■このコンテンツは読売中高生新聞(2023年1月27日)に掲載された「中央Days!」企画の内容を一部修正して掲出しています。
複数の分野の学びを活用して、多様化する社会の課題にアプローチする力を養う総合政策学部。英語以外にも9言語を学習でき、国際的な視野を広げる学びも特色になっている。
吉田さんは2年から、文化人類学や社会学の視点からインドネシアを研究するゼミに所属している。インドネシアは多様な文化・民族・言語が共存する国だが、そうした多文化共生社会を研究することで「自分たちの生活や暮らしに生かせることがあるのではないか」と考えた。
その活動の中で関心を持ったのが、イスラム教徒が9割を占めるこの国で、女性の社会進出がどのように捉えられているのかということ。現地に足を運んで行うフィールドワークが通常の研究手法だが、コロナの影響からオンラインでの聞き取り調査を行った。
話を聞いたのは厳格な宗教学者から女性の活躍推進活動を行う人まで、多様な背景を持つ7人。吉田さんは第2外国語として学ぶインドネシア語を駆使してイスラム教徒の価値観に迫った。様々な考えがあったが、わかったのは女性を大切にしたいという思いは皆に共通していること。「女性には家にいてほしい」という考えも、その思いのあらわれだった。
文化や宗教が異なっても同じ人間として向き合うことの大切さも実感した。「違いを否定するのではなく、その奥にある理由や思いを知ろうとする好奇心が多様性のある社会を生きるカギではないか」。今後の人生でも「情報を鵜吞みにしないで、主体的に見聞きし考えることを大切にしたい」と吉田さん。異文化の探究から得た学びを成長の糧にする。
インドネシアに興味を持ったのは高校生の時。文化祭でフェアトレードショップを開き、東南アジアの民族の工芸品の美しさに魅せられたのがきっかけだった。大学進学後は研究対象にするだけでなく、インドネシア人との交流サークルに所属し、友人もたくさんできた。文化の違いにとまどうこともあるが「良い人間でありたい、他者とのつながりを大切にしたい」というその価値観に敬意を抱く。
「人と人とが出会い、互いに助け合い学び合うことが『豊かさ』だと思う」と吉田さん。卒業後はメーカーに就職し、共生を社会に広げる種になるような商品の開発をめざす。
働くのは店主がベトナム人、お客さんもベトナム人が訪れるというお店。ここでも異文化と向き合う。自分がおもてなしと思うことも、そう受け止められないことがあるので、相手の気持ちを尊重しながら接するように努めている。
学食のメニューを開発し、売上の一部をNPO法人を通じて開発途上国の子どもたちの給食につなげている。さらにその活動を発展させ、近隣農家などと協力して商業施設のカフェとのコラボメニュー開発にも取り組んだ。
最新リモート技術を活用した新規事業を考えるインターンシップコンテストに参加。様々な年代・国籍の人への取材から「リモートで実現できる『人の願い』」を探り、新しい会食サービスを提案し、見事優勝した。
授業で行うフィールドワークでは対象地域に赴き、その場で得た情報を、ちょっとした気づきも含めて記録していく。そのために使うフィールドノートが吉田さんのマストアイテム。使い込むごとに愛着もわいてくる。
※3年次のもの
1 | 東南アジア史 | 臨床心理学 | Lecture(英語の講義) Introduction to Islamic Culture and Thought |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
2 | 開発経済学 | 比較宗教学 | 就活や インターンシップなど |
東アジア社会文化論 | 政策過程論 | |
3 | マレー・インドネシア語 | 法人類学 | ||||
4 | マレー・インドネシア語 | ゼミ | 家族社会学/家族 | |||
5 | ||||||
6 | ||||||
授業後 | サークル | インターンシップ | サークル | ゼミの研究プロジェクト | アルバイト |