人文科学研究所9.近代日本の形成と宗教問題(改訂版)

(表紙カバーより)
明治新政府の「切支丹邪宗門禁制」の高札。
新政府は、慶応4年3月15日の太政官布告で、諸国の旧幕府の高札を撤去し 、改めて定三札、覚二札、併せて五高札の掲示を命じた。定札は永世の法令を掲示し、覚札は一時的の布令を載せるものである。この五榜の掲示と呼ばれる高札の第三札が「切支丹邪宗門禁制」の定札である。旧幕府の禁教令を踏襲したものであるが、従来の高札中の「きりしたん宗門」の間に「邪」がつけ加えられていたため、欧米各国の公使よりキリスト教を邪宗として禁止することの抗議を受けた。そこで新政府は、同閏4月4日、高札文を「切支丹宗門禁制」と「邪宗門禁止」との二か条に分け、その日付を3月として取替えることとしたのである。キリスト教が国禁であることには何等変リない措置であった。この布告は新政府の支配地の拡大と共に掲示されたため、第三札は初めから二か条のものが多いうえ、高札を削らせて書いたところもあるので、このような最初の高札が残っているのは珍しい。(明治大学刑事博物館所蔵)

1993年3月25日発行
中央大学人文科学研究所 編 中央大学出版部発行
本体価格3,000円(税別)
ISBN 4-8057-4203-8
(A5判330頁)

浦上キリシタン弾圧問題  
1 宣教師の再渡来とキリスト教?幕末の浦上切支丹問題? 太田 淑子
2 長崎裁判所の浦上教徒処分案をめぐって 清水 紘一
3 唐通事による『和解万国公法』 武山 眞行
明治国家と宗教  
1 長崎における神仏分離政策?諏訪神社・大徳寺・安禅寺を中心に? 原田 博二
2 府県創設期の宗教問題?明治初年の日光県を中心にして? 松尾 正人
3 明治初期の公文書紀年書式と神武紀元の制定 松崎 彰
宗教問題と対外関係  
1 岩倉使節と宗教問題 安岡 昭男
2 明治三十二年改正条約実施とキリスト教界 高橋 昌郎