2022.04.05

「堅守速攻」で40年ぶりインカレ制覇
ハンドボール部 「のびのび楽しくプレー」花開く

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ハンドボール部が2021年11月の第64回全日本学生選手権大会(インカレ)で、40年ぶり4回目の優勝を飾った。チームの持ち味である「堅守からの速攻」を存分に発揮し、頂点を極めた。優勝メンバーは東京五輪にも出場した部井久アダム勇樹選手(法4)ら実力者ぞろい。インカレ優勝時の主将、中村仁宣選手(文4)は「能力の高いメンバーがそろったチームで、いかにチームとして戦っていくかを追求し、それがかみ合った結果の優勝です」と話す。卒業後は実業団、湧永製薬での活躍を目指す中村選手にインカレ制覇を振り返ってもらった。

 

※記事中の学年はすべて2021年度のものです。

準決勝の筑波大戦がヤマだった。関東1部リーグでも顔を合わせる「互いに手の内を知る相手」だ。前半リードを保った中大は、後半に1点差まで追い上げられた場面で、ディフェンス力を発揮した。GKの宮城風太選手(経済4)の活躍などでゲームの流れを相手に渡さず、最後は10点差をつけて決勝進出を決めた。

 

「連戦で疲労もたまっていたのですが、『ラスト1試合(決勝)は楽しむだけ』とチーム全員のモチベーションが上がっていました」と中村選手。決勝で優勝が決まった瞬間はコート上に4年生を中心とした歓喜の輪ができ、喜びが弾けた。

初戦の先制点 キャプテンの有言実行

インカレ制覇を喜ぶ選手たち。左から中村仁宣選手、中村翼選手、髙橋宗汰選手、実方智監督を挟んで、宮城風太選手、部井久アダム勇樹選手

一発勝負のインカレは怖い。ただ、チームの司令塔である中村選手が「どんな相手でも必ず勝てるとは限らない」と冷静に振り返った通り、油断は全くなく、チームは初戦から気合十分だった。

 

1回戦(中部大戦)の試合開始直後の先制点は、「最初の1点はおれが取る」というキャプテンの有言実行から生まれたものだ。これで緊張も解け、チームは勢いづいた。

 

チームのモットーは、のびのびと楽しくプレーすることだが、小学生から大学までの各チームで「ずっと主将を務めてきた」という中村選手は「勝つことが一番楽しい」とも話した。

 

司令塔、キャプテンとして心がけてきたのは、「攻撃の組み立てなどで皆が納得のいく選択をすること」だ。

 

「皆の能力が高く、それを尊重したいので、『こうしてほしい、ああしてほしい』などと口にすることはなかった。上手な選手たちに自由にプレーしてもらった方が攻撃の幅も

広がりますからね」

 

中村選手は「自分を信じてついてきてくれたチームメートと、指導してくれた実方智監督に感謝したい」と語り、インカレ制覇の喜びを振り返っている。

中央大学卒の誇りを胸に活躍しよう
4年間で「人とのつながり、人を見る力」を学んだ

中村仁宣選手は中大の4年間で「人を見る力」「人とのつながり」を学んだという。同じ卒業生へのメッセージを尋ねると、「コロナ禍の状況で、満足いく大学生活を送れなかったところもあると思いますが、中央大学卒業という誇りをもって、今後の社会で活躍しましょう」との言葉が返ってきた。

 

ハンドボール部の後輩たちを「プレッシャーをはねのけてもう一度、日本一を取ってほしい」と激励し、実業団リーグなどで対戦する可能性のある同期の選手たちとは「一緒に日本のハンドボール界を盛り上げていきたい」とエールを送った。

「目標に向けて頑張ること」「常に考えること」

中大で培ったことを糧に社会人として頑張ってほしい

監督 実方智

 

4年生の皆さん、2021年度全日本学生選手権「優勝」、本当におめでとう! この優勝は4年生の力で勝ち取ったものです。

 

今年のチームは4年生が主要ポジションを担い、チームをまとめ、かつ引っ張ってくれました。練習も試合も監督がすべて指示するのではなく、4年生が話し合いながらチームを作り上げてくれました。監督の役目は4年生が困ったときにアドバイスするだけでした。攻撃・守備のシステムは監督がたくさん提案し、どれを使っていくかは4年生が決めてチームを完成させてくれました。

 

全日本学生選手権後には、そこで活躍した4年生の部井久アダム勇樹、中村翼、3年生の蔦谷大雅が、2022年1月のアジア選手権のナショナルA代表に選出されたことを誇らしく思います。一つの大学から在学生が3人同時に選出されたことは史上初の出来事です。

 

4年生は卒業後、日本リーグのチームへ行く学生、民間企業に就職する学生に分かれますが、社会に出ても中央大学ハンドボール部で養った「目標に向けて頑張ること」「常に考えること」を忘れずに頑張ってほしいと思っています。

 

最後になりますが、中央大学の関係者の皆さま、引き続き中央大学ハンドボール部へのご支援を何卒よろしくお願い致します。

全日本学生選手権大会

(2021年11月6~10日、甲府市・小瀬スポーツ公園体育館ほか)

 

▽決勝    中央大 32(17-13、15-15)28 大阪体育大

▽準決勝   中央大 35(18-14、17-11)25 筑波大

▽準々決勝  中央大 37(22-10、15-17)27 福岡大

▽2回戦   中央大 39(21-12、18-13)25 大阪経済大

▽1回戦   中央大 33(17-12、16-16)28 中部大

 

 

☆インカレ 中大登録メンバー

(名前、学年、身長の順)

中村仁宣 ④ 171

部井久アダム勇樹 ④ 195

中村翼 ④ 180

髙橋宗汰 ④ 175

宮城風太 ④ 185

青雅俊 ③ 190

蔦谷大雅 ③ 182

久保寺歩夢 ③ 185

田中響人 ③ 182

齋藤遵 ③ 182

中島海 ③ 178

池間飛勇 ② 170

野上遼真 ② 187

伊禮雅太 ② 184

上山陽平 ② 175

髙橋侑吾 ① 170

泉本心 ① 185

扇谷蓮 ① 182

蔦谷日向 ① 184

瑞慶山充貴 ① 175

 

☆インカレ個人表彰(中大関係)

〈優秀選手賞〉 中村仁宣選手 蔦谷大雅選手 中村翼選手

〈特別賞〉部井久アダム勇樹選手

〈優秀監督賞〉実方智監督

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