2020.12.20

“後輩”の中大留学をサポート ミャンマー人留学生が母国とのオンライン相談会で通訳兼回答者

  • 中大ニュース
  • キャリア

将来は母国と日本の懸け橋の存在に

留学相談会で通訳兼回答者として活躍したピョーピェー トーダーさん、
メイ ヤモンカインさん、ジン トゥトゥアウンさん(左から)

今年9月4日、ミャンマーから日本への留学(進学)フェア「Online Study in Japan Weeks 2020」で、中央大学の相談会イベントがオンラインで開催されました。ミャンマーから中大への留学生3人、メイ ヤモンカインさん(法4)、ジン トゥトゥアウンさん(商3)、ピョーピェー トーダーさん(商3)が、通訳兼回答者として、多摩キャンパスの中大ブースに参加し、大活躍しました。

 

日本はミャンマーでは最も人気のある留学先で、このフェアは、ヤンゴン(ミャンマー)で毎年開催されている大きな催しだそうです。

 

留学相談会を「貴重な体験だった」と振り返るジン トゥトゥアウンさん、ピョーピェー トーダーさんの2人に、相談会の感想や、来日して感じていることなどを寄稿してもらいました。卒業後は、2人とも母国と日本の懸け橋となる仕事をしたいと夢を描いているといいます。

「学びに自由と責任を感じた」
商学部3年 ジン トゥトゥアウンさん(ZIN Thu Thu Aung)

ミャンマーの大学のシステムは、決められた学年で決められた科目を履修し、合格するように頑張らなければならない。日本では1年生から自分の履修したい科目を選択でき、自由とともに責任を感じました。ミャンマーの大学と違う日本の大学に入学して本当に良かったと思っています。

 

日本では自分で決めてやらなければならないことが多くて大変だと思うこともありますが、自分でやったからこそ、自信を持てるようになる。自分の成長を感じるようになりました。中央大学では、何か分からないことがあれば、学部事務室や国際センターで、職員の方々に何でも自由に聞けますし、丁寧に説明してもらっています。先生も留学生が分かるように簡単な言葉で説明してくれて、もっと勉強したいという気持ちが強まりました。

 

今回の留学相談会には、1人でも多くのミャンマーの後輩が中大に入学するきっかけになってほしいという思いで参加しました。私が入学を希望したのもミャンマー人の先輩がいたからです。先輩がいれば進学しても大丈夫という安心感があり、第1希望にしました。だから今回も、自分たちを見て、まず安心してほしいと思いました。

貿易に関する仕事に就きたい

同時通訳は難しく、自分の話がちゃんと届いているかを不安に感じたこともありましたが、中大の知らなかったところを学んだりできて、私にとっても貴重な体験でした。

 

ミャンマーでは外国語の大学で日本語を専門に勉強しました。貿易に関する仕事に就きたいため、日本への留学を決めました。卒業後は日本で就職したい。現在はさまざまなインターンシップに参加したり、ミャンマー人の先輩の体験などを聞いたりして、就職活動の準備をしています。

 

将来の夢は、日本とミャンマーの懸け橋になるような仕事をすることです。できれば自分の会社を作りたい。卒業後は日本の企業に就職し、いろいろな経験を重ねたいと思っています。

 

留学して楽しかったことの1つは、アルバイト先でいろいろなお客さんに声をかけられたこと。レストランで初めてお客さんに料理を出し、緊張して料理の説明をしたとき、笑顔で「ありがとうね」と優しい目で言われたのが、一番印象に残っている出来事です。もっと頑張ろうという気持ちになったし、仕事のやりがいを感じるようになった。自分の成長に結び付く経験だったと思っています。

ミャンマー人には名字がない

ミャンマー人は名字がないのです。自己紹介で名字や名前を別々に聞かれ、名字がないことを伝えると、だいたいの日本人は驚きます。初めは、そのことに私も逆にショックを受けました。

 

また、カルチャーショックを受けたのは日本の温泉です。日本語学校の卒業旅行で初めて温泉に入ることになり、ロッカーの前で服を脱ごうと思っていたとき、中から5人くらいのおばあさんたちが出てきたのを見て、「日本の温泉って、本当にそのままなんだ」と驚いたことが印象に残っています。

 

日本人には「だめならだめ。できないならできない」と、物事をはっきり言ってほしいときがあります。たまに曖昧に返事をされて、どうすればいいか分からないことがありますから。

「より多くのミャンマー人留学生が中大に来てほしい」
商学部3年 ピョーピェー トーダーさん(PHYO PYAE Thawdar)

今のところ中央大学ではミャンマー人の留学生は3人しかいないので、より多くのミャンマー人の留学生が中央大学に来てほしいという気持ちで、この相談会に参加しました。

 

日本での留学生活は、もし私が将来帰国したとしても貴重な経験であると言えます。私は2016年4月、来日しました。アニメの中で出てきた食べ物は本当に存在するのだというのが、日本での最初の印象です。ウェブで「個性を重視する」という中央大学の文言が目に入り、「他の大学では見たことがない」と考えながら出願して、合格することができました。

 

留学生活は楽しいことも、辛いこともあります。勉強では、わからないことがあれば、先生に聞いたり、先輩に聞いたりして、こなしています。しかし、日本語に慣れていないこと、言葉が通じないこと、文化の違いには困ることも多いです。

時にははっきり伝えてほしい

たとえば、日本人は話を最後まで話さない。「できない」というときも、はっきり断らないという点です。最初はわからなかったけれど、日本での生活が長くなり、だんだん慣れてきて、自分の話し方もそんな感じになりました。日本人は他人を傷つけないように遠慮しながら話すからですね。他人に対する思いやりはわかりますが、時にははっきり伝えてほしいと思います。

 

日本に来てカルチャーショックを受けたこともあります。たとえば、電車の中で他人の足を踏んだとき、自分が悪くなくても日本人は先に謝ります。「ん?」っていう気持ちでした。

 

また、エスカレーターに乗るときは、動かずに立っている列と、歩いて前に進む列という2つの列を分けて、きれいに並びます。まるで法律で決まっているみたいに同じ行動を取ることに驚きました。電車を待つときもきれいに並びますね。笑われるかもしれませんが、私の国では並ぶ人は乗れないです。

できれば自分の会社を持ちたい

大学1年生のときは専門用語の多さにとても苦労しましたが、日本人の友達から説明してもらい、非常に助かりました。授業の面だけではなく、生活面でもさまざまな国の友達から手伝ってもらいました。アルバイトを紹介してもらったり、授業で教わらないような言葉を教えてもらったり、楽しく過ごしています。

 

私の将来の夢は、母国と日本の懸け橋になることです。できれば、自分の会社を持ちたいです。母国の教育や貧困問題をビジネスの視点から考えて、国の経済発展のために力になれたらいいと考えています。

留学相談会で通訳兼回答者として活躍したメイ ヤモンカインさん、
ジン トゥトゥアウンさん、ピョーピェー トーダーさん(左から)

GO GLOBAL!
スポーツ・文化活動
中大スポーツ
Connect Web
Careers