2022.07.25

「服の一生」テーマの映像作品
国際情報学部 “市ヶ谷姉妹”が優秀賞受賞
第29回ワン・ワールド・フェスティバル

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国際情報学部の村田雅之教授のゼミに所属する澤井美空さん、若松亜実さんの4年生2人が、2021年度後期のゼミ活動で制作した「服の一生」をテーマとした映像作品が、第29回ワン・ワールド・フェスティバル動画コンテストで優秀賞(学生部門)を受賞した。

 

ゼミで学修している社会心理学や教育心理学、メディアリテラシーなどから得た知見を映像に落とし込み、その表現力や情報発信力の高さなどが評価された。“市ヶ谷姉妹”の愛称で応募した2人は「受賞できるとは思っていなかった。率直にうれしい」と喜んでいる。

澤井美空さん、若松亜実さん 村田ゼミの学びが生きる

ワン・ワールド・フェスティバル動画コンテストで優秀賞を受賞した国際情報学部の若松亜実さん(左)と澤井美空さん

受賞作の『つくる責任、つかう責任、つなぐ責任。服の一生を考えた事はありますか?私にできる事もきっとある。』は、視聴者にこのタイトルの言葉を問いかけるところから始まる54秒の作品だ。

 

シンクに置かれたコップに水が注がれる映像と「服1着を生産するために使う水 コップ11,500杯分」「私にできることは?」のテロップを組み合わせたり、ハンガーにかかった衣類に手をかける映像に「人や環境のことを考えた製品を選ぶ」という文字をオーバーラップさせたりと、視聴した人の記憶に残るよう、試行錯誤を繰り返した。村田教授やゼミの仲間にも意見やアイデアを求めたという。

 

結びの場面は、市ヶ谷田町キャンパス前の歩道から空を見上げる映像に、「地球を、考えよう。」「未来に、つなごう。」の文字が浮かび上がり、SDGsのロゴが映し出される。印象的なエンディングになっている。

 

「地球を」「未来に」の直後に読点を入れた理由を尋ねると、2人は「(読点を入れることで)作品の余韻が残り、この問題を考えてほしいというメッセージに結びつくと思った」と説明してくれた。

シンクのコップにあふれる水を映し出すシーン

エンディングのメッセージ「地球を、考えよう。未来に、つなごう。」

映像にメッセージ性と高い訴求力

制作のきっかけは2021年夏ごろ、若松さんがYouTubeで見た洋服の動画だった。洋服の中には、生地が薄かったり縫製が甘かったりして耐久性の低い製品も少なくない。動画の中で「ワンシーズンだけ着て捨てればいいか」という言葉が耳に残った。

 

洋服について調べていくと、その年に生産される半分以上が廃棄され、劣悪な環境の生産現場で働く人たちがいることも知った。2021年度後期のゼミの課題が「映像制作」(自由テーマ)だったため、学びの中で取り組んでみようと、澤井さんに声をかけたという。

 

「安く大量に生産する『ファストファッション』の現状を知ってもらい、私たちも何かできることがあると伝えたい」(澤井さん)。動画にはそんな思いが込められている。

 

2人は、村田教授のゼミで「映像でも、文字や文章でも、それを受け取った人がどう感じるだろうかということに思いを寄せて表現し、発信する」ということを常に心がけて、学んできたという。受賞作は54秒という短い時間にメッセージ性が込められ、訴求力の高い作品に仕上がった。ゼミの学びが生きた会心作といっていいのではないだろうか。

受賞作品はこちらからご覧になれます。

http://onefes-live.net/contest_field/289/

澤井さん「今回の経験を社会人としても役立てたい」
若松さん「アンテナを広げて興味、課題を見つけたい」

受賞を喜ぶ澤井美空さん(左)と若松亜実さん

2022年2月の受賞時に国際情報学部3年生だった澤井美空さん、若松亜実さんは、2023年春には社会人となる予定だ。

 

将来のことを尋ねると、澤井さんは「どの企業も環境問題などに目を向けて積極的に動いている印象があります。今回の映像制作の経験を社会人としても役立てていきたい」、若松さんは「環境だけに限らず、興味を持ったことにどうアプローチしていくか。社会人としてアンテナを広げて、課題や関心のあることを見つけたい」と、それぞれ前向きに答えてくれた。

 


 

◇第29回ワン・ワールド・フェスティバル

 

国際協力機構関西センター、国際交流基金関西国際センター、アジア協会アジア友の会、大阪青年会議所などで組織する実行委員会が主催。フェスティバルは、SDGsの達成や国際協力を目的として、セミナーやステージ活動、動画コンテスト、スポーツなどを通じて、関係機関やボランティアなどさまざまな人たちの活動・連携のプラットフォームの役割を担う。コロナ禍のため、第29回は今年2月、前回に続きウェブ上で開催された。動画コンテストは90秒以内のストーリーが条件。市ヶ谷姉妹は、澤井さんがネットでコンテスト開催を知り応募したという。

 

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