2024.07.23

「自己ベストを更新、良い結果を残す」
パラリンピック水泳代表 日向楓選手(理工1)
パリで大活躍を! 五輪・パラリンピック壮行会を開催

学生記者 大山凛子(法4)

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パリ・パラリンピックに出場する水泳部の日向(ひなた)楓選手(理工1)、五輪に出場する水泳部の池本凪沙選手(法4)と、漕艇部卒業生の宮浦真之選手(2019年文学部卒)を激励する壮行会が6月24日、多摩、後楽園の両キャンパスをオンラインで結んで開催された。

3キャンパスを結びオンライン中継

後楽園キャンパスからオンラインで参加した日向楓選手

 

パラリンピック男子50メートルバタフライ(運動機能障害S5)に出場する日向選手は後楽園からオンラインで参加。五輪競泳女子 4 × 200 メートル・フリーリレーに出場する池本選手、ローイング(ボート)の軽量級ダブルスカルに出場する宮浦選手は、多摩キャンパスの「FOREST GATEWAY CHUO」3階ホールで参加した。壮行会の模様は茗荷谷キャンパスにも中継され、法学部生らが注目した。

冒頭、中央大学の大村雅彦理事長が「体調管理に気を付けて悔いの残らないよう頑張ってほしい」、河合久学長が「人生最高の舞台を楽しんでほしい」などと、それぞれ3人に励ましの言葉を送った。

激励に応えて、前回の東京大会に続く出場となる日向選手は、「パラリンピック(の出場者)にはさまざまな障害を持った人がいる。多様性を知り、パラリンピックをもっと知ってほしい。応援をよろしくお願いします」と引き締まった表情であいさつした。生まれつき両腕がない日向選手は小学1年で水泳を始めたという。

池本選手は「(前回も出場した)東京五輪では予選を突破できずに悔しい思いをした。(パリでは)思い出に残るレースをしたい。温かい声援を励みにします」、宮浦選手は「(漕艇部が)大勢の五輪選手を輩出してきたことに刺激され、代表を意識するようになった。良い結果を届けられるよう頑張ります」と力強く宣言した。

パラリンピック「多様性を知ってほしい」

壮行会では、日向楓選手に学生記者の大山凛子さんから花束が贈られた

壮行会を終えた日向選手に話を聞くと、「東京大会ではたまたま決勝に進出できたという思いがある」と悔しい思いを振り返り、「パリでは実力を出し切り、自己ベストを更新して、良い結果を残したい」と力を込めた。

壮行会での中央大学応援団をはじめとする熱いエールには「力になると思います」と笑顔を見せ、今後の強化ポイントについて「前半の(泳ぎの)スピードを上げていきたい」と語った。パリ大会は東京と違って、観客の声援の後押しを受けて泳ぐ機会となるが、「どんな雰囲気になるかを想像できないが、楽しみにしてパリに行きたい」と、大会が待ち遠しい様子だった。

壮行会に参加した理工学部3年の福島優雅さんは「同じ理工学部、同じ後楽園キャンパスの日向選手が、日本代表として世界の舞台に出場することに尊敬の思いがあります。元気をもらえた壮行会でした。ぜひパリで頑張ってほしい」と活躍を期待していた。

日向楓選手

ひなた・かえで。神奈川県立旭高卒、理工学部1年。高校生として出場した東京五輪では男子50メートルバタフライ(運動機能障害 S5 = 10クラスのうち5番目に障害の重いクラス)で7位に入賞した。「ドルフィンキック」と呼ばれる力強いキック力、強い体幹を生かした泳ぎが特長。

 



 

パリ五輪・パラリンピック出場が内定した中央大学の現役生と卒業生

(7月4日現在、敬称略)

〈現役生〉

○ 五輪競泳女子4×200メートル・フリーリレー 池本凪沙(法4)

○ パラリンピック水泳男子50メートル・バタフライ(運動機能障害S5)

  日向楓(理工1)

 

〈五輪出場が内定した卒業生〉

○ フェンシング男子エペ         古俣聖(2020年法学部卒)

○ フェンシング男子フルーレ    永野雄大(2021年法学部卒)

○ フェンシング女子サーブル    江村美咲(2021年法学部卒)

○ フェンシング女子フルーレ    上野優佳(2024年法学部卒)

○ 自転車男子トラック(中距離)  今村駿介(2020年法学部卒)

○ ローイング男子軽量級ダブルスカル 宮浦真之(2019年文学部卒)

○ バドミントン男子シングルス   西本拳太(2017年法学部卒)

○ ボクシング男子ライトミドル級  岡澤セオン(2018年法学部卒)

○ バレーボール男子  関田誠大(2016年法学部卒)

○ バレーボール男子  石川祐希(2018年法学部卒)

○ バレーボール男子  富田将馬(2020年文学部卒)

○ ハンドボール男子  杉岡尚樹(2017年商学部卒)

○ ハンドボール男子  部井久アダム勇樹(2022年法学部卒)

○ 陸上男子200メートル   飯塚翔太(2014年法学部卒)

○ 陸上女子10000メートル  五島莉乃(2020年経済学部卒)

日向楓選手 落ち着いた受け答え
「風格」感じた
学生記者 大山凛子(法4)

パリ五輪・パラリンピック壮行会を、後楽園キャンパスの会場で取材した。間近で話を聞いたパラリンピック代表で水泳部の日向楓選手(理工1)は、落ち着いた口調で受け答えしていた。前回の東京大会の大舞台も高校生として経験し、大学1年生らしからぬ風格すら感じさせた。

日向選手に「パラリンピックでどんなところに注目してほしいか」と尋ねると、「パラリンピックを見て、さまざまな障害があることと、多様性を知ってほしい」と答えた。

「多様性」という言葉は広く浸透している。一般的に多様性と聞くと、マジョリティーとマイノリティーの共存を思い描くだろう。しかし、両者の中にも多種多様な人間がいて、障害も確かにさまざまである。日向選手の言葉を聞き、私はマジョリティーとマイノリティーの共存という意味のみならず、個性を持つ個人同士が互いに共存するという意味の「多様性」について考えを巡らせた。

世界の舞台、立つことが誇らしい経験

「オリンピック(代表)に選出される選手の努力は並大抵のものではない。私たちが想像できないほどの強い思いがそこにはあるはずだ」

壮行会で選手に送られた大学関係者の応援メッセージの中で、学員体育会の粟原孝至会長のこの言葉が印象に残った。世界の大舞台に立てること自体が誇らしいことである。応援する側である私たちも、勝つことを願うだけでなく、応援する楽しさも忘れずにいたい。

日々練習を続けながら、学業との両立に努めているアスリートの姿はまぶしく、尊敬に値する。同じ学生として、ぜひ世界の舞台で輝いてほしいと願っている。

壮行会では、中央大学応援団から3選手にエールが送られた。後楽園でオンラインで視聴している私たちにも伝わった「大応援」に胸が熱くなった。池本凪沙選手の取材で聞いた「歓声の力」「声援の後押し」を肌で感じることができた。

今年のパリは、暑くて熱い夏を迎える。選手の皆さんが健康第一で、万全な状態で本番に挑めるよう祈りたい。

ローイング(ボート)代表の宮浦真之選手(左)と競泳代表の池本凪沙選手

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