2025.03.31

国内最高峰のステージへ
トップリーグ参加の選手たちが決意と抱負
ハンドボール部、バレーボール部が合同で記者会見

学生記者 小保方愛香(法3) 九十歩胡春(文1)

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卒業後、トップリーグのチームに進む4年生のハンドボール部3選手、バレーボール部4選手が2024年12月20日、駿河台キャンパスで記者会見し、国内最高峰のステージに挑戦する意気込みや決意、自身のアピールポイントなどを語った。

リーグHのチームに入団するハンドボール部の3選手。左から蔦谷日向、髙橋侑吾、扇谷蓮の各選手

「学び多かった中大での4年間」「夢だったトップリーグへの挑戦」
ハンドボール部

実方智監督と、国内最高峰のリーグHのチーム、アルバモス大阪に内定した蔦谷日向(つたや・ひゅうが)選手(法4)と髙橋侑吾選手(文4)、富山ドリームスに内定の扇谷(おぎや)蓮選手(商4)が報道陣の質問に答えた。

 

大阪出身の蔦谷選手は、「夢だった大阪でのプレーがかない、うれしい。(アピールポイントは)勝負強さです」と語り、ハンドボール部のメンバーについて「個々のスキルが高く、学ぶことが多かった」と述べ、大学4年間を振り返った。

 

「トップリーグへの挑戦は目標であり、夢だった」と語った髙橋選手。2023年発足のアルバモス大阪はリーグ戦下位と厳しい状況だが、「チームは補強にも積極的。まずは(蔦谷選手と)2人でプレーオフ進出を目指して、チームを引っ張りたい」と力強く抱負を述べた。

 

扇谷選手は、「憧れの舞台でプレーするのが楽しみ。主力選手として活躍し、プレーオフに進出したい」と意欲を語り、試合が待ち遠しい様子。中大の4年間は「レベルの高いメンバーから刺激を受け、毎日の練習も充実していた」と振り返り、仲間に感謝していた。

 

所用でこの日の会見を欠席した泉本心選手(法4)もリーグHのジークスター東京に入団が内定した。

記者会見に臨むハンドボール部の選手たち

☆ リーグHに進むハンドボール部の4年生

 

 

泉本心選手(法学部4年) 185センチ・83キロ

内定先:ジークスター東京 ポジション:レフトバック

 

蔦谷日向(つたや・ひゅうが)選手(法学部4年) 187センチ・85キロ

内定先:アルバモス大阪 ポジション:ライトバック

 

髙橋侑吾選手(文学部4年) 168センチ・65キロ

内定先:アルバモス大阪 ポジション:レフトバック

 

扇谷(おぎや)蓮選手(商学部4年) 183センチ・80キロ

内定先:富山ドリームス ポジション:レフトバック/ライトバック

 

SVリーグのチームに入団するバレーボール部の4人。左から澤田晶、山﨑真裕、柿崎晃、山根大幸の各選手

「日本代表、さらに海外での活躍を」「チームを勝たせられる選手になる」
バレーボール部

最高峰のSVリーグ、ウルフドッグス名古屋に内定した澤田晶選手(総合政策4)は2メートルの長身。「まずはSVリーグで活躍できる選手を目指し、最終的には日本代表、さらに海外での活躍を目標に頑張っていきたい」と話した。

 

同じウルフドッグス名古屋に内定した山﨑真裕選手(総合政策4)は、中学時代に同チームのジュニアチームでプレーした経験があるといい、「クイックやブロック、機動力が強み。チームを勝たせられる選手になりたい」と力強く語った。

 

2人とも愛知県出身で、会見に同席したウルフドッグス名古屋の佐藤和哉部長も「地元出身の2人に中学時代から注目していた。(ミドルブロッカーという)同じポジションで切磋琢磨してほしい」と、活躍を期待していた。

 

日本製鉄堺ブレイザーズに進む柿崎晃選手(商4)は「内定をいただき、素直にうれしかった」と笑顔を見せた。器用さや安定したレシーブ、2段トスの精度の高さを自身の強みに挙げ、1年目から試合に出ることを目標に掲げた。

 

同じ日本製鉄堺ブレイザーズに内定した山根大幸選手(商4)は、得点の際にチームの雰囲気を盛り上げられる点をアピールし、「SVリーグはあこがれの舞台。線が細いので体づくりに励み、恩返ししたい」と未来を見据えた。

 

同席した日本製鉄堺ブレイザーズの長谷川博之GM兼強化部長は、「柿崎選手にはサーブレシーブの能力の高さ、山根選手はサーブと、コースを幅広く打てるクイックに良さを感じた。SVリーグは厳しい世界と思うが頑張ってほしい」と激励した。

 

会見の結びにイタリア・セリエAに現役選手を派遣するバレーボール部のプロジェクト「THE FUTURES」の説明があり、舛本颯真選手(総合政策2)、土井柊汰選手(文2)、坂本アンディ世凪選手(総合政策1)の派遣が発表された。

 

1部リーグのヴェローナに派遣される坂本選手は、「トップリーグの選手のプレーや考え方に間近に見聞きしたい。しっかりコミュニケーションを取りたい」と話していた。

記者会見するバレーボール部の選手たち

☆ SVリーグに進むバレーボール部の4年生たち

 

澤田晶選手(総合政策学部4年) 200センチ・98キロ

内定先:ウルフドッグス名古屋 ポジション:ミドルブロッカー

 

山﨑真裕選手(総合政策学部4年) 194センチ・86キロ

内定先:ウルフドッグス名古屋 ポジション:ミドルブロッカー

 

柿崎晃選手(商学部4年) 186センチ・75キロ

内定先:日本製鉄堺ブレイザーズ ポジション:アウトサイドヒッター

 

山根大幸(ひろゆき)選手(商学部4年) 191センチ・78キロ

内定先:日本製鉄堺ブレイザーズ ポジション:ミドルブロッカー

〈取材後記〉中大でプレーした誇り チームメイトが陰で支えた記者会見
学生記者 九十歩胡春(文1)

ハンドボール部の実方智監督と選手たちは緊張した表情で会見場に姿を現し、中央大学でのプレーの記憶や学生生活、国内最高峰の「リーグH」でプレーする決意などをそれぞれ語った。会見を通して、実方監督の指導への熱意と、選手たちが中大でプレーできたことを誇りに思っている様子がうかがえた。監督と選手の良い関係性も感じ取ることができた。

 

リーグHの「アルバモス大阪」に内定した蔦谷日向選手は大阪府出身で、「大阪のチームでプレーすることが夢だった」と話し、大学4年間の成果としてインカレ4連覇を挙げた。同じアルバモス大阪に内定の髙橋侑吾選手は「小柄だがスピード、機動力を生かしたプレーが強み」と述べ、高校時代は無名の選手だった自身が中大で成長し、「レベルの高いメンバーと切磋琢磨できた」と感謝の言葉を口にした。

 

富山ドリームスに内定した扇谷蓮選手は、在学中に同チームに短期間移籍した経験が入団の決め手の一つになったといい、富山県出身で、地元のチームでプレーできることを楽しみにしていると語った。

 

会見で実方監督が、インカレ5連覇を目指すとともに、ハンドボール部の支援を目的に一般社団法人を設立し、寄付金やスポンサーを集めることと、ファンクラブの結成予定もあると発表したことは驚きだった。ハンドボールの裾野拡大に役立つことを願っている。

 

一方、バレーボール部の会見には斎藤和也部長、野沢憲治監督と選手4人のほか、内定先のウルフドッグス名古屋の佐藤和哉部長、日本製鉄堺ブレイザーズの長谷川博之GM兼強化部長も同席していた。

 

司会を4年生の主務、園村英斗選手が務めていたことや、マネジャーに加え、ほかの4年生の選手たち、3年生のアナリストが会見を見守り、質疑応答でのマイクを受け渡し、公式インスタグラムのライブ配信の手伝いをして、バックアップしている姿が印象的だった。トップリーグに内定した選手もそうでない選手も、チームメイト同士が支え合う関係性が私には素敵に感じられた。

 

会見の結びにはイタリア・セリエAに現役選手を派遣するバレーボール部のプロジェクト「THE FUTURES」の説明もあり、舛本颯真選手(総合政策2)がシエナ(2部リーグ9位)、土井柊汰選手(文2)はサンドナ(3部リーグ1位)、坂本アンディ世凪選手(総合政策1)がヴェローナと、3人の派遣先が発表された。

 

土井選手のポジション、リベロの海外派遣はほかのポジションに比べ、トップリーグの選手でも珍しいため、土井選手の挑戦がリベロのさらなる海外挑戦の後押しとなることを期待したい。

〈取材後記〉文武両道を実践 競技への姿勢、考え方に尊敬の念
学生記者 小保方愛香(法3)

中央大学伝統の地である駿河台キャンパスで行われたハンドボール部、バレーボール部の合同記者会見。両部はともに創部80年を迎えようとする歴史を重ねてきた運動部だ。

 

運動部の練習場所といえば、現在は多摩キャンパスがすぐに思い浮かぶのだが、大学の本拠地が駿河台にあった頃、両部が創設されたという事実からも、長く受け継がれてきた伝統、歴史に感銘を受けた。また、文武両道を大切にしてきた大学であることも改めて知ることができた。

 

平日は基本、6時半から早朝練習をするというハンドボール部。練習後、1限の授業がある選手たちが十分間に合うようにという設定だという。実方智監督は、「基本は授業に出られるよう、練習時間を決めます。ハンドボールも頑張るし、学業も頑張るというのが中大ハンドボール部のモットー」と話した。

 

インカレ4連覇という輝かしい成績を残していることに注目が集まりがちだが、同時に学業もおろそかにすることなく、文武両道を実践する選手たちは学生の模範というべき存在であり、広く知ってもらいたいと強く感じた。

 

続くバレーボール部の会見にはSVリーグ入りする選手4人と、海外派遣される選手3人が臨んだ。バレーボール界は2024年、ネーションズリーグ、パリ五輪、そして新たなSVリーグの開幕など多くの人々を魅了し、人気が高まった。日本代表の石川祐希選手(2018年法卒)をはじめとする中大卒業生の存在もその盛り上がりに貢献しただろう。

 

選手たちは会見で、謙虚かつ誠実に受け答えをし、新たなステージに向けての強い決意、覚悟を十分に示した。どのような質問にも、自身のプレーに対する考えや指針、海外派遣された際の学び、チームメイトの存在の大きさなどを丁寧に説明していた。

 

現在、体育連盟の運動部に所属する私自身、選手たちの競技に対する姿勢や考え方に尊敬の念を抱き、大きな刺激を受けた。学生生活を通し、紆余曲折があった中で、競技に没頭し、継続してきたこと自体が称えられるべきだろう。

 

熾烈(しれつ)なメンバー争いをくぐり抜け、試合に出場し、実力を発揮することは尋常ではない不断の練習の積み重ねと努力が必要だ。そして、選手たちが向かおうとしている未来は今以上に厳しい世界かもしれない。しかし、それを一番に理解しているのは彼ら選手たちで、数々の困難を乗り越えてきた経験と自信があるからこそ、気持ちを新たに前に進むことができるのだろう。

 

彼らを目標にする後輩たちも増えるはずだ。活躍が国内にとどまらず、国外にも広がり、ハンドボール、バレーボール界がますます発展するよう、心から応援したい。私自身も社会人の一人の記者として選手たちを取材する日を迎えられるよう、残りの学生生活を充実したものとしていきたい。

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