2023.01.25

就職内定の4年生からアドバイス
「なぜその選択、行動か」 自己分析から見える就活の軸
「就活を考えない時間も作る」「仲間と一緒に頑張る」
女性白門会、キャリアセンターが「女子学生応援セミナー」

学生記者 谷井花蓮(総合政策2)

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これから就職活動に臨む女子学生の支援を目的とした第28回WINGの会「女子学生応援セミナー」が2022年11月26日、多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」 410教室を主会場に、対面とオンラインのハイブリッド形式で開かれた。卒業生でつくる学員会の女性支部「女性白門会」と中央大学キャリアセンターが共催した。

 

企業や官庁に内定した4年生の女子学生3人によるパネルディスカッション、学生との質疑応答や、法学部OGで読売新聞東京本社政治部記者の森藤千恵さんの「自分らしい働き方を考えよう」と題した講演があり、参加者41人(対面17人、オンライン24人)が熱心に耳を傾けた。

 

内定者のパネルディスカッションに参加した(左から)小川智香さん、平栗麻衣さん、高見澤琴夏さんの4年生3人

質疑応答の中で、就活で大切にしてきた「軸」を尋ねられた文学部4年の高見澤琴夏さん(デンソー内定)は、「オンリーワンの実力のある会社で、“チーム感”をもって仕事ができるかどうか」と回答。商学部4年の小川智香さん(三井住友銀行内定)は「事業規模の大きな会社で、人と関わってする仕事をしたい」、総合政策学部4年の平栗麻衣さん(個人情報保護委員会=国家公務員一般職=内定)は「結婚して子供を産み、かつ生涯働き続けることがかなう仕事」とそれぞれ答えた。

 

高見澤さんは「大学3年の頃からこれまで、なぜその選択をしたか、行動をしたか」を問い直す過程で軸が見えてきたと語り、自己分析の大切さも強調した。3人とも自身の求める方向性が、採用する側とマッチしていたといえそうだ。

「面接はマッチング」「あせらず時間をかけて将来を考えて」

総合政策学部4年 平栗麻衣さん(個人情報保護委員会内定)

 

学生時代の経験について、3人は「打ち込めることはとことん打ち込んだほうがいい」と口をそろえ、平栗さんは「市役所系(の面接で)はボランティア経験を尋ねられることがある」とアドバイスした。

 

高見澤さんは「面接はマッチングと思って臨んだ。1、2年生のうちに頑張ったことは結果として就活にもつながる」と後輩たちにメッセージを送り、小川さんは「就活を考えない時間を持つことも大切。あせらず時間をかけて将来を考えてほしい」と訴えた。平栗さんは「公務員を目指す仲間のつながりを作り、一緒に頑張ることも大事。努力も必要だが、運と縁という考え方もある」と呼びかけた。

商学部4年 小川智香さん(三井住友銀行内定)

文学部4年 高見澤琴夏さん(デンソー内定)

セミナーに参加した「HAKUMON Chuo」学生記者の谷井花蓮さん(総合政策2)が、印象に残った言葉や感じ取ったこと、学んだことなどを報告します。

「私はどんな働き方をしたいのか」「自分を深く知りたい」
学生記者 谷井花蓮(総合政策2)

学生記者の谷井花蓮さん

 

就職活動に不安を感じている私にとって、今回のセミナーはとても有益なものでした。

 

第1部で、読売新聞東京本社政治部で活躍する法学部OGの森藤千恵さんの講演会を聞き、就職活動で最も重要なことは「自分を知る」ということだと感じました。「自分を知る」ことが、自分に合った仕事を見つけることにつながります。森藤さんは学生時代に好きなこと150項目を紙に書き、そこから将来やりたいことを考えたといいます。

 

講演でのお話から、自分を知るためにも、さまざまなことに挑戦し、多様な価値観に触れることが大事だと気づかされました。具体的には、いろいろな場所を訪れ、多くの人に会うことが自己を知るきっかけになり、自由な時間がある学生のうちに積極的に行動し、価値観を広げることを勧められました。

 

第2部では、実際に就活を経験した4年生3人から具体的な話を聞き、将来の仕事を選択する際に重要なことが何かを知りました。特に印象に残っているのは個人情報保護委員会(国家公務員一般職)に内定された総合政策学部4年の平栗麻衣さんの行動力です。

就活に欠かせない行動力

対面とオンラインのハイブリッド形式で開かれたセミナー

自分が望む条件を満たした就職先を見つけるには、行動力が欠かせません。その上で、平栗さんは女性が働く上での環境や制度を重視されていました。男女の就職率や職種の差がないかを情報収集し、女性活躍推進に関するデータベースを通して制度が整っている組織や企業を絞っていました。

 

さらに、男性育休取得率に関する質問を担当者に直接投げかけ、中大OB、OGに育休を取得した際の周囲の反応や様子などを尋ねたといいます。こうした積極的な行動力が、自分に合った就職先を見つけることに結び付きました。

 

3人が就職先を決めたそれぞれの理由は違います。しかし、就活に際して何を重視し、大切にするかという「自分の軸」は無理やり決めたのではなく、考えを深めるにつれて決まってきたということが共通していました。

 

これまでの自分を顧みるライフラインチャートを作ったり、他者からみた自分の姿を尋ねたり、企業のエントリーシートを書いたりすることが、将来について考える良い機会になったといいます。現在、「自分の軸」が決まっていないからといって、必ずしも不安を感じる必要はなく、じっくりと定めていきたいと私は感じています。

 

セミナーで具体的な就活の流れや取り組む姿勢など全般を把握し、卒業後の将来のために「今を一生懸命に生きることが大切だ」とも実感できました。森藤さんは「就活(面接)は自分の価値への評価ではなくマッチング」と話されました。

 

私は「自分を深く知る」ということがまだ十分ではありません。これを機にどんな働き方をしたいのか、働く上での条件の優先順位は何なのかなどのキャリアプランを意識しようと考え始めています。

☆第28回WINGの会「女子学生応援セミナー」

日時:2022年11月26日(土)14:00~16:50

場所:多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」410教室を会場にオンラインとのハイブリッド開催

 


第1部:中央大学OGによる講演会「自分らしい働き方を考えよう」

 登壇者 読売新聞東京本社勤務 森藤千恵さん

【略歴】中央大学法学部政治学科卒業。2003年読売新聞東京本社に入社。長野支局、世論調査部を経て2009年に政治部に異動。首相官邸クラブや外務省などを担当し、現在は与党を担当する「平河クラブ」サブキャップを務める。

 


第2部:内定者パネルディスカッション「今、知りたい就活のリアル!~就活経験者が語る本音の60分~」

 パネリスト

商学部4年 小川智香さん(三井住友銀行内定)

文学部4年 高見澤琴夏さん(デンソー内定)

総合政策学部4年 平栗麻衣さん(個人情報保護委員会=国家公務員一般職=内定)

 

〈共催〉中央大学キャリアセンター

    中央大学学員会女性白門会

☆女性白門会

女性白門会はさまざまな分野で活躍する中央大学の女性卒業生の会。「WINGの会」は女性OGから現役学生に対する進路・就職活動への応援を目的に発足した。学生にとって、女性のキャリア形成が一層多様化し、自分のキャリアをどのように描き、進路をどう考えていくかが喫緊の課題となる中で、今回のセミナーは28回目の開催となった。

学生時代「いろいろな場所で、いろいろな人に会い、いろいろな体験を」
法学部OG・読売新聞政治部記者 森藤千恵さんが講演

森藤千恵さん

講演した法学部OGの森藤千恵さんは2003年に読売新聞東京本社に入社。政治部に在籍する現在は、記者クラブの「平河クラブ」で主に政権与党を担当し、自身の取材とともに現場の「サブキャップ」として後輩への取材指示、原稿チェックなどの業務を精力的に行う日々を過ごしている。

 

講演では、自身の学生時代を振り返り、①好きなことの中から将来やりたいことを見つける②ウイング(人としての幅)を広げるため3つのことを同時にこなす③「努力は裏切らない」ではなく、「正しい方向でなされた努力は裏切らない」―という3点を心がけていたと強調した。

 

具体的には、①の好きなこと、やりたいことは「文章を書く」「分析する」「インテリア」「建築」など約150項目が挙がったという。②の「3つのこと」は、サークル活動と国会議員事務所でのインターンシップ(アルバイト)、予備校での国家公務員試験の勉強と説明し、③の意味は「自分に向いていることは何か」「自分が役に立てる道は何か」という正しい方向性を考えるべきだと問いかけた。

「ウイングを広げる」「就活は自分を知るチャンス」

示唆に富んだ森藤さんの講演に学生たちが聞き入った
=2022年11月26日、多摩キャンパス「FOREST GATEWAY CHUO」410教室

自己分析と、「人から自分がどう見えるか」という他己分析により、自分の良いところを認識、把握できるため、「就活は自分自身を知る良いチャンス」とも訴えた森藤さん。「面接は自分の価値への評価ではなくマッチング。エントリーシート記入の際は、自身の幅の広さや『私はこんな良さもある』という意外性を伝えられるように意識した」と強調した。

 

実際に、特技の欄に「水泳」と書くのでなく、「腕立て伏せ」「腹筋運動」と記した。「なぜ?」と尋ねる面接担当者と、水泳のことに話題が広がっていった。面接で聞いてほしいことを意識して記入するテクニックも大事だというエピソードだ。

 

後輩の女子学生たちに「具体的なエピソードの引き出しを持つことが(面接担当者の)印象に残る。学生時代にいろいろな場所に行き、いろいろな人に会い、いろいろな体験をする。エントリーシートを埋める事柄がたくさんある大学時代を送ってほしい」とメッセージを送った。

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