中央Days!「読売中高生新聞」掲載

  • 第5回 文学部
  • 人文社会学科
    社会学専攻2年
  • 加賀 莉里花さん(20歳)

社会を多角的に見る力養う

■このコンテンツは読売中高生新聞(2023年1月20日)に掲載された「中央Days!」企画の内容を一部修正して掲出しています。

古典理論から新発想

現代社会を分析し、様々な課題を解決する力を養う社会学。その中でも加賀さんは、子どもの頃から地元のボランティア活動に携わっている経験から地域社会学に関心を寄せている。3年生になる来期から専門的な学習や研究が始まるが、現在はその準備段階として社会学の基礎的な知識を学んでいる。
加賀さんが特に熱心に取り組んでいることの一つが、様々な社会理論の学び。社会学が対象にする範囲は広く、生活に関わるすべてが関係しているともいえる。家族、恋愛、仕事といった身近な問題も例外ではなく、そうした理論を通じて思いがけない視点を得られるのが興味深い。
例えば自殺の問題。個人の内面と結びつけて捉えるのが一般的だろうが、フランスのデュルケームという社会学者は社会からの影響という観点で考察した。自分の意思と思えるものも、外部から支配されている部分があるという考えに驚いた。
また、「推しの学者」と加賀さんがいうのが米国で活躍した学者、ゴッフマン。人間は誰もが舞台上にいるかのように演技していて、相手によってその演技を使い分けているというのがその主張だが、「自分のことを振り返っても、とても納得できる」。
書物や講義だけでなく取材やアンケートを通じて社会の様相をつかむ社会調査の手法も学んでいる。書物と現実世界を行き来しながら、社会を多角的に捉える力を鍛えている。
「どんなものでも学問に昇華できるのが社会学の魅力」と加賀さん。そこから自分ならではのテーマを掘り下げて、4月からの専門的な学びにつなげる。

HISTORY

生きづらさが社会への関心に

加賀さんは社会学専攻に向いている人として、社会課題に関心がある人とともに「生きづらさを抱えている人」を挙げる。加賀さん自身、小学生の時に給食が苦手だったことがきっかけで学校に行きたくない時期があった。そのつらさを自問する中で、常識を重んじる日本の文化や社会への興味につながり、大学での学びに発展させたいと考えた。
こうした社会に対する意識を共有する仲間は同じ専攻に多く、日常生活の何気ない疑問をめぐる会話が白熱した議論になることも。自由闊達な会話から、社会をよりよいものにするためのアイデアが生まれるかもしれない。

Question and Answer

  • Q. 学部の“あるある”は?
  • A. 少人数の授業

先生との距離が近いので、コミュニケーションをとりやすい。授業中、気になったことは臆することなく質問でき、先生も手厚くケアしてくれる。同じクラスの生徒ともすぐに親しくなれる。

  • Q. おすすめの学内制度は?
  • A. 統計ソフトの提供

授業で社会調査を行う際、様々なアンケートをとるが、そのデータをSPSSという統計専門ソフトを使って分析している。このソフトを自分のノートPCに無料でインストールして、どこでも作業ができる。

  • Q. サークル活動は?
  • A. ハロプロサークル

「ハロー!プロジェクト」の人気アイドルの歌と踊りを、1年に1回、学園祭で披露する。同じ趣味を共有する仲間との会話は楽しく、一緒に大好きなパフォーマンスができる時間は何事にもかえがたい。

  • マストアイテム

    社会調査のデータを写真や動画、音声として記録するのにスマホは不可欠。また、日常生活で気づいたことは何でもメモ帳に書きとめている。1年次に出場した英語のプレゼンテーション大会で2位に入賞したが、そのテーマもメモから生まれた。

スケジュール

1 教育心理学 社会調査法
2 学校臨床心理学 地域社会学 社会学史
3 現代社会研究 文献購読 oral communication
4 比較社会学 日本の思想の歴史
5
授業後
大学の授業など