2021.12.17
11月21日に開催された第30回中央大学ホームカミングデーは、初めてオンラインで開催され、YouTubeで生配信されました。東京五輪に出場した「白門オリンピアン」とのトーク企画や、台湾のIT大臣と中大生のプレミアム・トーク、8学部の学生の“今”を紹介する「CHUO 8 STORIES」の映像配信などが行われました。学生MC(マスターオブセレモニー)として司会進行役を務めたアナウンス研究会の大西浩太郎さん(文3)、平井綾乃さん(商1)の2人に、貴重な経験から得られたもの、今後の糧となったことなどを綴ってもらいました。
ホームカミングデーで学生MCを務めたアナウンス研究会の大西浩太郎さん(左)と平井綾乃さん
第30回中央大学ホームカミングデーのアーカイブ動画は下記の特設Webサイトから視聴できます。
今年4月に中央大学に入学し、早8カ月が経過しましたが、サークル活動も思うようにできておらず、1年生のうちに何かを経験したいと思っていたところ、アナウンス研究会の大西浩太郎先輩から声をかけていただき、ホームカミングデーの学生MCを務めることになりました。
今年は初のオンライン、生配信で開催されました。元サッカー日本代表でサッカー部OBの中村憲剛さんに対する第1回学員栄誉賞の授賞式に始まり、台湾のオードリー・タンIT担当大臣と中大生のプレミアム・トーク、中大出身者・現役学生で東京オリンピックに出場した選手とのトーク企画など、素晴らしい企画が盛りだくさんでした。一つひとつの番組進行をスムーズにするため、学生MCとして力を尽くしました。
私は高校時代、放送部だったわけでも、司会やアナウンスを経験したことがあるわけでもなく、不安な気持ちでいっぱいでした。学生MCの担当が決まってから、YouTubeで司会のコツを調べたり、台本をかまずに言うことができるように練習したりしました。
当日は緊張しながらも、アクシデントにも対応できるよう、常に心構えをしていましたが、ライブ配信で流れている映像が止まってしまったとき、どうすれば良いか戸惑ってしまいました。一緒に学生MCを務めた大西先輩が落ち着いて対応され、難なくその場をしのぐことができました。
また、中大OGの曽根純恵さん(日経CNBCキャスター)と交流する場面では、配信が予定より早く進んでいたのですが、曽根さんが機転を利かせて台本通りの時間進行になるよう話を広げてくださいました。プロの力を肌で感じ、その実力に圧倒されました。オンライン開催ならではのアクシデントがありながらも、無事成功のうちに終えられたのはスタッフの方々、先輩やプロの力によるものです。
特に印象に残った企画は「CHUO 8 STORIES」です。8学部それぞれの現役中大生が今、何に取り組んでいるのか、ストーリー仕立てになって紹介されている映像です。中でも、私と同じ商学部の中小原杏優さんの「公認会計士の現役合格を目指して」というストーリーが深く印象に残りました。
中小原さんは公認会計士現役合格という明確な目標を持ち、日々努力され、なんと大学3年次に目標を達成しました。ストーリーの中で、「目標はどんどん上げていくべき」と話されており、まだ明確な目標が定まっていないまま大学生活を送っていた私にとって大きな刺激となりました。
今回初めて学生MCを体験し、私にはまだまだ臨機応変に対応する力がないと思いました。急に話を振られた際にうまく返せず、言葉に詰まってしまった場面があり、情けなく、悔しい思いが残りました。これからは、アナウンス研究会で司会の仕事に積極的に挑戦し、経験を積み、先輩方のようになれるよう、自分のスキルをあげていきたいです。
そして、CHUO 8 STORIESで紹介されていた学生たちを見習い、今しかできないこと、将来に向けて自分が努力しなければならないことを見つけ、行動に移していきたいです。ホームカミングデーに携わったことは、自分の貴重な体験になったと思います。
アナウンス研究会は主な活動として、大学内外のMCや司会など、さまざまな“声のお仕事”に携わってきました。アナウンス技術はもちろん日々の練習があってこそ上達しますが、やはり現場を体験・経験しないと、緊張感やトラブル対応などの経験値は得られません。
しかし、このコロナ禍です。第1に、後輩たちとのその日々の練習が難しくなりました。オンラインは現実感がなく、マイクやカメラをオフにすればその場から消えてしまうことができます。同期や後輩を問わず、参加率は下がるばかりでした。そもそも、一度も生で顔を合わせたことがないメンバーが生じざるを得ないという状況は、あまりにも悲しすぎました。
第2に、アナウンス研究会に例年、仕事を依頼してくださっていた団体のイベント中止です。実施されるイベント(主に式典)の依頼はありましたが、その格式を考慮すると未経験の後輩に経験させるには荷が重すぎました。こうして、後輩たちは経験の場がないままに時が過ぎ、2021年度の後期に至ります。徐々に新型コロナの情勢も落ち着き、仕事の依頼数も回復してきましたが、声をかけてもなかなかメンバーに引き受けてもらえません。練習もまともにできない環境では、無理もない話です。
今回のMCも、限られた同期のメンバーで引き受けるしかないと考えていたところ、平井綾乃さんをはじめとした後輩たちから声が上がりました。最初の一歩を踏み出すのは大変度胸のいることです。その一歩を踏み出してくれた後輩の勇気に感動を覚えました。
ホームカミングデーという貴重な場での学生MC体験は、個人的にとても充実した一日だったと思い返しています。実りあるコンテンツはもちろん、プロである曽根純恵さんのMCの技量や、生放送の舞台裏のプロの映像・音響スタッフの皆さんの動きを間近に見た経験などが、自分自身の今後の糧となったことは間違いありません。特に、後輩とともに初めて現場を体験し、MCやアナウンスのノウハウはもちろん、たわいのない学生生活の体験を共有できたことは掛け替えのないものだと強く確信しています。
コロナ禍にあって、先輩としていかにサークルを運営、活動させるかに苦心する日々でしたが、同じアナウンス研究会で学生生活を送るならばやはり対話は欠かせない、お互いを知る必要があるということを、今回の経験でようやく分かりました。アナウンス研究会は3年で引退ということもあり、あとわずかな期間ではありますが、得られた知識・経験・技術を皆で共有できるよう、“楽しく”励んでいきたいと思います。
結びに、アナウンス研究会に今回の学生MCという貴重な場を提供してくださった関係者の皆さまに深く感謝の意を表します。