人文科学研究所30.埋もれた風景たちの発見 ヴィクトリア朝の文芸と文化

(表紙カバーより)
"St. Paul's and Ludgate Hill" by William Logsdail. Private Collection, U. K.
表紙カバーの挿絵は、ウィリアム・ログズデイル(1859?1944)の油彩画「セント・ポール大聖堂とラドゲイト・ヒル」(1887)。
この絵には、ヴィクトリア朝後期のロンドン市街の急変貌ぶりが如実に描かれている。所有者の特別の御厚意により掲載の許可をいただいた。

2002年5月15日発行
中央大学人文科学研究所 編 中央大学出版部発行
本体価格7,300円(税別)
ISBN 4-8057-5321-8
(A5判660頁)

はしがき    
第一部 ヴィクトリア朝の詩人たち  
ジョン・クレアの後期の詩 1841年を中心に 川口 紘明
   一 ヴィクトリア朝詩人ジョン・クレア  
   二 苦闘の生涯  
   三 『ドン・ジュアン』  
   四 『チャイルド・ハロルド』  
テニスンの'process of speech' 中期の長詩を中心に 里麻 静夫
はじめに    
   一 『イン・メモリアム』  
   二 『王女』  
   三 『モード』  
「エトナ山上のエムペドクレス」再び 信と不信の距離 兵藤 雅子
   一 再評価への手掛かり ブラウニングの助言と『新詩集』  
   二 アーノルドの「エムペドクレス」  
   三 ブラウニングの信仰と懐疑 『クリスマス・イヴと復活祭』、その他  
   四 結び 「詩の厳しさ」  
『家の中の天使』の詩法 詩とリアリズム 海老根 宏
クリスティーナ・ロセッティ 女性としての制約と信仰 坂川 雅子
はじめに    
   一 『ゴブリンマーケット』  
   二 「リンゴ摘み」  
   三 「婦人問題」とロセッティ  
   四 最後の安らぎ  
劇的独白の誕生とその盛衰 原 孝一郎
   一 劇的独白と英詩の形式  
   二 ブラウニングにおける劇的独白形式の誕生  
   三 テニスンの初期の劇的独白  
   四 劇的独白とその先行諸形式  
   五 抒情詩における「私」  
   六 現代詩における劇的独白とその衰退 イェイツ、パウンド、エリオットの場合  
結び    
幻想のエデン ウィリアム・モリス『地上楽園』の冬の物語詩 上坪 正徳
   一 はじめに 『地上楽園』の評価の変遷  
   二 『地上楽園』の構造  
   三 冬の物語詩  
インスケイプの詩学 「ドイッチュランド号の難破」を読む 笹川 浩
はじめに    
   一 インスケイプとインストレス  
   二 「ドイッチュランド号」創作の背景  
   三 「ドイッチュランド号」読解  
おわりに    
詩人オスカー・ワイルド 土屋 繁子
   一 習作時代  
   二 神話世界  
   三 愛の詩  
   四 詩人と時間  
結び    
第二部 ヴィクトリア朝の批評と文芸  
ワーズワスとディ・クィンシィ 事実の省察は神秘への道 井上 美沙子
   一 自然界の発見と科学の発明のラッシュ  
   二 ワーズワスの『虹』とニュートンのスペクトル  
   三 ワーズワスの詩作の実験とニュートンの万有引力と潮汐  
   四 ワーズワス詩の本質とE・ダーウィンの「仮死」  
   五 ワーズワスとディ・クィンシィそしてエリザベス  
マシュー・アーノルドの初期評論 「マルクス・アウレリウス」と「ジューベール」 中川 敏
   一 「マルクス・アウレリウス」(其の一)  
   二 「マルクス・アウレリウス」(其の二)  
   三 「ジューベール」  
理想と現実の狭間 『ミドルマーチ』をめぐって 松本 啓
   一 はじめに ジョージ・エリオットの知的背景  
   二 理想を追う人 ブルック嬢とリドゲイト  
   三 地を這う者 ガース家の人たち  
   四 バルストロードと「神慮」  
   五 ウィル・ラディスローと「教養」  
   六 結び 19世紀の聖テレサ  
ⅩIII ヴィクトリア朝の大衆演劇と笑い
 ブラッドン、ヘイゼルウッド、D・ジェロルド、そしてD・ブーシコー
井出 弘之
   一 メアリー・E・ブラッドン(原作)、C・H・ヘイゼルウッド(脚色)
『オードリーの奥方の秘密』(1863年)
 
   二 ダグラス・ジェロルド『黒い瞳のスーザン』(1829年)  
   三 ディオン・ブーシコー『色白の娘』(1860年)  
索引