「スマートサウンドデザイン研究ユニット」 質感の高いものづくりには,機能や性能の追求だけでなく,UX(User eXperience)向上のアプローチが不可欠である.本ユニットでは,快適かつ機能的な音環境を構築するスマートサウンドデザイン研究より,音響を活用しWell-beingで新たな価値の創生を目指し,以下の課題に取り組む.
●ふさわしい音/らしい音/あるべき音に関する研究 消費行動が「モノからコトへ」変化して久しいが,今後も体験価値への比重は高まる.そこで,音を発生する機器などの発音メカニズムに着目し,音刺激の根源を考慮した類型化に基づき,ふさわしい音,らしい音,あるべき音といった観点を含んだ新しい評価手法の確立を目指す.
●各種子音強調による高齢者の聞き取り改善 超高齢化社会では程度の差こそあれ年齢と共に難聴が進み,音声が聞き取り難いと感じる割合が増加する.コミュニケーションの疎遠により認知症の発症リスクが高まると言われ,その対策は高齢者のQOL向上に急務である.そこで,良好な聞き取りを実現するサウンドデザインの観点から,高齢者の様々な生活シーンでの音声の聞こえをサポートする技術を開発し,企業と共同でコミュニケーションロボットや補聴装置などへの応用を目指す.