーという立場で、社会人の方もパートの方も一緒に働く中で、リーダーとしてどういう立ち回りをすればいいかということが身につきました。

 

 

Q 就活で失敗したことはありましたか

 

久留嶋さん ある日の面接に10分遅刻してしまいました。フィリピンで(面接時間を)予約したら、時差でずれてしまい、人事の方から当日、電話がありました。面接前日には必ず時間をチェックしましょう。でも、めげなければ、どうにかなることもあります。

 

吉田さん 志望していた出版関係の会社から内定をもらえなかったとき、いろいろな企業を受けてみたことがありました。ただ、(他の業界については)知らないことばかりで、軒並み残念な結果となり、また精神的にダメージを受けました。「これしかやりたくない」という職業があるなら、ほかに目を向けないで頑張ったほうがいいと思いました。

 

植松さん 私は就活のスタートが遅くなったことです。

対面とオンラインで開かれた第29回WINGの会「女子学生応援セミナー」=2023年11月25日

久留嶋さんは現在、週1~2回、多摩キャンパスのキャリアセンターで「キャリアアドバイザー」として後輩の就活相談に対応しているという。ディスカッションの結びで「適材適所でこそ人は輝ける。就活で自分の活躍できる場をきちんと選べたら、(それぞれが)もっと輝ける。そういう意図で後輩たちをより適切な企業に導く手助けをしたい」と呼びかけた。

 

吉田さんは「就活で一番重要だなと思ったことは笑顔でいること。私は面接で誰よりも笑顔でいるよう気をつけていた。すごく緊張するとは思うけれど、いつもより2、3センチ(口角を)上げて就活してほしい」と笑顔でメッセージを送り、植松さんも「就活ではスケジュール管理が大切で、私はアナログの手帳を大事にしていた。アプリより手帳を勧めます。先がわからず不安だと思いますが、自分を信じて、最後まであきらめずにやれば、絶対に何かがついてくる」と後輩にエールを送っていた。

「自分らしく働ける場所をつくる」
学生記者 髙橋来佳(文1)

今回、女子学生応援セミナーに参加して、「就活」とは「自分が生涯輝ける居場所を探すこと」だと感じた。

 

セミナー第1部では、三井住友信託銀行で活躍する法学部卒業生の吉原彩さんが大学で過ごした4年間と就活、仕事場におけるリーダーの存在について話してくださった。

 

リーダーシップについて考えたとき、吉原さんはある2つのことが重要だという。それは①世の中を知ることと、②自身を高める努力をすることだ。自分が置かれている状況に満足することなく、視野を広くもち、意欲的に挑戦する。そして、仕事をする中で仲間が窮地に立たされたときは助ける。そうすることで自分や周りも楽しく仕事ができる環境を作り上げられると教えてくださった。

 

また、“引き出す力”も大切だと思う。リーダーとして、まず相手の話を聞いて、考えを“引き出し”、尊重してあげることがチーム力向上の秘訣だと気づいた。多種多様な考えを持つ人々と仕事をする中でそのような力を身につけていったからこそ、吉原さんには彼女の背中を追って成長する数多くの仲間がいるように感じた。

「自分が成長できるかどうか」「強みを生かせる仕事」を重視

 

第2部では、コロナ禍を乗り越え、無事内定が決まった4年生3人から具体的な就活経験談を聞いた。3人とも落ち着いた表情で、就活のことがまだわからない私にも、わかりやすく話をしてくださったことから、面接の練習を積み重ねてきた力が垣間見えたように思う。

 

話を伺う中で、経済学部4年の久留嶋彩さんが就活の軸としていた「自分が成長できるかどうか」がとても印象に残っている。企業で働くということは、そこで稼いだお金で生きていかなければならない。

 

安定した職を手に入れることだけではなく、企業は自分を高める1つのステージだと、久留嶋さんは考えている。就職先が決まれば、次にそこで何をすべきかを考え始めるような、久留嶋さんの先を見据えた姿勢、行動がさらなるキャリアアップに結び付くと感じた。

 

自分が今できることは何か。先輩たち3人は異なる分野に就職予定だが、「自分の強みを生かせる職場」を重視している点は同じだった。だからこそ1、2年生のうちにアルバイトやボランティア活動などに積極的に参加して、自分が好きなこと、興味を持てるものを見つけることが大事だと気づかされた。

 

そして、いざ就活を迎えたときに、「大学生活は将来のキャリアに生かせるような密度の濃いものだった」と胸を張っていえるような日々を過ごしていきたい。

私らしいリーダーシップのため「世の中を知る」「自身を高める努力をする」
2004年法学部卒、三井住友信託銀行広告宣伝企画チーム・チーム長 吉原彩さん

吉原彩さん

法学部卒業生で三井住友信託銀行広告宣伝企画チーム・チーム長の吉原彩さんは講演で、さまざまなタイプの上司(リーダー)と一緒に仕事をしてきたと振り返った。

 

株式トレーダーとして資産運用を担当していた頃の上司は、「本当にピンチになったときに助けてくれ、絶対に部下を守る」という全幅の信頼を置ける人だった。人事部に在籍したときは、誰にでも自然体で話すことができ、会社の進むべき道を全員にうまく伝えられる「懐の深い人」が上司だった。人事部には堅いイメージがあったが、周囲と上手に協力することでチームワークの力を実感できたという。

 

入社15年目にFDCS企画推進部で初めてチーム長となり、現在も広告宣伝企画チーム長を務める。「私らしいリーダーシップ」を発揮するために、「世の中を知る」「自身を高める努力をする」ことを常に心がけている。周囲が楽しく活動できる場所を作るためだという。

 

質疑応答で、学生の「さまざまなタイプの上司に共通した点は何か」という問いかけに、「あの仕事、この仕事をやり遂げた。何かをやり遂げたという点が共通している」と説明し、「達成感を持つということは学生時代からも重要だと思う」と語りかけた。

 

自身の就活を振り返り、「何より自立することが重要」「結婚したとしても働き続けたい。どんな状況でも、自分一人で自分を支えられることが大事」と考えていたという。大学1、2年で宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取り、①女性が長く働ける会社であること②専門性を身に着けられること③私らしく居られる場所であること―の3点を重視して就活に臨んだ。

 

企業研究を進める中で、当時のメガバンク一般職の平均年齢27歳に対し、信託銀行は38~39歳で、「10年の差」に気付いた。「たとえば子供を産んで復職して、会社に残ってほしいと言ってもらえる専門性、スペシャルな力を身に着けられるのではないか」と考えたと、志望先を信託銀行に絞った理由を説明した。

法学部卒業生で三井住友信託銀行の吉原彩さんが「私らしいリーダーシップを考えよう」と題して講演した

☆女性白門会

女性白門会はさまざまな分野で活躍する中央大学の女性卒業生の会。「WINGの会」は女性の卒業生から現役学生に対する進路・就職活動への応援を目的に発足した。学生にとって、女性のキャリア形成が一層多様化し、自分のキャリアをどのように描き、進路をどう考えていくかが喫緊の課題となる中で、今回のセミナーは29回目の開催となった。

第29回WINGの会 女子学生応援セミナー

 

〈日時〉2023年11月25日14:00~16:50

〈会場〉多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」408教室 

    対面・オンラインで開催

 

【第1部】中央大学卒業生による講演「私らしいリーダーシップを考えよう」

登壇者:三井住友信託銀行広告宣伝企画チーム・チーム長 吉原彩さん

 〈略歴〉中大杉並高卒、中央大学法学部法律学科2004年卒、同年住友信託銀行(当時)入社。コンプライアンス管理、日本株式トレーディング、人事部採用担当、FDCS企画推進部チーム長を経て、2021年に個人企画部に異動。広告宣伝企画チームのチーム長として、企業広告や協賛施策の企画・検討などを担当している。

 

【第2部】内定者パネルディスカッション

「今、知りたい就活のリアル!~就活経験者が語る本音の60分」

 質疑応答

 

◇パネリスト◇

経済学部4年 久留嶋彩さん(デロイトトーマツコンサルティング内定)

文学部4年 吉田凪さん(秋田書店内定)

経済学部4年 植松采音(あやね)さん(東京都小平市役所内定)

 

〈主催〉中央大学学員会女性白門会

〈共催〉中央大学キャリアセンター

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