概要 |
---|
地盤工学は,土や岩の力学を中心に地震工学や地質学などの様々な周辺の学問や技術を総合し,安全で経済的な社会基盤施設の整備さらには防災・減災のために,地盤に関わる力学的な諸問題の予測や解決を行う工学である。この役割に,快適な環境の創生と保生・再生という環境の視点や配慮を加えたものが地盤環境工学である。2007年8月に設置された「地盤振動研究ユニット」を起点として,既設構造物の環境保全に関する地盤の問題を扱ってきた。その中から主に次の2つをメインテーマに据えて3年間の期間で研究を実施する。 ① 地盤の掘削と近接構造物への影響評価 近接構造物などが多数介在する狭隘な施工空間で地中連続壁や大口径場所打ち杭の掘削時における安定問題を「せん断強度低減有限要素法による評価手法」で評価し,安全性の高い施工方法を提案してきた。それらの施工事例をもとに,実際の工事現場で出会う様々な施工条件における数値解析モデルの考え方や計算事例をまとめる。 ② 既設構造物の耐震対策と設計手法の開発 地盤改良による液状化対策および既設構造物の支持地盤の安定対策に関するより合理的な工法を検討する。 |