■このコンテンツは読売中高生新聞(2023年2月17日)に掲載された「中央Days!」企画の内容を一部修正して掲出しています。
国際情報学部は通称「iTL」という。Information Technology & Low(情報技術と法)の略だ。ITの仕組みについて学ぶとともに、IT社会の法、例えば自動運転車が事故を起こした場合、誰が責任を負うのかといった、社会の新たなルールや倫理の問題と向き合う。理系と文系の枠を超えた学びで、これからの社会が直面する課題を解決するために必要な能力を身につけていく。
松倉さんは「IT×教育」というテーマに関心を寄せる。きっかけはコロナ禍が始まった頃、当時小学生だった松倉さんの弟が、オンライン授業に気が乗らない様子だったこと。「オンライン環境でも楽しく勉強に集中できないものかと思った」と語る。
IT技術を使ってどうすれば効率的に学習できるかを探るため、哲学の視点から生徒の心理にアプローチしたり、海外の教育法を学んだりした。現在は小学生を対象にした映像授業の研究に取り組む。
松倉さんは、日本人には個人より集団で学習する方が合っているのではないかと仮説を立てた。その上でVR(バーチャルリアリティー)ゴーグルをつけて二つの映像を見比べた時、どちらが学習しやすいかを検証しようとしている。一つは先生と対面で授業を受ける形になる従来の映像、もう一つは首を横に向けると他の生徒が視界に入る3D映像だ。IT機器を使いながら圧迫感を感じずに勉強できる方法も探りたいという。
こうした研究について「従来の教育法を変革できるかもしれない楽しさがある」と松倉さん。将来は様々な選択肢を視野に入れながら、教育分野の仕事に関わりたいと考えている。
子どもの頃からPCに親しんでいた。初めてPCに触れたのは小学1年生の時に入ったクラブ。最初はゲーム中心だったが、次第にITに関心を持つようになった。高校は文系コースだったが、数学も好きで理系分野も学びたい思いがあり、国際情報学部に進んだ。
大学では現在、ITを活用した教育の研究に力を入れるが、ITの仕組みについても、プログラミング言語をはじめ様々な基礎知識を授業で学んでいる。技術の進化が著しいIT分野。「最先端のことを学びたい人にはおすすめの学部です」と未来の後輩にアドバイスする。
小学生にプログラミング言語を使ったゲームなどの作成を指導。間違いを恐れさせないことが重要という大学で学んだことを生かし、教え過ぎない授業を実践。「自分で作った」という実感が自信につながるのを感じている。
国際情報学部専用の市ヶ谷田町キャンパスは都心にそびえる近代的なビルで、顔認証の入館システムなど最新設備を備える。4階には心地よいテラスがあり、晴れている時には友だちと昼食を食べに行くことも。
学校の依頼に応じて出張授業を行う学生団体に所属。小学校でプログラミング授業を行った時は教材作りも手掛けたが、意図通りに伝わらないもどかしさを感じた。中高生に向けてITモラルの授業を行ったこともある。
タブレットとタッチペンが欠かせないという松倉さんの学びはペーパーレス化が進む。授業で共有される資料などに書き込みをしたい時には、紙に印刷することなくタッチペンを使って画面に“記入”している。
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