グローバル化や多様化はますます進展し、Society5.0によって誰もが世界で起きている出来事をリアルタイムに入手できるようになりました。私たちはこれから、現実世界としての「フィジカル空間」と仮想空間としての「サイバー空間」の両方に同時に身を置くことになります。このような時代にあって、直面するさまざまな課題を的確に解決するために求められるものが「知性」です。
「知性」とは「知識」そのものとは異なります。課題を複眼的視野で見る観察力やデータを駆使する分析力、他者とのコミュニケーションを経たうえでの判断力などと結びつくことで「知識」は「知性」のレベルに昇華します。「知識」を「行動」をもって検証し、ソリューションに変換する知的作用こそが「知性」と呼ぶべきものです。中央大学は、「行動する知性。」を旨とし、Society5.0の時代、そしてグローバル化と多様化がさらに進むこれからの社会に貢献できる人材を育成しています。
多摩キャンパスは、緑豊かな環境の中で多彩な学問領域を提供するグローバルキャンパスです。一方、都心キャンパス群は、茗荷谷・後楽園・市ヶ谷田町の近接エリアに、より専門性が強い学部を集約した一大キャンパスとして、特殊分野で活躍するスペシャリストを養成しています。
さらに2026年度からは、国の文教政策に応じた理系人材の充実を図るため理工学部を再編し、「基幹理工学部」「社会理工学部」「先進理工学部」の3学部体制に改める計画です。これによって、本学が養成する理系人材像を学問領域別により明確に示していきます。また今後は、「スポーツ×デジタル」と「グリーン×デジタル」の2つの学問領域にも焦点を当て、日本の成長分野に資する人材の養成を目指します。
中央大学はこれら知の二大拠点から、教育の場を学内キャンパスに留めることなく、外国大学や研究機関、日本国内の地方産業・行政・教育機関との連携を強化し、知識と知性を磨く機会を提供します。大学での学びを4年間と限定せず大学院への進学まで視野に入れ、グローバルな視点から社会や人間に幸福をもたらすような人物になりたいという気概のある学生が集う、日本有数の高等教育機関を目指しています。
1958年東京都生まれ。1977年中央大学附属高等学校、1981年中央大学商学部を卒業後、同大学院商学研究科博士前期課程修了。1996年中央大学商学部助教授、2000年商学部教授。2011年中央大学商学部長(2015年10月まで)、2018年中央大学副学長(2019年3月まで)。2018年から国際経営学部の新設に携わり、2019年国際経営学部長・教授に。2021年5月、中央大学学長に就任。関連学会役員、日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、大学コンソーシアム八王子会長など公的社会活動を歴任。(2025年3月現在)