2022.12.08

森下翔太選手が阪神1位 北村恵吾選手は東京ヤクルト5位
学生記者から応援エール、メッセージも
プロ野球ドラフト会議

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プロ野球ドラフト会議が10月20日に開かれ、硬式野球部の森下翔太選手(商4)が阪神1位、北村恵吾選手(商4)が東京ヤクルトの5位で指名された。

会見場の多摩キャンパスCスクエアは歓喜にわき、両選手や部員の笑顔が弾けた。(学生記者 奥田陽太)
 

阪神1位指名の森下翔太選手(上)と、東京ヤクルトから5位で指名された北村恵吾選手(右)

待ち望んだ指名

Cスクエア中ホールの会見場は、期待と不安が入り交じる独特の空気に満ちていた。指名を待つ森下、北村両選手は、清水達也監督や樫山和男部長(理工学部教授)、チームメイトに見守られながら着席。森下選手は少し体を揺すって、マスクに手をかけるなど緊張気味にも見える。それを見た私も張り詰めた空気を感じて身が引き締まった。


1巡目の指名選手の読み上げが始まり、重複指名の抽選を外した阪神、千葉ロッテが2度目の入札へ。どちらかの球団から指名があるという予感があった。指名の瞬間を収めようと報道陣のカメラが一斉に選手の方に向けられた。

「第1巡選択希望選手 阪神 森下翔太 外野手 中央大学」

名前が呼ばれると同時に、歓声とシャッター音が響いた。目を細めた森下選手は樫山部長とがっちりと握手している。

別室で指名を待つことになった北村選手のもとには約45分後、森下選手の会見が終わりかけたころに東京ヤクルトの指名という吉報が飛び込んできた。一度は落ち着いていた会見場は再び歓喜に沸く。清水監督も「中大を引っ張った2人がプロに行くことになってうれしい」と笑顔を見せた。 

森下選手、北村選手にドラフト指名。硬式野球部員たちに笑顔がはじけた=2022年10月20日、多摩キャンパスCスクエア

ともに歩んできた2人、ライバルとしてしのぎも

北村選手への指名に、森下選手は「ナイス!」とガッツポーズを決めた。それもそのはず、2人は北村主将、森下副主将として、2022年春季、秋季の東都1部リーグを戦った。春は2部との入れ替え戦に挑み、“崖っぷち”で踏みとどまるなど、厳しい経験をともにした。北村選手は「大きな壁を乗り越えたことで成長できた」と振り返る。

2人は同じセ・リーグの球団に入り、ライバルとしてしのぎを削ることになる。ともに目標に挙げたのは、2学年上の牧秀悟選手(横浜DeNA)。寮で同部屋だったことがある北村選手は、結果が出なかった1年生のころ、背中を押して励ましてもらったと明かした。

来春、中大を巣立つ2人にも、後輩たちの憧れとなる活躍、私たち中大生を元気づけるようなプレーを期待したい。

森下翔太選手、北村恵吾選手は ドラフト指名後、報道陣の質問に答えた。主なやり取りは次の通り。

「新人王を取りたい」 「球界を代表するバッターに」

質問(以下Q) 指名されて現在の心境を教えてほしい

森下翔太選手 正直びっくりしている部分が大きい。素直に1位指名をうれしく思います。1位に恥じないプレーをして自分らしさを出して頑張っていきたい。

Q 阪神という球団はどのような印象か

森下選手 どこよりもファンの方々の熱い球団。それに負けない熱さをもってプレーしたい。

Q 阪神の本拠地の甲子園球場にはどのような印象を持っているか

森下選手 (高校時代は)1回しか出場していないが、(本塁打を打てずに)良い印象が残っていない。悪い思い出を塗り替えるようなプレーをしたい。

Q プロとしての目標を教えてほしい

森下選手 最初の目標は新人王。将来は球界を代表するバッターになって三冠王を取り、「侍JAPAN」の ユニフォームを着られたら最高です。

Q 多摩キャンパスで気に入っている場所はあるか

森下選手 (少し考えこんで)8号館にはよく行きました。行き慣れている場所でしたね。 

ドラフト指名された森下、北村両選手に、応援団から熱いエールが送られた

「気合のこもったプレーをしたい」「打点王を取る」

Q 指名を受けて現在の心境を教 えてほしい

北村選手 ほっとした気持ちが一番大きい。(大学卒業までの)残された期間にしっかり練習を積んで、1年目から結果を残したい。

Q 東京ヤクルトの印象は

北村選手 去年、今年と2年連続で日本シリーズに出ており、目の前の一戦に懸ける思いの強いチームだと思います。

Q 森下選手にライバル心はあるか

北村選手 4年間、同じ練習をしてきた仲。ライバルというより、ともに切磋琢磨して高め合う仲間になったらいいなと思います。

Q プレーでここを見てほしいと思うところは

北村選手 気合のこもったプレーです。学生野球のように目の前の一戦に懸ける気持ちを、プロの長丁場の戦いでも出していきたい。コンスタントに打率を残せるバッターになり、そして打点王を取りたいと、ずっと思っています。

【編集後記】プロでも熱いプレーを 中大魂で頑張れ!
学生記者から応援エール・メッセージ

「会見での質問が良い経験」 奥田陽太(経済2)

記者会見場のCスクエアに入ると大勢の記者やカメラの列が目に入り、 席には指名を待つ森下、北村両選手と、2人を見守る硬式野球部員が真剣な面持ちで座っている。プロの記者も集まる場に同席するのは初めての経験で私も少し緊張していた。

選手が指名され、会見が始まると、誰もが耳にしたことのあるメディアの記者が質問を繰り返していた。そんな中で質問するのは気が引けたが、思い切って手を挙げて質問できたことは良い経験になった。笑顔で部長と握手を交わす選手、たかれるフラッシュ、仲間の喜びの声。全てが得も言われぬ瞬間だった。これからの2人の活躍を心から期待したい。指名されたのは私のひいきの球団ではなかったのだが…。
 

「ダブル指名の裏で見えた覚悟と自信」 堪山泰瞬(商2)

まさに、感動の瞬間だった。森下、北村両選手がともに指名を受けたとき、会見場全体が大きな祝福の歓声と拍手に包まれた。学生記者になってまだ間もない自分にとって、今回の会見は初めてにして最高の体験となった。大勢の記者の方々、鳴り止まないシャッター音、指名を受けた2選手の安堵の表情。普通の大学生活では味わえなかっただろう経験だった。

会見で印象に残ったのは、安堵の表情の中に、どこか余裕のようなものを感じたことだ。2人とも「三冠王」「打点王」とそれぞれ具体的な目標を掲げていた。プロになる覚悟と自信。すでに目は次のステップに向いているということを感じ取れた。2人ともセ・リーグの球団からの指名。切磋琢磨して、セ・リーグを引っ張るような存在になってほしい。
 

「記者の『聞き出す力』『引き出す力』に圧倒される」 島田莉帆(文2)

指名の瞬間、会見場に温かい拍手が鳴り響いた。森下選手は清水達也監督からの「おめでとう!」の言葉に笑顔を見せ、朗らかな表情で質疑応答に応じた。北村選手はキャプテンらしく、凛々しく真剣な表情で言葉を紡ぎ、仲間が加わると、大学生らしい和気あいあいとした姿を見せてくれた。

記者の方々は一瞬一瞬を逃さないよう常にカメラを向け、2人の魅力や特長を最大限に引き出すような質問を会見で重ねた。私はその「聞き出す力」「引き出す力」に圧倒され、プロの仕事のすごさを感じた。2人の選手が夢を実現させる、その瞬間を目にすることができ、胸がいっぱいになった。2人の活躍を心から祈るとともに、同じ中大生として恥じないよう、私も夢に向かって挑戦し続けたい。
 

「笑顔のガッツポーズに見えたナインの絆」 海老澤英奈(文2)

学生記者として初の取材となったドラフト会議の記者会見。たくさんの取材陣が駆け付けた、ピリピリする独特の雰囲気に、私の胸にも少しばかりの緊張感と、これから活躍する選手の門出を目撃できるかもしれないという、うれしさが入り交じっていた。

何より喜ばしいのは、森下、北村両選手がともに指名されたことだ。先に指名された森下選手は会見直後の壇上で、北村選手への指名を仲間から知らされ、笑顔でガッツポーズをした。両選手の、硬式野球部員たちの絆が垣間見えた瞬間だった。会見で2人が目標の選手に挙げたOBの牧秀悟選手(横浜DeNA)を含め、3人がセ・リーグ球団の所属となる。憧れの先輩、切磋琢磨した仲間と競い合う日を中大生として心待ちにしている。
 

「努力の積み重ね 一日を大切にする生き方」 影原風音(文2)

学生記者として初めての取材で胸が高鳴った。全てが新鮮で貴重な経験となった。質疑応答で、「自分を動物にたとえたら何ですか」という私の質問に、森下選手から「ライオン」と言葉が返ってきたときは、少しドキッとした。タイガース(虎)に指名されたからだ。ならば、森下選手には虎の本拠地、甲子園で「獅子奮迅」の活躍を願おうと思った。

森下選手は強気な受け答えが印象的で、北村選手は静かに闘志を燃やすタイプに見えた。2人に共通するのは、一日を大切にする生き方をしているということだ。日々の努力の積み重ねを大切にしていたことで、東都リーグの春の入れ替え戦も、自分たちを信じて「あとはやるだけ」と試合に挑めたという。私も目の前の一つひとつのことに全力で向き合っていきたいと感じた。
 

「夢をつかむ その瞬間を目撃」 酒井優実(商1)

将来の夢を聞かれ、「プロ野球選手」と答える野球少年はたくさんいるだろう。だが、夢を実現できるのはほんのひと握りの人だ。森下選手と北村選手はドラフト指名にたどり着くまでに、私たちには想像もつかない努力を重ねてきたと思う。時には壁にぶつかり、決して順風満帆な野球人生ではなかったのではないだろうか。

中大応援団のエールを受けた後、北村選手が指名されたことを知った森下選手は会見場の檀上でガッツポーズを見せた。自分が指名されたときよりうれしそうだった。4年間、同じ道を目指した仲間を心から祝福する笑顔だった。学生記者として初めての取材で、2人の選手が夢をつかんだ瞬間を見ることができたのは、とても貴重な経験だった。

「仲間と喜ぶ姿、私も幸せな気持ちに」 三浦菜々花(国際経営1)

小さい頃から大好きな野球。私も少年野球チームでプレーし、プロ選手を目指したことがあった。土に汚れながら互いに本気でプレーする姿が格好良くて、高校生の甲子園大会はテレビにくぎ付けだった。だから、当時テレビで見ていたような選手のプロ入り決定の瞬間に立ち会えたことは夢のようだった。

硬式野球部の雰囲気の明るさが記憶に残っている。部活でずっと一緒に“青春してきた”仲間ならではの絆が感じられた。報道陣の求めに応じた写真撮影の間、カメラの向こう側にいる部員たちを見て、笑顔でポーズをとる森下、北村両選手の姿が印象的だった。部員全員が2人のプロ入りの喜びを分かち合う様子は、見ているこちらまでも幸せにしてくれた。またその熱さに改めて野球の魅力を感じた。
 

「指名の瞬間のフラッシュに驚き ずっと応援したい」 小西結音(総合政策1)

私自身、初めて報道関係者の仕事ぶりを間近で見て、森下選手が阪神に1位指名された瞬間のフラッシュの多さには本当に驚いた。記者会見中からパソコンに記事を打ち込む真剣な姿には、記者職という仕事への熱意を感じた。

会見で、森下選手は精神面の成長や、常に自然体でひたむきに努力をしてきたことなどを語り、少し時間が経って、北村選手も指名されたと知った瞬間にガッツポーズを見せた。ともに成長してきた2人の強い絆を感じた。カメラマンの撮影に快く応じる姿には、野球や学生生活に打ち込むことで培われた大らかな人柄が表れていたと思う。2人の思いを直接聞けたことはとても貴重だった。活躍をずっと応援していきたい。
 

森下、北村両選手(後列中央)に応援エール、メッセージを送った学生記者の8人

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