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2025.08.19

団結力と自己犠牲の精神 「1部復帰」目指す
秋の関東大学リーグ戦へ 燃えるラグビー部

学生記者 小保方愛香(法4) 松岡響紀(経済2)

  • アスリート
  • ゼミ・サークル

ラグビー部が秋の関東大学リーグ戦に向けて闘志を燃やしている。2021年にリーグ戦1部から降格、2部優勝の2024年シーズンは関東学院大(1部8位)との入れ替え戦に惜敗し、あと一歩で復帰を逃した。「今季こそ1部昇格」と気合を込める百瀬祐主将(理工4)ら部員の声、意気込みを紹介する。(各選手のプレー中の写真はラグビー部提供)

(写真左から)須田龍之介選手、畔地毅選手、百瀬祐主将、榎田大志主務

選手名、学部・学年、身長・体重の次はポジション、出身高校の順。質問項目は次のとおり。

 

Q1  秋のリーグ戦の目標を教えてください。達成のために必要なことは何ですか

Q2  チーム状態をさらに上げていくのに必要なことは何ですか

Q3  自分自身の強みや特長、また「ここを強化したい、改善したい」という点はありますか

Q4  最も印象に残っている試合を教えてください

Q5  ラグビーの魅力を言葉にすると、どのような内容になりますか

百瀬祐(ももせ・ゆう)主将  

理工学部4年 186センチ・109キロ

FW ロック 神奈川・桐蔭学園高

 

A1  2部優勝と1部昇格。前年の悔しい思いをバネに、個人練習など毎日の小さな行動を継続して積み重ねていきます。

A2  攻撃の組み立て方などチームが実践したい「絵」を共有する。後輩が先輩に声をかけやすい雰囲気を作るなど、何でも率直に言い合えるようにしたい。

A3  (ゲームの勝負どころとなる)後半の後半になったときのチームへの気配り。きつい状況で、技術うんぬんよりもフィールドの14人への声かけ、アプローチを大事にしたい。

A4  2024年の1部・2部入れ替え戦。最後の最後に甘さが出てしまい、悔しい思いをしました。

A5 ラグビーの自己犠牲の精神が好きです。人と人が助け合う、人間らしさにあふれた競技だと考えています。

 


 

 

畔地毅(あぜち・たけし)選手 

総合政策学部4年 187センチ・120キロ

FW プロップ 東京・大東文化大一高

 

A1 最上級生の役割を全うして2024年にかなわなかった1部昇格を果たす。意思統一を図り、秀でた選手が多くないからこそ、例年以上に団結力が必須になります。

A2 ラグビーの根幹である自己犠牲の精神から選手同士の信頼が生まれます。その関係を深めていくことが重要だと考えています。

A3 1年生からの試合出場の経験を生かした指導力と、「考えていることをしっかり伝える」という言語化能力。言語化能力は3年生でスクラムリーダーになって以来、意識しています。

A4  2024年の1部・2部入れ替え戦です。後半25分過ぎから出場しましたが、先輩たちの最後の試合で、自分の役割を果たせなかった悔しさが残りました。(今季は)絶対に後悔で終わらせたくありません。

A5 スクラムのぶつかり合いに注目してほしいです。

百瀬祐主将

畔地毅選手

選手名、学部・学年、身長・体重の次はポジション、出身高校の順。質問項目は次のとおり。

 

Q1  秋のリーグ戦の目標を教えてください。達成のために必要なことは何ですか

Q2  チーム状態をさらに上げていくのに必要なことは何ですか

Q3  自分自身の強みや特長、また「ここを強化したい、改善したい」という点はありますか

Q4  最も印象に残っている試合を教えてください

Q5  ラグビーの魅力を言葉にすると、どのような内容になりますか

榎田大志(えのきだ・たいし)主務  

法学部4年 主務 茨城・茗渓学園高

 

A1 非常に厳しいシーズンになると予想しています。学生スタッフとして、チームの雰囲気を含めた環境づくりに励みたい。15のポジションが互いに信頼し合うため、「本音」を言い合えるかどうかが重要です。

A2 チーム状況は良くなっていますが、春シーズンが終わり、「慢心」が一番怖いです。「これでいいや」という思いが生まれると、夏に強化してくる他大学に差をつけられるだろうと危惧しています。

A3 前年まで選手として出場、今年度から学生スタッフとして活動し、自信と行動力があることが強みです。チームのスポンサー獲得やクラウドファンディングにも取り組んでいます。部活動の運営に関する事柄を今以上に選手と共有し、資金面などで支えてくれている保護者やOBに感謝するラグビー部にしたいです。

A4 2024年の1部・2部入れ替え戦です。(自身にとって)スターターとして出場した人生最後の試合が後悔で終わってしまい、同級生や後輩には同じ思いをしてほしくないです。

A5 勝つために自己犠牲を惜しまない選手の姿に注目してほしいです。

 


 

須田龍之介(すだ・りゅうのすけ)選手  

法学部3年 175センチ・82キロ 

BK スクラムハーフまたはスタンドオフ 大阪桐蔭高

 

A1 自分たちがやっていることを信じ、すべての試合を全力で戦い、(相手を)圧倒しなければならないと思っています。

A2 個々の能力が低いからこそ、全員が役割を高いレベルで全うしないといけない。15人で戦うスポーツで、個人の力は弱くてもチームとして良い結果は残せます。

A3 ラックやモールで最初にボールを触るなど、ゲームメイクという役割を任されているからこそ、一つのミスがピンチを生んでしまいかねないことを大学の2年間で学んできました。最適なプレーを選択できるようにし、プレーの精度も高めたいと考えています。

A4 高校3年で経験した花園(全国高校ラグビーフットボール大会)です。ラグビーの楽しさと、負けを経験したことによる悔しさを知りました。

A5 仲間のために、命を懸けてボールを前に運ぶスポーツです。

須田龍之介選手(中央手前)

2024年関東大学リーグ戦2部 中央大学戦績

 

○ 中央大51 - 31 國學院大 ● (9月15 日)

● 中央大17 - 19 山梨学院大 ○ (9月22 日)

○ 中央大97 - 0 国士舘大 ● (10 月6日)

○ 中央大60 - 31 朝鮮大 ● (10 月13 日)

○ 中央大40 - 31 専修大 ● (10 月27 日)

○ 中央大31 - 24 拓殖大 ● (11 月10 日)

○ 中央大55 - 14 白鷗大 ● (11 月24 日)

 

1部・2部入れ替え戦(12 月15 日)

● 中央大(2部1 位) 38 - 49 関東学院大(1部8位) ○

 


 

 

「騎虎」スローガンにチーム一丸

中央大学学友会体育連盟ラグビー部

 

1924(大正13)年創部。監物弘仁監督。百瀬祐主将(理工4)。部員数68 人(選手60人、マネジャー8人)。2021年の関東大学リーグ戦1部・2部入れ替え戦で敗れ、ラグビー部史上で初めて2部に降格した。チーム全員が猛烈な勢いで1つの方向に突き進むという気持ちを込めた「騎虎」をスローガンに、一丸となって今季こそ1部復帰を目指す。

 

【取材後記】
情熱的で誠実 本気でラグビーと向き合う
等身大の自分を語る姿が印象的
学生記者 小保方愛香(法4)

 

取材を終えた今、私の中で中央大学ラグビー部への印象は大きく変わった。私は体育連盟女子ラクロス部の一員として日頃からラグビー部とグラウンドを共有しており、練習後にはグラウンド外で準備をしているラグビー部の選手の姿を目にしていた。真剣な表情や鍛え上げられた体格から、どこか自分とは違う世界にいる存在のように感じていたのが正直なところだ。

 

しかし、今回の取材で出会った選手たちは、礼儀正しく、情熱的で、そして何よりも誠実な姿勢を持った人たちだった。一人ひとりがしっかりと自分の考えやチームへの思いを言葉にし、質問にも真正面から向き合ってくれた。誰一人として取り繕う様子はなく、等身大の自分として本音を語る姿がとても印象的だった。自分の強みや課題、チームの目指す方向まで、曖昧さのない言葉で話してくれたことで、選手たちの内面や人間性が自然と伝わってきた。

 

また、ラグビーという競技を支えているのは、プレーの技術や体力だけではないことも強く感じた。仲間との信頼関係や、自己犠牲の精神、支えてくれる周囲への感謝の気持ち。それぞれが当たり前のように語る姿から、ラグビー部の文化や空気が垣間見えた気がした。取材を通して、言葉や考えに触れる中で、これまで感じていた距離や印象は自然とほぐれていった。

 

取材の最後に「学生へのメッセージを」と頼んだところ、4人それぞれが自分の経験を踏まえたメッセージを語った後、「ラグビー部は怖くありません!」と笑顔で声をそろえて伝えてくれた。その一言には、彼らが築いてきたチームの雰囲気や人柄の良さがにじみ出ていて、とても印象に残っている。

 

壁のない雰囲気、あたたかい空気、そして本気でラグビーと向き合うまなざし。そのすべてが、中央大学ラグビー部の魅力であると感じた。4年生にとってはラストイヤーとなる今、彼らがどんなストーリーを描いていくのか、とても楽しみであり、心から応援したいと思う。そして私自身も同じく大学生活最後の年を迎える中で、今回の取材は大きな刺激となり、「自分も頑張ろう」と素直に思えた。背中を押してくれたこの時間に、心から感謝している。

【取材後記】
好きだからこそラグビーに打ち込める
やらされるのではなく、自ら行動しようとする姿勢
学生記者 松岡響紀(経済2)

今回の取材で、4人全員のラグビーに対する愛情、熱意を感じ取ることができた。ラグビーをする原動力はズバリ、「ラグビーが好き」「ラグビーがもっとうまくなりたい」という気持ちだという。ラグビーはその経験の有無にかかわらず、どちらかというと、「けがをしてしまうのでは?」という危険を伴うスポーツという印象が強いのではないだろうか。実は私も中学校時代、ラグビー部の体験入部でタックルの練習をした際、ものすごい勢いで体が飛ばされ、それが原因で入部しなかったという経験をした。

 

ラグビー部員は、けがを減らし、リスクを避けるためのトレーニングをもちろん行っている。リスクはゼロにはならないかもしれないが、百瀬祐主将は、「ラグビーが好きだからという気持ち」が原動力になり、競技に打ち込むことができるという。「自分の好きなものを大切にし、全力で取り組んでほしい」という後輩や、未来のラグビー部員への百瀬主将のメッセージも印象に残った。

 

これまでの自分自身の学生生活や、学生記者としての取材を通して、以前から感じていたことだが、やはり好きなものが明確に決まっているからこそ、「練習でできたことを試合で生かしたい」「絶対に相手に負けたくない」という向上心につながるのだと改めて感じた。そのためには、誰かにやらされるのではなく、自ら行動しようとする姿勢が大切だ。これは選手の皆さんも話していたことであるが、下級生ほど慢心してしまい、やらされる練習になってしまいがちで、そうした姿勢をどうやって脱却するかが重要になるという。

 

チームメイト同士が本音を言い合える雰囲気、お互いを人として信頼できる関係になることの大切さも改めて知った。自分の好きなことを見つけ、どのような姿勢で取り組まなければならないかを再考する良い機会になったと思う。

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