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概要

海浜事故は毎年約1,000件起きており,遊泳中の死者・行方不明者数は毎年100人を超える.また,海水浴場での救助は毎年1,000~3,000件であり,溺れの主要因は離岸流である.一方,約2,000名の小中学生を対象に行った調査結果によれば, 49 %が溺れの経験を有し,そのうちの47 %がプールでの経験であった.溺水の場合,迅速な救助と適切な応急処置,医療機関との有機的な連携による早期対応が,傷病者の社会復帰に強く影響する.しかし,溺水が原因とみられる傷病者の救命率の実態より,わが国では溺水の予防や救助に対して多くの課題を抱えている.本研究ユニットでは,多くの人がより安心して楽しめる水辺環境を整えるため,溺水防止や救助救命に関する様々な課題に対して,IoTやAI,ドローン,VR,ARなどの最先端技術を用いた科学的なアプローチにより解決策を検討し,3つのテーマの研究開発を進めている.

研究テーマ1;離岸流の発生をAIが検知し,海岸利用者やライフセーバーへ情報提供.さらにはAIが離岸流エリア内の要救助者を検知するとライフセーバーに救助要請し,自動飛行のドローンが要救助者をモニタリングするシステムの研究開発.
研究テーマ2;プールでの人の危険な行動,溺れにつながる状況,溺れが疑われる状況をAIが検知し,施設管理者や監視員に通知するシステムの研究開発.
研究テーマ3;自然水域やプールでの溺水事故データの分析と,VRやARを用いた水難事故防止コンテンツの研究開発.

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