仮想通貨は窃盗罪の
対象外!?
時代に合った
法律づくりのヒントは
歴史の中にある!

Professor
Voices

教員インタビュー

法学部 山口 亮介 准教授

メディアでも多く取り上げられた
仮想通貨の不正な利用が、
刑法上の窃盗罪には該当しないことは
あまり知られていません。
その理由と解決策は、法律の歴史を
紐解くことで見えてくるのです

時代の流れとともに変わっていく、法律の定義

近年、仮想通貨など “形のないモノ” を不正アクセスなどの手段で盗みとる事例が増えています。
しかし、窃盗罪の対象となる「財物」は基本的に有体物に限られ、電子情報である仮想通貨そのものは該当しません。刑法の罪刑法定主義の原則では、現行法に定められていない内容で処罰できません。そのため、窃盗罪の適用ができないのです。
ところで、「財物」をめぐる議論は過去にも提起されています。文明開化を迎えた明治期の日本では、電線などを通じた電気の不正利用が頻発。これに対処すべく、西洋の法解釈論や電気工学の専門知識を踏まえた議論が進められ、結果的に、現行刑法の窃盗及び強盗の罪の中に「電気は、財物とみなす」という条文が盛り込まれることになったのです。

法律の歴史を知ることが、問題解決のヒント

技術の進展などにより発生する問題は、今後も増加していくと考えられます。このため、時代に合った法律のあり方を議論することが必要です。
問題解決の糸口は、法律や判決の形成の過程にも求めることができます。
先人は新時代の未知の問題に直面したとき、どのようにこれを乗り越えたのか、また私たちは今後どうすれば問題を解決できるのか。過去の蓄積を現在に、そして未来に活かす視点を法学部では養っています。