2027年4月のスポーツ情報学部(仮称)、2028年4月の情報農学部(仮称)の開設は、多摩キャンパスの大きな転換点となります。人文・社会科学系を軸に発展してきた多摩キャンパスに、新たに理系・デジタル分野を取り入れる。スポーツや農業という人間の営みと直結した応用領域を対象に定め、情報科学・テクノロジーの知見をどう活用するかを学ぶ̶̶まさに文理横断・融合型の教育を、総合大学の強みを生かして展開するということです。
スポーツ情報学部では、AI・データサイエンスと経営学・経済学を文理横断的に習得し、スポーツ分野のデータ活用人材を育成します。スポーツデータの分析は技術習得にとどまらず、社会構造を発見し、データを通じて世界の解像度を上げる知的体験です。企業・地域団体と連携したPBL型教育により、理論と実践の往復を通じて課題解決能力を養います。
情報農学部は、経済発展と環境保全の両立という現代社会の根本的課題に向き合い、農学と情報科学・最先端技術を融合させた人材を育成します。農業現場との実践的連携を通じ、問題発見力・実行力を培うとともに、法制度や国際的課題にも目を向けたカリキュラムを提供します。この両学部の学びは、やがて生命システムと環境・社会の接合部分という共通のフィールドで進められ、将来的には大学院レベルの研究領域が形成されるでしょう。
AIの急速な発展により、専門知識の価値構造は変わりつつあります。今求められるのは、急激な変化の現場に自ら踏み込み、理論と実践を往復しながら新たな価値を生み出せる人材です。法律を学ぶなら事案の社会的背景を探り、会計を学ぶならテクノロジーが変えつつある企業実態を現場で見る。農業・スポーツなら現場で課題を発見し、情報科学や工学のメソドロジーでアプローチする。こうした経験の積み重ねが、どの時代にも通用する「行動する知性。」の基盤になります。
中央大学は複雑な課題を自ら発見し、他者と協働しながら解決できる人材の育成を目指しています。今後も新学部構想をはじめ伝統的な教育の軸もより充実させ、難関資格での実績の維持と日本の経済社会・産業構造の強化に貢献する人材育成に本腰を入れて取り組んでいきます。
中央大学は、「学びたい」という意思を受け止め、それを社会への貢献につなげることを大切にしてきた“育てる大学”です。未来の教育・研究、そして社会貢献に向けた本学の取り組みを共に支え、その担い手として自らも成長をめざす意欲ある学生に出会えることを期待しています。
1958年東京都生まれ。1977年中央大学附属高等学校、1981年中央大学商学部を卒業後、同大学院商学研究科博士前期課程修了。1996年中央大学商学部助教授、2000年商学部教授。2011年中央大学商学部長(2015年10月まで)、2018年中央大学副学長(2019年3月まで)。2018年から国際経営学部の新設に携わり、2019年国際経営学部長・教授に。2021年5月、中央大学学長に就任。関連学会役員、日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、大学コンソーシアム八王子会長など公的社会活動を歴任。(2026年3月現在)