2024.08.06

準硬式野球部が東都春季リーグを制覇 9季連続71回目
秋季は新記録に挑戦、強さの秘密は?
投打の柱 功刀史也主将(文4)、三浦凌輔投手(商2)に聞く

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準硬式野球部が東都大学準硬式野球の2024年春季リーグを制覇した。9季連続71 回目の優勝となり、秋に10季連続を達成すれば、リーグ新記録になるという。春季リーグで最優秀選手賞を獲得した功刀(くぬぎ)史也主将(文4)、最優秀投手賞とベストナインに輝いた三浦凌輔投手(商2)の投打のキーマン2人に強さの秘密を尋ねると、チーム内の切磋琢磨(せっさたくま)と、先輩たちから受け継いだ「伝統の力」を挙げた。

東都春季リーグ優勝の瞬間、マウンドに集まり喜ぶ準硬式野球部ナイン

功刀主将、けがからの復活

功刀主将はチームの守備面の充実を春季優勝の理由に強調した。守備強化の成果が出て、チームの失策数は2023年秋季(21個)から春季は半分以下に激減した。遊撃手の功刀主将自身も春は無失策。国士舘大との1回戦、無死一塁の場面では三遊間への打球をスライディングキャッチし、球ぎわの強さを見せてピンチを未然に防いだ。

攻守のかなめである功刀主将は、右太もものけがで昨秋のリーグ戦に出場できなかった。けがが癒えた今冬以降は寮近くの浅川沿いで毎朝走り込むなど、ブランクを取り戻そうと懸命に体を鍛えた。チームにとって主将の春の復活は非常に大きかった。

三浦投手は2年生ながら、大山北斗投手(商3)と並ぶ投手陣の柱だ。「打たれると熱くなるタイプ」と自己分析するが、功刀主将ら内野陣から「ここは集中だぞ」「このバッターは要注意だ」などと声をかけられ、不思議とマウンドで冷静になれたという。「安心して思い切り投げられる」(三浦投手)という状況をバックが支えたといえる。

「伝統の力」「OBら周囲の支え」に感謝

年度ごとに選手が入れ替わる学生のチームスポーツで強さを維持することは容易ではない。準硬式野球部の継続する強さの秘密を単刀直入に尋ねると、功刀主将は「先輩方が残してくれた伝統の力が大きい。多くの支えがあるからこそ、練習や公式戦に一心に打ち込める」と話した。毎年春と夏の合宿では、大勢のOBが駆け付けて、ノックなどの指導に当たってくれるという。

三浦投手も周囲の支えに感謝したうえで、「チーム内でレベルの高い選手同士の競争がある。僕は中大が一番強いと思っているので、中大でレギュラーを取れれば他のチームには負けないという自信、プライドが生まれる」と胸を張った。春季リーグ戦では、自身初の2ケタ奪三振を記録した対日大1回戦を一番のピッチングに挙げている。

春季リーグ制覇の表彰状と、記念のメダルを胸に笑顔の功刀史也主将(左)と三浦凌輔投手=多摩キャンパス

夏の日本一、秋季リーグ制覇へ

高校時代、功刀主将は山梨学院高、三浦投手は能代松陽高(秋田)で、ともに甲子園に出場した。高校野球では「あきらめなければ神様は見ている」(吉田洸二・山梨学院高監督)、「謙虚さがないと成長できない」(工藤明・前能代松陽高監督)という指導者の言葉が強く胸に刻まれているという。

チームは今夏の照準を8月の全日本大学準硬式野球選手権大会に合わせている。前年は準決勝で日大に苦杯を喫した大会に、日本一を懸けて雪辱を期して挑む。大会前には夏恒例の秋田合宿で、下半身の強化を中心に暑さに順応できる練習に取り組み、チームはさらに一段の成長を遂げる。

その先に待ち構えるのが10季連続制覇を目指す東都秋季リーグだ。チームの勝利のため、功刀主将は「無失策の継続と、どの試合でもコンスタントに安打を放つこと」と課題を挙げ、三浦投手は「自分が投げる試合は全てゼロに抑える。体重を増やして球速を上げ、自分がチームを引っ張りたい」と意気込む。

功刀主将は2年秋以来の首位打者とベストナイン獲得、三浦投手は防御率1位と最優秀投手賞、ベストナインを目標に掲げている。

 

 

功刀史也主将

 

くぬぎ・ふみや。山梨学院高卒、文学部4年。168 センチ、70キロ。内野手。右投げ左打ち。中学3年でU15アジア選手権日本代表に選出。高校時代は2年春夏に甲子園出場、3年夏は交流試合に出場した。2024年東都春季リーグでは38打数11安打(打率.289=5位)で、1部リーグ唯一の本塁打を放ち、最優秀選手賞を獲得した。小泉友哉監督は「精神的な柱としてチームを牽引してくれている」と全幅の信頼を置く。

 

 

三浦凌輔投手
 

みうら・りょうすけ。秋田・能代松陽高卒、商学部2年。175センチ、68キロ。右投げ右打ち。高校3年時にチームのエースとして夏の甲子園出場。2024年東都春季リーグでは5勝0敗(2完投、1完封)、防御率0.48と圧巻のピッチングでチームの優勝に貢献。最優秀投手賞とベストナインに輝いた。

中央大学準硬式野球部

 

1947(昭和22)年設立。部員数32人で、約半数は高校時代に甲子園出場経験がある。
優勝回数は全国大会12回、東都リーグ戦71回、関東大会15回。

 

部長  林 和生
監督  小泉 友哉
コーチ 新井 貴博
主将  功刀 史也(文4)  内野手
主務  三橋 朋徳(経済4) 投手兼外野手
    加藤 真樹郎(法4) 内野手
    城 航希(法4)   内野手
    木藤 忠広(商4)  投手
    佐竹 秀也(商4)  外野手
    高垣 昂平(商4)  外野手
    田中 駿佑(商4)  投手
    相野 七音(文3)  外野手
    若林 舜大(文3)  捕手
    岩井 大和(経済3) 内野手
    酒井 尋如(経済3) 内野手
    松浦 祥真(経済3) 外野手
    大山 北斗(商3)  投手
    西岡 汐輔(商3)  投手
    原田 俊輔(商3)  外野手
    山口 剛大(文2)  内野手
    井ノ上 拳汰郎(経済2)外野手
    岡部 匡人(経済2) 捕手
    田中 元輝(経済2) 捕手
    吉井 愛斗(経済2) 内野手
    三浦 凌輔(商2)  投手
    萬谷 大輝(商2)  投手
    村田 慶二(商2)  内野手
    川原 海来(文1)  捕手
    堀川 琉空(文1)  内野手
    古積 充(経済1)  外野手
    佐々木 悠真(経済1)投手
    大森 燦(商1)   内野手
    斎藤 舜介(商1)  投手
    沼澤 梁成(商1)  外野手
    山井 祐希(商1)  外野手

三浦凌輔投手と並ぶ投手陣の柱、大山北斗投手。春季リーグ戦ではマダックス(投球数100球未満の完封勝利)を達成した

東都大学準硬式野球
2024 年春季リーグ戦成績

① 中央大  10勝1敗(5)
② 日本大  7勝6敗(3)
③ 帝京大  6勝6敗(3)
④ 国士舘大 6勝6敗(2)
⑤ 東洋大  6勝7敗(2)
⑥ 専修大  1勝10敗(0)

※カッコ内は勝ち点

 



 

準硬式野球

硬式野球との違いは使用球にある。準硬式のボールは、表面と見た目は軟式球のようにゴムで覆われ、中身は硬式球と同じようにコルクを糸で巻いたものが入っている。握った感触や大きさは軟式球と同じだが、打った感触と跳ね方は硬式球と同じ。バットは木製、金属製を問わないが、大半の選手は強い打球が飛ぶ金属製を使用している。

全日本大学準硬式野球連盟の公式サイトによると2023年度の加盟校数は272。

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