■このコンテンツは読売中高生新聞(2023年2月10日)に掲載された「中央Days!」企画の内容を一部修正して掲出しています。
グローバルな視点からビジネスの専門知識を学ぶ国際経営学部。その中で金子さんが熱心に取り組んでいるのが、日本の商品をどのように海外で売るかを考えるグローバルマーケティング論。授業はすべて英語で行われる。
販売戦略を立てる時に大切になるのが、商品を売る国や国民性などをしっかり分析すること。分析の手法には様々なものがある。例えばProduct(商品)、Place(場所)、Price(価格)、Promotion(販売促進)の視点を使った4P分析。企業や組織の特性や市場の状況などを評価するSWOT分析という手法もある。
授業ではこうした考え方を用いて、特定の商品を海外で販売するための戦略をグループで議論しながら立案し、皆の前で発表する。ある授業では、インドネシアで高価な日本製の眼鏡をどう売るかを考えた。金子さんのグループが着目したのがインドネシアに農業従事者の割合が多いこと。農業従事者は目への影響が指摘される紫外線に長くさらされるが、将来的に重い病気になるリスクを考えれば、UVカット眼鏡の利用がかえって経済的になるのではないか。そんなユニークな視点から戦略を練った。
「グループごとに着眼点が違い、新しい視点が学べておもしろい」と金子さん。ほかの学生の意見が刺激になっているという。また、教科書では学べない、グローバルビジネスの現場を想定した「実践的な授業が魅力」と語る。金子さんは海外で活躍したいという夢を持つが、この学びが「将来のためになっているのを実感している」と目を輝かせる。
日系ペルー人の金子さんは家族との会話はスペイン語。ポルトガル人のクラスメートが多かった小学校でポルトガル語を身につけた。これに日本語と英語を加えた4か国語を話せる。大学では英語力を向上させたいという思いがあったが、コロナ禍で海外留学が難しかったため、国内でも海外にいるような環境を求めて国際経営学部に進学した。実際、同学部は7割の授業が外国語で行われ、教員も多国籍、海外からの留学生も多い。そういう環境で語学が上達しているのを感じるだけでなく、日常的に異文化に触れられることもメリットと感じている。
SNSなどを駆使して、開設4年目と歴史の浅い国際経営学部の魅力を発信する学生団体「MANA」=写真=に所属。金子さんは主にインスタグラムを担当し、授業内容や受験生へのアドバイスなどを定期的に投稿している。
留学生が多く、垣根なく親しくなりやすい。金子さんはスウェーデンや中国からの留学生と特に仲が良い。学部専用のラウンジがあり、「空きコマ」と呼ばれる授業のない時間などに集まって親交を深めている。
講義による授業と、留学や海外インターンシップなどを組み合わせた全学共通のグローバルFLPというプログラムがある。金子さんはこのプログラムを利用し、3年生で海外企業でのインターンに挑戦したいと考えている。
金子さんにとって大切なアイテムがノートだ。授業中にわからなかったところをメモしておき、後で先生にたずねたり自分で調べたりして理解の漏れをなくすようにしている。試験対策で重要なポイントをまとめる時にも使う。
1 | マーケティング | アカデミック英語α | ||||
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2 | 数学 | 空間経済 | ||||
3 | 国際経営論 | 中国語 | 学生団体の活動 | ヨーロッパ経済史 | ||
4 | 比較経営論 | コーポレートガバナンス | 中国語 | 国際協力論 | ||
5 | アカデミック英語β | 国際経営論 | グローバルマーケティング論 | |||
6 | 学生団体の活動 | グローバルマーケティング論 | ||||
授業後 |