2024.04.08

「背中でチームを引っ張る」 「結勝」目指す
2023年東都秋の首位打者&ベストナイン
硬式野球部主将 櫻井亨佑外野手(商4)

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「背中で見せる。自分の行動でチームを引っ張っていきます」―。硬式野球部の櫻井亨佑(こうすけ)主将(外野手、商4)が静かに闘志を燃やしている。目指すは4月8日に開幕する東都大学野球春季リーグでの「結勝」(ゆうしょう)。2024年チームスローガンである2文字は「個々の力を結集し、勝利につなげる」という意味だ。2023年秋季リーグで初の首位打者を獲得、ベストナインにも選ばれたキャプテンに意気込みや将来の目標などを尋ねた。

強く振り切るスイングを意識しているという(写真はともに硬式野球部提供)

「ここで一本」チームの期待に応える

2023年9月4日、東都秋季リーグの青山学院大戦(3回戦)。1点ビハインドの八回二死二、三塁で右越えの適時二塁打を放ち、逆転に成功した。チームはこの後、再逆転を許してしまうが、「ここで一本欲しい」という場面で、勝負強いバッティングを見せることができた。首位打者を獲得した秋季リーグで印象に残る打席に挙げている。

 

前年の東都各大学の投手は、中央大学の西舘勇陽(ゆうひ)投手(現読売巨人軍)をはじめ、プロ野球のドラフト1位指名が7人と、かつてないほどのハイレベルだった。その中での首位打者獲得はひときわ価値が高いといっていい。中大の首位打者は2019年春季の牧秀悟選手(現横浜DeNA)以来で、櫻井主将は「自分はコンスタントに打率を残すタイプのバッターで、自信になった」と振り返っている。

 

秋季リーグでは、ほぼ全試合で4番打者を任された。主砲である4番は、プレッシャーのかかる勝負どころでチームの期待に応えることが求められる。清水達也監督は「4番として打点を稼いでほしい。ナインに『櫻井につなげば』という気持ちがわく存在になってほしい」と、今後の活躍も期待する。

「手本となる行動」心がける
春季リーグへ、チームは順調な仕上がり

好きな言葉として部のスローガン「結勝」の2文字を書いてくれた
=2024年2月15日、多摩キャンパス硬式野球場

 

 

2023年秋のリーグ戦終了後、新しい主将に決まった。「チームを作るうえで大事な立ち位置。手本となる行動を心がけている。皆と一緒に動いて、(リーダーシップを)背中で見せていきたい」と力を込める。

 

春季リーグに向けて、チームは順調に仕上がっているようだ。中心選手として、投手は三奈木(みなぎ)亜星選手(商3)と岩城颯空(はくあ)選手(経済3)、打者では櫻井主将と皆川岳飛(がくと)選手(経済3)の名前が挙がり、櫻井主将は「三奈木と岩城はエース格としてチームを引っ張ってほしい。皆川も順調に良い状態で(リーグ戦に向けて)来ている」と手ごたえを話す。

 

「結勝」は昨秋の新チーム結成後のミーティングで、副主将の川波瑛平(ようへい)選手(商4)が提案した言葉だ。「打線のつながり」「選手間のコミュニケ―ションの充実」「ミスは互いにカバーし合う」など、さまざまな意味が込められ、櫻井主将自身も「気に入っているスローガンです」と笑顔を見せる。「(プレーや意識を)全員でつなぎ合い、力を合わせて勝ちたい。結果として個人のタイトルが獲得できればそれが理想です」と語った。

首位打者獲得のかげにバッターボックスでの工夫

多摩キャンパス硬式野球場に「結勝」の旗が掲げられている

「レベルの高い環境で野球がしたい」と、中大に入学したが、当初は大学野球のレベルの高さに驚いた。走塁への意識や連係プレー、サインプレーなど野球の質に戸惑いはなかったが、個々の打球の飛距離やスイングの鋭さに目を見張り、「レギュラーを取るのは相当難しいと感じた」と振り返る。

 

中大で野球に打ち込む中で、バッティングフォームや野球観などを深く考えるようになった。体幹トレーニングに力を入れ、足の上げ方や腰の回転との連動など、「どうしたら、より強いスイングに結び付くかを確かめながら自分に合ったものを探っている」と話す。

 

2学年先輩のOB、森下翔太選手(2023年商卒、現阪神)がドラフト会議で指名された頃、一緒に自主練習を行い、「練習のときから強く、しっかり振れ」とアドバイスを受けた。直後のオープン戦で大学で初めてとなる本塁打を放ち、強く振る意識の大切さを再認識できたという。

 

2023年は体重増を図ったほか、落ちる球を得意とする投手、きわどくインコースをついてくる投手など、タイプによってバッターボックスでの立ち位置を変えたり、追い込まれた場合はバットを指一本分短く握ったりするなど工夫したことも成績アップに結び付いた。

 

昨年12月には大学日本代表合宿に参加し、他の大学の選手から刺激を受けた。「打撃のミート力や飛距離など野手のレベルの高さに驚いた。実力不足を感じた」と謙虚に語り、まだまだ自身の現状に満足する様子はない。

 

向上心を保ち続け、将来はプロ野球の舞台に立つことが目標だ。「打率を残しながらホームランも打てる打者になる」と理想の姿を描いている。

櫻井亨佑主将

 

さくらい・こうすけ。千葉・習志野市立習志野高卒、商学部4年。180センチ、86キロ。右投げ左打ち。野球を始めたのは幼稚園年長組の頃。高校時代は春夏の甲子園に1度ずつ出場し、春は準優勝に貢献。2023年東都秋季リーグで15試合に出場、打率.351(57打数20安打)で首位打者を獲得し、ベストナインにも選出された。

 

幼い頃のあこがれはプロ野球の元読売巨人軍選手・監督の高橋由伸さん。現在は柳田悠岐選手(福岡ソフトバンク)の豪快なフルスイングに魅了されるという。合宿所近くの温泉やサウナに足を運び、気分転換を図る。尊敬する人は両親。

(硬式野球部提供)

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