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2026.04.02

「フードバンク」から見える社会課題
ボランティアセンターと協力、オンラインイベント開催

学生記者 合志瑠夏(2026年3月卒)

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私はひとり親家庭で育った。親の努力のおかげで、私自身はそれほど生活に苦労しなかったが、少しの恩返しの意味も込めて、相対的貧困の課題解決に貢献できる活動を探し、一般社団法人全国フードバンク推進協議会で半年間、インターンとして活動するご縁をいただいた。(学生の学年は2025年度の表記)

食品の需給のアンバランス

 

 

これは食品を寄付する企業と、支援が必要なフードバンク加盟団体を結ぶ全国規模のプラットフォームである。企業側には、食品の廃棄コスト削減、環境負荷の低減、企業として社会的責任を高めるといった意義がある。

 

私が主に担当した「食品マッチング事業」は、団体側の需要に基づいて届け先と数量を調整し、それを企業に伝達、発送へとつなぐ業務だ。この仕事に従事する中で、こうした食の支援は善意だけでなく、送る側と受け取る側のそれぞれのメリットを最大化して初めて実現するということを実感した。

 

日本では子供の9人に1人が相対的貧困状態にある(2021年厚生労働省データ)。ひとり親家庭の状況はとくに深刻で、明日の食事に不安を抱える家庭が確かに存在する。物価高騰などの影響から、支援要請は増え続け、寄付は減少傾向にあるという現実を前に、私は数字の重みを初めて“自分ごと”として受け止めた。

 

寄付が「炭水化物」に偏っていることへの課題も感じた。米やカップ麺、レトルト食品は需要も大きいが、栄養バランスの整った食品は不足しがちだった。必要とされる食品(需要)と実際に届く食品(供給)の間の溝に歯がゆさを覚えた。

「支援は対等の関係の中で成立」
食と社会をつなぐ存在であり続ける

合志瑠夏さん

 

こうした学びを広く知ってもらおうと、中央大学ボランティアセンターの協力を得て、2月24日にオンラインイベントを開催できた。私とともに当日のスピーカーを担当した総合政策学部2年の白井まみさんは、NPO法人フードバンクTAMAで活動した経験があった。

 

白井さんは、飲食店でアルバイト中に、大量の廃棄を目の当たりにしたことをきっかけに活動を始めたという。ボランティアの現場ではトラックで届く膨大な物資を前に、「食料支援=助けてあげるという認識でよいのか」と自問したという。

 

「食品を丁寧に箱詰めすること。それは受け取る人の気持ちを第一に考えた支援であり、尊厳を守るための配慮である」と聞いたとき、支援とは対等の関係の中で成立するものだと、私は胸を打たれた。

 

4月から私は小売業の世界に進む。最初は店舗勤務のスタートだが、やがてはサプライチェーン全体を見渡す立場で、食品ロスや貧困問題に向き合える人材になりたい。半年のインターン経験で得た視点を決して忘れず、食と社会をつなぐ存在であり続けることが、私の新たな挑戦である。

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