学長メッセージ

学長 河合 久(かわい ひさし)

「開かれた大学」として
中央大学の新時代が始まる

予想だにしない出来事が発生し、世界情勢や経済が大きく様変わりする昨今、大学生活を通して学んでいただきたいのは、「変化に向けた心構え」にほかなりません。
中央大学は「實地應用ノ素ヲ養フ」という建学の精神を掲げています。「素」とは社会に応用できる力の素地であり、知識教養はもちろん、さまざまな体験や人との交流の中で培われるコミュニケーション力や議論する力、総合的な判断力、そして学び続ける力のことです。どのような時代にあっても通用する建学の精神のもと、本学は常に実社会を支え、未来を拓く人材を世に送り出してきました。今日ではその伝統を「行動する知性」を育むというユニバーシティメッセージとして受け継ぐとともに、新時代の到来に対応する人材育成や研究教育を進めています。

特に目下は、「グローバルな視野と実地応用の力を備え、人類の福祉に貢献する人材の育成」をミッションとする中央大学中長期事業計画「Chuo Vision 2025」に取り組んでいます。2023年春にはその中で構想した二大キャンパス制が実現し、中央大学の新時代が幕を開けます。法曹教育の新たな拠点となる茗荷谷と駿 河台、文理融合を推進する後楽園と市ヶ谷田町の4つのキャンパスが「都心キャンパス群」としてさらに充実し、グローバルキャンパスとして進化する「多摩キャンパス」と並び立つのです。これにより、本学が産学官連携などを通して高度専門職業人教育を推進するためのハブ(拠点)機能がより整います。またすべてのキャンパスでICTを活用します。複数のキャンパスが分散ではなく連携して有機的に発展するために、オンラインとリアルの良さを活かしつつ、DX(デジタルトランスフォーメーション)ベースにより、時間的・空間的制約を超えた教育、研究、社会貢献を行う「開かれた大学」を実現します。

大学の使命は、学生の皆さんが夢や志を持ち続けることを可能にする学修支援を怠らないことにあり、本学は常にこの点に注力しています。さらに教職員との距離の近さや組織的な支援体制からくる面倒見の良さも本学の魅力です。恵まれた環境を通して得た「学ぶ姿勢」や「チャレンジする精神」は、卒業後も継続されると確信しています。

学長
河合 久(かわい ひさし)

【略歴】
1958年東京都生まれ。1977年中央大学附属高等学校、1981年中央大学商学部を卒業後、同大学院商学研究科博士前期課程修了。1996年中央大学商学部助教授、2000年商学部教授。2011年中央大学商学部長(2015年10月まで)、2018年中央大学副学長(2019年3月まで)。2018年から国際経営学部の新設に携わり、2019年国際経営学部長・教授に。2021年5月、中央大学学長に就任。関連学会役員、日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、大学コンソーシアム八王子会長など公的社会活動を歴任。(2023年3月現在)