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2026.03.30

インカレ連覇「宝物」胸に卒業 団結力でつかんだ栄冠
スケート部アイスホッケー部門
角丸陸斗選手 荒木零士選手 川合温大選手

学生記者 合志瑠夏(経済4) 松岡響紀(経済2)

  • 中大ニュース
  • アスリート

スケート部アイスホッケー部門が2025年12月の第98回日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)で連覇を達成、通算5回目の優勝を飾った。大会の最優秀選手賞に輝いたフォワード(FW)の角丸陸斗選手(当時主将、国際経営4)は「どうしたら連覇できるかを考え続けた1年間は、本当に濃密な時間でした。今の気持ちはほっとする思いと達成感に尽きます」と語り、チームメイトと監督、コーチ、家族ら支えてくれた全ての人に感謝した。

 

大会ベスト6に選出されたFWの荒木零士選手(総合政策4)、ゴールキーパー(GK)の川合温大(はると)選手(文4)を含む卒業生3人に、連覇の喜びと、仲間への思い、アイスホッケーに打ち込んだ4年間の学生生活で学んだことなどを尋ねた。

(インカレ優勝時の写真は、すべてスケート部アイスホッケー部門提供)

(左から)荒木零士選手、角丸陸斗選手、川合温大選手

キャプテンとして大きく成長
忘れられない決勝のアシスト「零士への完璧なパス」

角丸陸斗選手

 

かくまる・りくと。170センチ、68キロ。神奈川県出身。北海道・苫小牧東高卒、国際経営学部4年。ポジションはフォワード(FW)。プレースタイルの特長は、司令塔としての視野の広さとチャンスメイクの巧みさ。アイスホッケー経験者の父親の影響で5歳で競技を始めた。

質問(以下Q) インカレ決勝終了の瞬間、真っ先に頭に浮かんだことは何ですか

角丸陸斗選手 何よりも勝った喜びで頭がいっぱいでした。頑張ってきたことが報われた瞬間でもあり、目標を達成できた安心感が大きかったです。

 

Q 最大の目標だったインカレ連覇を達成できた要因は何ですか

角丸選手 一年を通じて部員全員が目標への準備を怠らなかったことです。キャプテンとして一生の思い出にもなりました。(優勝は)人生の宝物です。

 

Q 準々決勝の東洋大、決勝の明治大は前年と同じ対戦相手となりました。優勝への道のりでキーポイントとなった試合はありますか

角丸選手 東洋大戦を勝ち切れたことでチームが勢いに乗りました。自分を含めて足をつる選手が出たアクシデントの中で延長戦を勝ち、チームの士気も上がったと思います。

 

Q インカレで印象に残っているプレーはありますか

角丸選手 決勝戦での零士(荒木零士選手)へのアシストです。1-2とリードされた展開で、パックを奪った瞬間にパスコースが見えました。完璧なパスを通せて、零士のゴールをきっかけに逆転できたので印象に残っています。

 

Q 中大の4年間で培われたこと、アイスホッケーを通して学んだ大切なことを教えてください

角丸選手 何かに熱中し、全力で努力することの大切さと、その素晴らしさを学びました。

 

Q 主将を務めてよかったといま感じていますか

角丸選手 はい。この1年間、キャプテンを務めて成長できたことが多いです。勝ったときや、頼りにされていると実感したときは喜びを覚えました。

 

Q 普段、どのように練習に取り組んでいますか

角丸選手 (春から夏のオフシーズンは)週4回の氷上練習、週2回のウエートトレーニング、週末は練習試合。朝の練習で起きるのは大変だったのですが、その分学業との両立はし易かったと思います。

社会人とプロ デュアルキャリアに挑戦

Q 中大のアイスホッケーの特長を教えてください

角丸選手 クリエイティブなポゼッション・ホッケーに加えて、チームの雰囲気がどの大学と比較してもいいと思います。先輩、後輩に関係なく、全員が自由にプレーできていることが強みになっています。

 

Q アイスホッケーの魅力を、競技をよく知らない人に向けて説明してください

角丸選手 なんといってもスピード感、激しさがいちばんの魅力です。スピードとフィジカルの両方をこれほど求められるスポーツはなく、展開も速い。見れば見るほど、とりこになると思います。

 

Q 4年間で一番成長したと感じるのはどのような点ですか

角丸選手 リーダーシップと主体性です。チームのことを考え、現状把握、課題発見、解決方法の模索というプロセスを常に考えるようになりました。日本一を争える環境は本当に貴重で、人生で最も濃い4年間を過ごすことができました。

 

Q 監督、コーチに伝えたい言葉を教えてください

角丸選手 4年間指導してくださり、ありがとうございます。キャプテンを任せるときは不安もあったかと思いますが、主体性を持ってやらせていただき、大きく成長できました。

 

Q 同期のチームメイトにかけたい言葉はありますか

角丸選手 4年間ありがとう。個性豊かなメンバーだったけれど、全員が勝ちたいという思いは強かった。その姿勢が後輩にも伝わったと思う。楽しかったです。

 

Q 部の後輩たちにメッセージをお願いします

角丸選手 1年間、きつい練習や陸上トレーニングに文句を言わず、ついてきてくれてありがとう。3連覇のプレッシャーはあると思うけれど、頑張ってください。

 

Q 将来の目標を教えてください。卒業後もアイスホッケーを続けますか

角丸選手 社会人としてのキャリアと、プロアイスホッケー選手としてのキャリアを同時に歩む「デュアルキャリア」に挑む予定です。大変なことも多いと思いますが、どちらでも一流になれるよう頑張っていきたいです。

角丸陸斗選手

4年生だけで記念の一枚

勝利の瞬間…浮かんだ両親の顔
最高学年での日本一は「幸せ」

荒木零士選手

 

あらき・れいじ。172センチ、65キロ。北海道・駒大苫小牧高卒、総合政策学部4年。ポジションはFW。プレーヤーとしての強みはスピードとテクニック。アイスホッケーは5歳の頃に始めた。

質問(以下Q) インカレ決勝のゲームセットの瞬間、真っ先に頭に何が浮かびましたか

荒木零士選手 両親の顔と、今までアイスホッケーを指導してくれた恩師の方々です。2点差がついて勝利を確信し、皆が泣いていました。早く温大(GKの川合温大選手)に飛びつきたかった。

 

Q 最大の目標だった連覇を達成して、改めて感じていることを教えてください

荒木選手 もちろん去年も最高にうれしかったけれど、最高学年になり、ホッケー人生最後に仲間と日本一を取れて幸せに感じています。

 

Q 優勝までの道のりでキーポイントとなった試合はありますか

荒木選手 全試合がキーポイントでした。次につながる試合を毎試合できていました。

 

Q 印象に残っているご自身のプレーや場面を教えてください

荒木選手 決勝の同点ゴールです。左後方の角丸(陸斗選手)からのパスを信じて走り出し、きれいなパスをもらって決めることができた。そのシフト(交代ごとの短いプレー時間)で逆転できて、チームも勢いづいたと思います。

 

Q 部活動で培われた今後への一番の糧は何でしょうか

荒木選手 仲間同士で競い合うこと。練習や試合で自分の持ち味をアピールし、仲間と切磋琢磨するのが大事だと学びました。

個性派ぞろいのメンバー
まとめてくれたキャプテンに感謝

Q 主将としてチームを引っ張ってきた角丸選手にかける言葉はありますか

荒木選手 おつかれさま。個性派ぞろいのメンバーのチームをよくまとめてくれました。連覇のプレッシャーもあったと思うし、感謝しています。

 

Q 中大のアイスホッケーの特長を教えてください

荒木選手 クリエイティブなスタイルだと思います。毎年、中大はフィジカルというよりむしろ、センスのあるプレーヤーが入ります。(多くの選手が)そのセンスを生かしていると、入学前から思っていました。

 

Q アイスホッケーをよく知らない人に競技の魅力を説明してください

荒木選手 ゴールの裏(のエリア)を使えるスポーツです。ゴールの裏を使えるスポーツは珍しいのではないかと思います。

 

Q 大学入学後、一番成長したのはどのような面でしょうか

荒木選手 考えることです。中学や高校では、監督やコーチのシステムや指示に従って動いていましたが、大学は全て自分たちで考えてホッケーを作っていくからです。

 

Q 指導に当たってくれた監督、コーチに伝えたい言葉はありますか

荒木選手 言いたい、指導したいことはたくさんあったと思いますが、僕自身に気づかせたり、考えさせたりと、自主性に任せていただいたおかげで、成長できました。

 

Q 同期のチームメイトにかけたい言葉を教えてください

荒木選手 4年間、みんなと居られて本当に幸せでした。優勝できて、今でもたまに泣きそうになります。

 

Q 部の後輩たちにメッセージはありますか

荒木選手 後輩たちの力がなかったらできなかった優勝で、本当に感謝しています。4年生が卒業して壁にぶつかることは多いと思うけれど、みんななら3連覇できると思います。

 

Q 中大に進学した理由を教えてください

荒木選手 アイスホッケーの歴代メンバーのプレーのセンスに憧れていました。プレースタイルも自分の求めていたものでした。そして、ほかの大学に進んだ高校時代の同期と試合をして勝ちたかったからです。

 

Q 卒業後もアイスホッケーは続けますか

荒木選手 迷っていて、就職先で落ち着いたら、また考えようと思っています。もしも(アイスホッケー界に)帰ってこなかったら、「消えた天才」と呼んでください(笑い)。

荒木零士選手

「自分と向き合い、努力し続ける」
支えてくれた人に感謝、恩返しの優勝

川合温大選手

 

かわい・はると。171センチ、70キロ。愛知県出身。北海道・北海高卒、文学部4年。ポジションはゴールキーパー(GK)。父親の仕事の関係で米ミシガン州に住んでいた5歳の頃、観戦したNHL(北米のプロリーグ)の試合の迫力に圧倒され、自身もプレーするようになった。

質問(以下Q)インカレ決勝のゲームセットの瞬間、真っ先に頭に何が浮かびましたか

川合温大選手 これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちや恩返しができてよかったという気持ちと同時に、17年間のホッケー人生に悔いはないなという思いでした。

 

Q 最大の目標だった連覇を達成して、いま改めて感じていることを教えてください

川合選手 いまだに実感が湧かないというのが本音です。ただ、(大学3強といわれる)東洋大と明治大に勝ち、自分たちの手で連覇という偉業を達成できて、非常にうれしく思います。

 

Q インカレでキーポイントとなった試合はありますか

川合選手 準々決勝の東洋大戦です。ロースコアで試合が進み、延長戦までもつれ込んだ緊張感のある試合展開で勝ち切ることができたからです。

 

Q 最も印象に残っている自分自身のプレーや場面を教えてください

川合選手 東洋大戦の第3ピリオド、1点ビハインドの場面で、フェイスオフ(審判が落としたパックをスティックで奪い合うプレー再開時の動作)後のダイレクトシュートをセーブした場面。1失点が命取りになる展開の中で魅せたビッグセーブは一番印象に残っています。

準々決勝で魅せた!ビッグセーブ
「強い中央が戻ってきた」

Q 4年間の部活動で培われた今後への糧は何でしょうか

川合選手 自身と向き合い続けること、そして努力し続けることです。大学1年のときは試合に出られず、どん底だった時期がありました。自分の行動や練習を見直し、壁にぶつかっても、もがき続ける忍耐力を培いました。

 

Q プレースタイルの特長、強みを教えてください

川合選手 安定感のあるセービングとスケーティングを生かしたリバウンドへの反応です。失点ゼロなら試合に勝てる。GKはその意味で試合を支配できるという魅力、やりがいがあります。

 

Q 主将としてチームを引っ張ってきた角丸選手にかけたい言葉はありますか

川合選手 一人でいろいろなことを背負い続けてくれて感謝しています。角丸が主将でなければ連覇できなかったと思う。

 

Q チームの今季のスローガン「研鑽」は誰の発案ですか

川合選手 4年の藤間航哉です。一人ひとりが主体的に、技術力の向上に努めることで、目標を達成するという意味です。

 

Q 中大アイスホッケーの特長を教えてください

川合選手 今年度の特長を一つ挙げるとすれば、「後半に強いチーム」だったことです。リードを許しても決してあきらめず、最後まで勝利をつかみにいく。「強い中央が戻ってきた」ことを象徴するシーズンだったと言えます。

 

Q 指導してくれた監督、コーチに伝えたい言葉を教えてください

川合選手 高校時代に大した実績のなかった僕を見捨てずに出場機会を与えてくださり、心から感謝しています。この上ない経験をすることができました。4年間本当にありがとうございました。

 

Q 同期のチームメイトにかけたい言葉はありますか

川合選手 4年間、本当にありがとう。有終の美を飾ることができたのは間違いなく、みんなのおかげです。みんなと濃密な時間を過ごすことができて本当によかった。同期がみんなでよかった。これからもよろしく。

 

Q 部の後輩たちにメッセージをお願いします

川合選手 個性の強い4年生についてきてくれてありがとう。みんなのこれからの活躍を期待しています。インカレ3連覇してください。

 

Q 中大に進学した理由を教えてください

川合選手 大学4強の一角だったから。日本一を目指せるチームでプレーし、日本一の景色を見たかったからです。

 

Q 将来の目標を教えてください。卒業後もアイスホッケーを続けますか

川合選手 社会人として自覚をもち、日々精進していくこと。プロ選手にはなりませんが、社会人ホッケーを続けていく予定です。

川合温大選手

秋の関東リーグは準優勝…
悔しさバネにチームを立て直す

中大は秋の関東大学リーグで準優勝だった。ライバルの東洋大、明治大に勝ちながら、法政大に敗戦。「優勝を逃した悔しさ」(荒木零士選手)から、1カ月後のインカレに向けて、チームを立て直した。

 

主将の角丸陸斗選手を中心にミーティングを重ねて意思疎通を図り、選手主体でトレーニングに打ち込んだ。最初の2週間は、「ひたすら走り、GKはひたすらシュートを受け続ける」(川合温大選手)という過酷なメニューだったが、「いつの日か底なしの体力が身についていった」(同)という。2025年度のチームスローガン「研鑽」の言葉のとおり、個々の強い精神力とチームとしての結束感を高めるために、必要だった時期と3選手ともに振り返っている。

やったぜ! みんないい顔してる!

☆ 大会ベスト6に中大から5人選出

 

〈最優秀選手賞〉

FW 角丸 陸斗(国際経営4)

 

〈ベスト6〉

GK 川合 温大(文4)

DF 森 星輝(文3)

FW 横須賀大夢(総合政策4)

FW 荒木 零士(総合政策4)

FW 中谷采士郎(総合政策1)

 

〈アシスト王〉

FW 小岩獅竜(商2)

 



 

☆ インカレ制覇への道のり

 

第98回日本学生氷上競技選手権大会

ファーストディビジョン

(2025年12月23~28日、東京都東大和市・東大和スケートセ

ンター、西東京市・ダイドードリンコアイスアリーナ)

 

 

〈1回戦〉中央大 28-0 福岡大アイスホッケー部

〈2回戦〉中央大 9-0 同志社大体育会アイスホッケー部

 

 

〈準々決勝〉

    1P  2P  3P  延長  計

中央大   1     1     0    1     3

東洋大   1     0     1     0   2

(中大得点者)角丸陸斗、横須賀大夢、中谷采士郎

 

 

〈準決勝〉

      1P  2P   3P   計

中央大     2     2     3     7

大東文化大   1     1     0     2

(中大得点者)鈴木渡硫、下坪久晃、角丸陸斗、齋藤陽大、中谷采士郎2、伊藤一海

 

 

〈決勝〉

    1P  2P  3P   計

中央大  1    3     1     5

明治大   2  0       1   3

(中大得点者)下坪久晃、荒木零士、高崎泰成、横須賀大夢、中谷采士郎

 

(注)Pはピリオド、記録は日本アイスホッケー連盟サイトより抜粋

 



 

☆ アイスホッケー

 

硬質ゴム製の円柱状のパックを打ち合い、相手のゴールに入れた得点を競う。1ピリオド20分の3ピリオド制。氷上に一度に出場できるのは、ゴールキーパー(GK)を含む1チーム6人。一部の判定でプレー停止中のときを除き、選手交代は自由にできる。

 

フォワード(FW)3選手とディフェンス(DF)2選手の5人1組を「セット」と呼ぶ。全速力でプレーする選手はスタミナの消耗が激しく、各チームが複数のセットを交代させながらゲームが進行する。頻繁な選手交代がスピーディーなゲーム展開を生むという。

 

連覇の快挙を達成、頑張りに心より感謝
中央大学学友会体育連盟スケート部 監督 八戸 了

第98回日本学生氷上競技選手権大会での優勝おめでとう。2年連続5回目の栄冠を手にする快挙を達成したことをうれしく思うとともに、皆さんの頑張りに心より感謝しています。

 

今シーズンもインカレ優勝を目指し、「インカレ2連覇」をチームの最大の目標に掲げて取り組みました。春・夏の大会では優勝しましたが、秋リーグ・全日本選手権では苦杯を喫し、非常に難しい状況でインカレを迎えることになりました。

 

チーム最大の危機を迎えましたが、主将をはじめ4年生が中心となって結束し、主体的な取り組みを実践していく中で、見事にチームを勝利に導いてくれました。この経験は、今後の皆さんの人生においても宝物となる経験であり、チームにとっても貴重な財産を残してくれたと思っています。

 

「人間万事塞翁が馬」。これからの長い人生において、よい時も悪い時もあるでしょう。辛いことがあっても、どっしり構えて乗り越えてください。その先に明るい未来が待っています。皆さんの輝かしい未来にエールを送ります。

【取材後記】
学生日本一へ「指示待ちでなく自律的に動くマインドを持つ!」
学生記者 合志瑠夏(経済4)

 

インカレを制し、大学アイスホッケー界の頂点に立ったチームの中心を担った3選手は、氷上での戦う表情とは一転、インタビューの場では驚くほど自然体で、どこにでもいそうな「大学4年生」の顔をのぞかせていた。最近も同期で旅行に出かけたというエピソードを聞き、単に仲が良いというだけでなく、彼らが競技という枠を超えて深い信頼で結ばれていることを感じ取れた。

 

とくに印象的だったのは、3選手とも「実力主義」という言葉が意味する目に見えない危機感と戦い続けてきたことだ。最優秀選手賞や大会のベスト6という輝かしい実績を誇る彼らであっても、その心根に「過信」の文字はない。たとえば、1年次から試合に出続けてきても「明日にはポジションを失うかもしれない」という思いを4年間一度もなくすことはなかった。

 

ようやくレギュラーをつかんだ経験は、常に自分の現状への問いかけを生み、試合の万全な準備へと結び付いた。そうした絶え間ない内省こそが、中大アイスホッケーの盤石の強さを支える真の原動力だったのだ。

 

角丸陸斗選手(インカレ時の主将)は、チーム運営の難しさと尊さも語った。大所帯のチームで試合に出られない選手のモチベーションをどう保つか。容易に正解を得られない問いに対し、主将は「特別なことはしない」という答えを選んだ。

 

誰かに言われて動くのではなく、全員が「日本一」という共通の目的のために自律的に動くマインドを持つこと。そして、上級生がその背中を見せ続けることで、個人の集合体を超えた「組織の力」を体現しようとしたのだと私は解釈した。

 

3選手の視線は今、卒業後の人生にも向けられている。競技と仕事を両立させる「デュアルキャリア」の選択や、アイスホッケーで培った人間力を強みに、社会人として新たな世界へと足を踏み出そうとする彼らの言葉からは、凛とした覚悟が感じられた。

 

新チームとして動き出す後輩たちに「自分たちの色を作ってほしい」と言葉を贈った3選手の表情は、重責を全うした清々しさに満ちていた。1学年上の世代に比べて、いわゆる“スター選手”がそろっていたわけではないという彼らの代は、結束と努力で頂点をつかんだ。中大アイスホッケーの歴史に刻まれた彼らの色は、後輩たちの道標として輝き続けるだろう。

【取材後記】
「自分たちらしく努力する」唯一無二の“色”でつかんだ勝利
学生記者 松岡響紀(経済2)

 

アイスホッケーの魅力だけでなく、インカレ連覇を成し遂げるまでの道のりを3選手から伺うことができた。部員数が多い中で、試合に出る選手と、出場がかなわなかった選手のモチベーションの差を埋め、最上級生の4年生が一つになったことが、連覇の大きな要因だったという言葉が印象的だった。4年生が自らの背中を見せることで、下級生もついてきてくれたと聞き、団結力の高さを認識した。

 

プレー以外でも、共用キッチンでの自炊、学年を超えて一緒に部屋でゲームやスポーツ観戦を楽しむ時間があると聞き、生活面でも充実した日々を送ってきたことを知ることができた。

 

サッカーや野球などに比べると、とくに日本でのアイスホッケーの注目度は十分ではないかもしれない。しかし、3選手は「観戦したら絶対に面白い。はまるので一度見にきてほしい」と、口をそろえて力説し、氷上の格闘技といわれるその迫力と魅力をアピールした。

 

取材で話を伺った2月は、ちょうどミラノ・コルティナ冬季五輪の真っ最中だった。アイスホッケー観戦の注目点を尋ねたところ、サッカーのフィールドより随分狭いリンク上での選手同士の激しいぶつかり合い、ゴール裏側のエリアも生かして攻撃できるという面白さなどを教えてくれた。

 

また、アイスホッケーで使用するスケート靴は、フィギュアスケート用の靴とは違い、小回りが利きやすいようにブレード(刃)の氷への接地面積が狭くなっているという。このため、非常に緻密で高度なスケーティング技術を備えてプレーしていることにも気づくことができた。

 

新チームとして始動する後輩たちに向け、3選手は「プレッシャーを感じずに、新しいキャプテンの色にチームを染めていけばいい」とエールを送った。それぞれの活動に打ち込んでいる学生にとって、先輩方が築いた伝統や実績は励みにもプレッシャーにもなり得るだろう。そして一番大事なのは「今、自分たちが自分たちらしく、いかに努力を重ねるか」ということを再認識できた取材となった。

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