法学部通信教育課程の歴史は英吉利法律学校創設時から始まります。
英吉利法律学校では、学校へ通うことが困難な人に教育の機会を与えるため校外生(在外生・在外員)制度を開設します。各界で活躍する卒業生を多数輩出しますが、1920年に旧制大学として認可されたことで廃止されることになりました。
1948年、法学部の門戸を広く社会に開放することを目的として、法学部に通信教育課程を開設します。戦後の混乱期において、1949年の『白門』創刊、1953年の信窓会(卒業生同窓会)結成、1961年の通教文庫設置など社会の要請に応える展開をしました。
近年は2003年のリアルタイムスクーリング、2020年のオンラインスクーリング開講といったIT化や感染症への対応等、社会状況に応じた展開をしており、2023年には創設75周年を迎えています。
英吉利法律学校と通信教育 English Law School and Distance Learning
1885(明治18)年に創設された英吉利法律学校では、校外生(在外生、在外員)制度を設けることが明記されていました。1901(明治34)年の東京法学院在外員募集広告には以下の趣旨が記されています。
遠隔の地方にあり、または業務のため参院して親しく本院の講義を聴くこと能わざる者のため、特に在外員の制を設け、本院発兌の講義録を頒って修学の便を与う。
「校外生」は、1889年の東京法学院改称の際に「在外生」、1892年の学則改正で「在外員」と名前を変えます。しかし、大学に通うことが困難な者に修学の機会を与えること、そのために講義録を発行すること、という制度の趣旨は変わりませんでした。
1918(大正7)年に公布施行された大学令では、通信教育が教育制度から外れており、本学創設以来の通信教育制度は1920年に一度幕を閉じることになりました。
法学部通信教育課程 Distance Learning Division, Faculty of Law
1948(昭和23)年3月、社会教育法による認定を受けて通信教育制度が再出発します。これは、新制大学認可よりも先のことで、戦後の本学が通信教育制度の復活を重視していたことが分かります。この時は中央大学通信教育講座という名称でした。
本通信教育部は主として通信教育の方法に依って学術の理論と応用を教授し、その蘊奥を攻究せしめるほか、一般教養に関する諸学科を授けて文化の向上に資することを目的とする。(1948年、通信教育認定申請書)
翌年の新制大学発足により、大学教育としての通信教育が認可され、法学部通信教育課程としての歴史が始まります。
1948年の通信教育部学則制定、1949年の機関雑誌『白門』発行、夏期スクーリング開始、財団法人大学通信教育協会設立など、大学教育課程としての制度・運営が整備されていくことになります。
通信教育部の展開 The Development of Distance Learning Division
英吉利法律学校が英吉利法律講義録の発行に力を尽くしていたように、当時の通信教育には教科書の発行が必要でした。活版印刷で多くの教科書が発行されており、原版の複製に使う紙型なども残されています。展示資料は、1958年の吾妻光俊『労働法』の紙型と、紙型を基に造られた鋳型で印刷されたと考えられる『労働法』の教科書です(巻数は違います)。
1958(昭和33)年、通信教育部は創設10周年を迎えました。記念式典が開催されるとともに、『白門』では10年を振り返る特集号が発行されています。創設以来の通信教育部の歴史が振り返られています。
1998(平成10)年の創立50周年では、通信教育部50年のあゆみを祝いました。『中央大学通信教育50年』、色紙(総長髙木友之助)、功労者への記念置時計、記念Tシャツ、記念ルーペなど、数多の記念品が作られ、盛大な記念式典が催されました。
通信教育部創設75周年 Distance Learning Division's 75th Anniversary
2023年に通信教育部は創設75周年を迎えました。
この間、2003年からはリアルタイム型メディア授業(現リアルタイムスクーリング)が開講します。多摩キャンパスと遠隔地とをテレビ会議システムで結び付け、同時・双方向に授業をおこなうことが可能になりました。
2005年からは、リアルタイムスクーリングを収録・編集した「オンデマンド型メディア授業」(現オンデマンドスクーリング)、2013年からはオンデマンドスクーリングの講義映像を教材として視聴できるようになりました。さらに、2020年からはオンライン会議システムで授業を同時配信するオンラインスクーリングを開始しました。こうした取り組みは、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた社会全体の状況下での教育活動維持にも活かされました。
2023年からは各種対面型スクーリングを交通の便が良い茗荷谷キャンパスで実施しています。今後も日々進化するIT技術を活用した学習環境の向上取り組んでいきます。
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