2025.04.08
女子卓球部の枝廣愛(まどか)選手(商4=大会当時3年)が、第20回全日本学生選抜卓球選手権大会(全日学選抜=2024年11月23~24日、新潟市東総合スポーツセンター)の女子シングルスで初優勝した。この1カ月前の全日本大学総合卓球選手権大会(全日学)ではシングルス準決勝で惜敗し、その悔しさをバネに勝ち取った初の全国タイトルとなった。
中央大学では2016年の山本怜選手以来2人目の全日学選抜女子シングルス優勝という快挙。「(大会終盤に)7ゲームマッチが続き、きつかったが我慢できた。守りに入らず、攻めの姿勢を貫けた」と勝因を話している。
写真提供:日本学生卓球連盟
女子シングルスを制した枝廣愛選手(写真提供:日本学生卓球連盟)
「うれしいよりも、びっくりという気持ちでした。家族やいろいろな人から連絡が来て、やっと(優勝の)実感がわきました」。優勝した直後の気持ちをそう振り返った。
決勝はゲームカウント4ー2で青井さくら選手(筑波大)を退けた。1カ月前の全日学の準決勝で惜敗した相手が同じ青井選手だった。この試合の悔しさが枝廣選手の底力、精神力を引きだしたといえる。
全日学の準決勝は、ゲームカウント3-3で迎えた最終ゲームでリードしながら逆転負けを喫した。目標の優勝に手が届かなかったショックは大きく、「少し燃え尽きてしまった感があった」という。
それでも、「全日学と同じことは繰り返さない。守りに入らず、攻めを貫く」と今回の決勝に挑み、今度は雪辱を果たした。競った展開で、全日学と同じように逆転されそうになる場面もあり、大会終盤の連戦続きで「最後は足に痛みもあってきつかった」というが、最後は気力を振り絞った。
1つ前の準決勝で、それまで勝ったことがなく相性の良くなかった岡田琴菜選手(愛知工業大)に初勝利し、決勝に向けて勢いがついたことも大きかった。
攻めの姿勢を貫いた枝廣愛選手(左)が頂点に立った
(写真提供:「中大スポーツ」新聞部)
写真提供:「中大スポーツ」新聞部
今回の優勝で周りから目標とされる存在となったが、今後は「(タイトルを獲得し)自信を持ってプレーできると思う。さらに上を目指したい」と話す。卓球選手に求められる能力を尋ねると、「考える力です」と教えてくれた。ゲーム全体やポイントごとのラリーの組み立てを考え、自身が得意の形に相手を引きずり込んでいく。対戦相手一人ひとりに対策を立て、試したい戦術がひらめくこともあるという。
ラリーの中でコースを狙って打つカウンターや、相手の球の勢いを利用して、威力を半減させたり変化させたりした返球で相手の体勢を崩す戦法、下回転がかかった球に対して下回転をかけて球を打ち返す技術「ツッツキ」が得意だ。そして、今以上に積極性をだし、「もっと自分から攻めて(ラリーの)早い段階で決められるようにしたい。ダイナミックにどんどん打っていく“怖さ”を出したい」と向上心は尽きない。
卓球を始めたのは3歳の頃。両親や祖父が経験者で、姉も先に始めていたため、自然に競技に親しむようになった。全日本卓球選手権マスターズの部で優勝経験のある父、一志さんも今回の優勝を喜び、褒めてくれたという。
中央大学には「自主練習をたくさんできる環境」にひかれて進学した。自ら進んで打ち込むことが実力アップにつながると考えている。学生の最終学年となる2025年は、春秋のリーグ戦や全日学のシングルスとダブルス、インカレ団体など、すべてのタイトル獲得を目標に、練習に励んでいくつもりだ。
全日学選抜を制した枝廣愛選手(左)(写真提供:「中大スポーツ」新聞部)
☆枝廣愛選手
えだひろ・まどか。岡山・就実高卒、商学部4年。Tリーグのチーム「京都カグヤライズ」にも、姉の瞳選手とともに姉妹で所属している。
2024年第20回全日本学生選抜卓球選手権大会
(11月23、24日、新潟市東総合スポーツセンター)
〈枝廣愛選手 優勝までの道のり〉
▶女子・第1ステージBブロック(総当たり戦)
ゲームスコア 対戦相手
3-1 牧野里菜(筑波大)
3-0 小野田萌菜(金城大)
3-1 寺西沙莉奈(新潟医療福祉大)
3-0 石橋優奈(熊本学園大)
3-0 小野寺美羽(札幌国際大)
▶女子・第2ステージ(トーナメント)
▽1回戦
4-1(11-7、12-14、11-7、11-3、11-4)中谷理菜(立命館大)
▽準々決勝
4-0(11-3、11-9、11-3、11-9)髙橋あかり(中央大)
▽準決勝
4-2(7-11、11-6、11-3、3-11、12-10、14-12)岡田琴菜(愛知工業大)
▽決勝
4-2(9-11、11-9、12-10、12-10、6-11、11-8)青井さくら(筑波大)
写真提供:日本学生卓球連盟