2022.12.08

「中大最強!」 勝利の雄たけび
インカレ自由形2冠 男子400、1500メートルを制覇
水泳部 井本一輝選手(法3)

学生記者 三ッ巻奈央(法4)

  • アスリート
  • ゼミ・サークル

水泳部の井本一輝選手(法3)が2022年8月の日本学生選手権男子400メートル、1500メートルの自由形2種目で優勝し、2冠を達成した。さらに成長、進化を遂げ、2023年世界水泳、2024年パリ五輪という世界の舞台での飛躍を誓っている。 

仲間の声援がラストスパートを後押し

400メートル自由形で勝利のガッツポーズ

「中大最強!」。勝利の雄たけびが、インカレ会場の東京辰巳国際水泳場に響いた。水泳部に受け継がれてきた優勝時の伝統の声出しだ。

決勝進出選手の持ちタイムを比べると、自己ベストを出しても表彰台に上がれるかどうかという力関係で挑んだ400メートル。ラスト100で先頭に躍り出ようとした息継ぎのタイミングで、観客席で応援する水泳部の仲間の姿が目に入った。「みんな、優勝するとは思っていなかったのか、盛り上がり方が違った」と笑顔をみせ、声援に感謝する。

周りを気にせずに自分のペースを守ったことが勝利に結びついた。持ち前のスピードと、後半の持久力を生かして粘り、自己ベストの更新(3分48秒71)という会心の泳ぎとなった。

ただ、より得意な距離で、「優勝して当たり前」という強い気持ちで臨んだ1500メートルは、2位に13秒余りの大差をつけたが自己ベストを更新できなかった。うれしさと悔しさが胸に入り交じったという。

持久力とスピードを併せ持つ強さ

兄の影響で3歳のときに水泳を始めた。中学生のころ、当時のコーチに持久力を見込まれて、勧められたのが長距離を専門とするようになったきっかけ。泳ぎの特長は、体の大きな上下動を活用して前進するギャロップ泳法で、持久力に加え、後半に追い上げるスピードも持ち味だ。

長距離を得意とする国内選手の中では「一番スピードがある」と自負し、井本選手のように200メートルを1分48秒台で泳げる選手は国内では数少ないという。

屈強な体格の選手が多い400メートルと、持久力勝負で細身の選手が多い1500メートル。井本選手は、適性や求められる体格などの異なる2つの距離に対応できる、総合的な泳力の高さを兼ね備えたスイマーといえる。

主に1500に照準を合わせた練習、体力づくりを主眼として、「泳いで筋力をつける」ことを意識している。1回2時間の練習を週8回行い、一度に泳ぐ距離は6~7キロに及ぶ。 

2023年世界水泳、2024年パリ五輪へ

井本一輝選手の力強い泳ぎ

モチベーションの源となるのは「優勝したとき、自己ベストが出たときの喜びを知っている」ということ。「練習はきつい。でも、それ(喜び)をもう一度味わいたくて頑張れる」と話す。

インカレから3カ月、「しんどいところで耐える力」を培おうと、心新たにひたむきに練習に取り組む。目標の選手は短水路1500メートルの日本記録保持者、竹田渉瑚選手。一定のペースでばてることなく泳ぎ続けられる竹田選手の圧倒的な持久力を見習いながら、一緒のプールで練習を重ねる。

2023年7月に福岡で開催される世界水泳の代表選考会(同3月)に照準を絞り、400メートルでは前半のスピード力の強化、1500メートルは中盤の500~1000メートルで落ちやすいペースをいかに保つかを課題に挙げている。

世界水泳を足がかりに、その先に見据えるのは、5つの輪に象徴される大舞台だ。「2024年のパリ・オリンピック代表になるのが最大の目標です」。水泳と真摯に向き合う井本選手の目に、世界に挑む強い覚悟と気迫が満ちあふれていた。

表彰式後、 誇らしげに盾を掲げる井本一輝選手(中央)

第98回日本学生選手権水泳競技大会 結果

《男子400メートル自由形》 (2022年8月29日、東京辰巳国際水泳場)

① 井本 一輝(中央大) 3分48秒71

② 田渕 海斗(明治大) 3分49秒91

③ 黒川 紫唯(近畿大) 3分50秒36 

 

《男子1500メートル自由形》 (2022年8月31日、東京辰巳国際水泳場)

① 井本 一輝(中央大)  15分14秒59

② 本山  空(新潟福祉大)15分28秒14

③ 庭野 直樹(明治大)  15分28秒77

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