理工学研究所

国際交流・公開研究セミナー "How Benson’s Protocol Led to Modulation of Glycoconjugation by a New Class of Plant Growth Regulator" を開催しました

2018年11月09日

Dr. Arthur Nonomura(アメリカ合衆国、BRANDT iHammer)に、炭酸固定系と、その代謝産物の蓄積、穀物の生産性に関する最近の話題についてご講演いただきました。

中央大学理工学研究所国際交流・公開研究セミナー: How Benson’s Protocol Led to Modulation of Glycoconjugation by a New Class of Plant Growth Regulator
【日時】2018年11月07日(水)16:30~18:00
【場所】中央大学後楽園キャンパス 5号館1階 5138号室
【主催】中央大学理工学研究所(担当:理工学部生命科学科 小池裕幸教授)

【講演要旨】

 化合物に目印を付けてそれを追跡することで、代謝経路を解明することが出来る。この手法が初めて導入されたのが光合成の炭酸固定系である。二酸化炭素の炭素原子を放射性同位体(14C)でラベルしておき、このラベルがどの化合物に取り込まれ、どのような化合物に変わっていったのかを追跡することで、炭酸固定経路が初めて解明された。この手法を発展させ、炭酸固定産物である複合糖質の動態を追跡することで、植物の炭酸固定効率および固定産物の蓄積の向上に寄与する制御因子を発見することが出来た。この因子は植物のレクチンサイクルを変化させる物質であり、この因子の作用により、果実の糖度が上昇する。この新規な植物成長調節因子はネギ、キンギョソウ、アブラナ、コーヒー等様々な作物で作用していることも明らかになった。また、果実の糖度上昇のみでなく、生産性と品質の向上、ストレス耐性の向上等幅広い作用を持つことも明らかになった。