保健体育研究所新着ニュース

2021年08月24日

当研究所身体運動文化研究班に所属する、法学部助教 浦谷 郁子の記事が「草野みどり」(2021年7月号発行)”巻頭のことば”に掲載されました。

1985年生まれ、福岡県出身。日本体育大学大学院(博士後期課程退学)。専門分野はスポーツ哲学。趣味は料理。

   リモート観戦を楽しむ  

  法学部助教 浦谷 郁子

今、スポーツ観戦の方法は大きく変化しています。私が審判員として参加した2020年11月開催の全日本新体操選手権大会は、無観客試合でした。「選手が技を繰り広げる度に鼓舞する」「技が成功した時に歓喜する」「技を失敗しても激励を送る」といった新体操の声援は、選手や観客にとって欠かせないものです。しかし、2020年に入りその声援を耳にすることはなくなりました。無観客試合はこれまで以上に清らかさを演出する雰囲気となり、選手にとってはより緊張感を感じさせるものになったかもしれません。新体操は音楽を用いるスポーツ競技であるため、審判員としては音楽が聞こえやすいというメリットもあります。一方で、声援がない大会にはどこか寂しさを覚えますが、 2020年の状況を考えると、大会が開催されたことへの喜びを感じて演じる選手が多かったように思います。練習も不十分な中で大会に出場した選手が多いせいか演技の失敗も見られましたが、それでも笑顔で退場する選手の姿が良い意味で輝いて見えました。 国際大会の試合も、無観客などで運営されているようです。そんな中、面白い対策として、演技終了後に声援音源を流すという手法が見られました。それだけ、新体操にとって声援は欠かせないものと理解されているのでしょう。また、オンラインの活用により、国際大会の試合をリアルタイムで見られるようになったという側面もあります。これは良い影響であり、今後も続いてほしいです。 今はまだ過去が忘れられず、新型コロナウイルス感染拡大前の状況を取り戻したいと強く思うことがありますが、この状況だからこそ生まれた良い面は大事にしていきたいところです。そして、過去と現在の長所が共存する日がくることを願いたいです。その日まで、今はリモート観戦という新たな楽しみ方で、スポーツに親しんでいただければと思います。