2026.04.09
好奇心の“海”で舵を切り続けた5年間だった。10カ月間のデンマーク留学、「HAKUMON Chuo」学生記者としての活動、広告表現を研究するゼミに加え、他学部履修制度を活用して法学部・理工学部・総合政策学部・商学部・文学部などの講義を受け、多摩と都心の各キャンパスで多岐にわたって学びを深めた。
興味や関心の赴くままに時間を使えたことは、学生ならではのぜいたくだったかもしれない。それぞれの経験が新しく刺激的だったが、中でも学生記者の活動が印象深く胸に残っている。
箱根駅伝出走やオリンピック出場の現役学生、その活躍を支えるマネジャーのほか、卒業生で企業の経営トップを務める方など、さまざまな立場の人々に会い、興味深い話を数多く伺った。とくにスポーツ観戦が趣味の私にとって、取材や記者会見でアスリートの姿や思いを直接、見聞きしたときは緊張と高揚感が同時に湧き、胸が高鳴ったのを覚えている。
留学中の旅先のイタリアで(2023年12月)
人から話を聞くという同じ活動でも、取材のたびに、会う人ごとに、全く異なる刺激を受け取る。その“予測不能さ”こそが最大の魅力だった。普段の私の日常ではおそらく交差しないだろうという方々の人生を、その人の言葉を架け橋として感じ取ることができる。それまで気づかなかった生きることへの考え方、挑戦する姿勢などを授けてくれる本当に特別な体験だった。
スマホやパソコンの画面を見つめる時間の長いSNSの時代にあって、対面した人の思いを肌で感じる経験は、心を駆り立てた。そして、取材を通して、何より「どのような立場、境遇の人もやはり人間なのだ」と実感できたことも印象深かった。
学生記者の活動を経て、スポーツ観戦がより身近な存在に変わり、新しい視点を手に入れることができた。どのような背景で、どのような思いで、活動に打ち込んでいるのか。実際に見て、話を聞いてみると、「そうだったのか」とハッとする経験も多かった。
私は留学の関係で卒業を1年遅らせて、中大生として5年間を過ごした。1年生に戻るなら、もう一度、この5年間を過ごしたいと思うほど刺激的で濃密な時間だった。
〈中大ミニQ&A〉
ゆったりとした雰囲気の豊かな大学
ある程度自分勝手、好奇心に従順な人に
質問(以下Q) 中央大学ってどんな大学でしたか
倉塚凜々子さん どこかゆったりとした雰囲気が流れ、大きな校舎にはさまざまな学生がいて、さまざまなことを学び、さまざまな景色があり、豊かな大学でした。「挑戦したい」「知りたい」と積極的に手を伸ばしたところに、数多くのチャンスと環境があると感じます。
Q 在学中、一番お世話になったと感じている方へのメッセージを教えてください
倉塚さん たくさんの人に支えていただき、刺激をもらった大学生活。私のやりたいことをそっと応援してくれた家族をはじめ、熱量を持って講義をしてくれた先生方のおかげで、学ぶことは楽しみでした。個性的な友人たちに出会い、世界を広げてもらいました。大変お世話になりました!
Q ほかの卒業生にメッセージをお願いします
倉塚さん 中大には、さまざまな活動や学び、趣味にそれぞれの思いと熱量をそそいでいる人がいると感じていました。皆さんが自身の望む場所で、望む形で輝いていけたらいいなと思います。全ての卒業生に素晴らしい未来が待っていますように!
Q もう一度、中大1年生に戻れるとしたら、どんな活動をして、どんな学生生活を送り
たいですか
倉塚さん 私がこの5年間を過ごしてきたように、おそらく同じような学生生活を送るかと思います。少し変えるとするなら、学食(メニュー)を制覇すること、図書館を1年生から利用すること、文学部の中村昇教授(哲学専攻)の授業をもっと早く見つけて受講することかもしれません。
Q 10年後の自分の姿をどのように描いていますか
倉塚さん 大学院に行ったり、当てもなく世界中を漂流したりと、何にでも答えを求めすぎず、不確実さに寛容な、ある程度自分勝手で自分の好奇心に従順な人間でいられたらいいな、と今の私は思います。
留学先では日本茶を広める「日本茶エバンジェリスト」の活動も行った(写真は日本国内での研修の様子=2023年8月)