2025.03.27
「大学時代は人生の夏休みである」
こんな言葉を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。今までの小中高校と違い、「やらなくてはならない」が「やらなくてもいい」に変わる大学生。自由に使える時間が増え、自分次第で有意義にも無駄にもなる、まさに「夏休み」である。そんな大学生活を送るにあたって、大事にしていたモットーが2つある。
一つ目は「やらない後悔より、やる後悔」である。私は好奇心旺盛な方で、関心のある分野が幅広い。この性格を大いに生かし、なんでもとりあえず行動に移すことを大切にした。
私はさまざまな学問を総合的に学ぶことが目的の文学部「学びのパスポートプログラム」に所属している。ゼミに入る学生は少ないが、私は1、2年生の授業を通して「社会調査」に興味が芽生え、ゼミに入って探究したいと思うようになった。自分から行動を起こして、教授や学部事務室に勉強したい旨を伝えにいき、ゼミに入るために自ら履修すべき授業を相談し、聴講もした。その結果、熱意が届き、無事に3年次から始まるゼミに入ることができた。
学業以外では、白門祭実行委員としても活動した。一番印象に残っているのは、有志のチームに所属し、デジタルチケットのシステム作りに携わったことだ。前例のない制度に戸惑いながらも、来場者が問題なくチケットを運用できるよう、夜な夜な協議を重ねた。当時の私は、何千ものデータをさばく技術がなく、データ処理に悪戦苦闘したが、仲間に助けられながら乗り切ることができた。
行動を起こすには勇気が必要だが、挑戦し、経験やスキルを得たことが自信につながる。そこで出会えた人や考えが何にも代えがたい財産だと今では実感している。
もう一つのモットーは「自分がした選択を自分自身が正解にしていく」である。基本、自分の選択を後悔することはないが、まれにメンタルが後ろ向きに傾いたとき、ほかの選択を取っていたらと思うことがある。そんなことを考えても過去には戻れないし、今の選択がほかより悪かったと証明する手立てもない。
ならば、選択した当時の自分を信じて、この選択をより良いものにすることが今の自分ができる最善なのではないか。そう思うことで、選択することが怖くなくなった。ゼミも白門祭実行委員を経験した選択も、今でも正しかったと思う。
今後「やって後悔」することがあっても、その経験で得られたことはきっと自分の大きな財産になると信じ、選択を単なる間違いにしないようにしていきたいと思っている。卒業し、社会人としてたくさんの壁にぶつかったとしても、この2つのモットーを胸に、自分のペースで成長していきたいと思う。
私の大学生活は、自分自身にしっかりと向き合うことができた有意義な「夏休み」になった。
〈中大ミニQ&A〉
「自分らしさを忘れず、自分のペースで頑張る」
一番の良き理解者の母親に感謝
Q 中央大学ってどんな大学でしたか
海老澤英奈さん 私にとっては居心地のいい大学でした(笑い)。学生数は多いけれど、(多摩キャンパスは)自然豊かな立地で広いということもあり、静かに作業ができる空間が存在するのが個人的には合っていたなと思います。
Q 一番お世話になったと感じる人へのメッセージを教えてください
海老澤さん 大学関係ではないのですが、やっぱり母ですね。一番の良き理解者です。くだらないことや悩みごとも聞き、時にはアドバイスをくれて、勇気づけてくれてありがとう。これからも末永くよろしくお願いします!
Q ほかの卒業生にメッセージをお願いします
海老澤さん 皆さん、ご卒業おめでとうございます! 授業や安野智子先生のゼミ、白門祭実行委員会など、私に関わってくださった皆さん、大変お世話になりました。「これからも海老澤と関わっていいよ」という方!! とってもうれしいので連絡ください!
Q もう一度、中大1年生に戻れるとしたら、どんな活動をして、どんな4年間を過ごしたいですか
海老澤さん スポーツ系のサークルに入りたいです! スポーツ自体が好きなので、大学生のうちにどのような形であれ、携わりたかった。あとはもっと率先して他学部の授業を履修したい。留学もありですね!
Q 10年後の自分をどんなふうに想像していますか
海老澤さん 社会人として経験を積み、人間として成長していたいですが、基本は今と変わらないと思います。自分らしさを忘れずに、自分のペースで、自分なりに頑張っているのではないでしょうか。