人文科学研究所28.民族問題とアイデンティティ

(表紙カバーより)
「鳥の巣」(1980)アイヌの彫刻家砂澤ビッキ氏の作品。(「砂澤ビッキ作品集」用美社発行より)
2001年7月30日発行
中央大学人文科学研究所 編 中央大学出版部発行
本体価格4,200円(税別)
ISBN 4-8057-4206-2
(A5判348頁)
序 | ||
第Ⅰ部 | ||
「ウチナーンチュ」とは誰か | 長谷川曾乃江 | |
第一章 | 「ウチナーンチュ」と「ヤマトンチュ」 | |
第二章 | 「ウチナー」と「ヤマト」の歴史 | |
第三章 | 「ウチナーンチュ」のいま | |
第四章 | 世界の中のオキナワ | |
二十一世紀の「在日」のアイデンティティ?「関係性」のあり方 | 尹 健次 | |
第一章 | 在日の現在 | |
第二章 | 在日を規定するものは何か | |
第三章 | 「関係性」とナショナル・アイデンティティ | |
第四章 | 「自己」とふたつの「他者性」 | |
第五章 | 在日にとっての「ポストコロニアル」 | |
第六章 | 自己の出自を確認する歴史意識 | |
第Ⅱ部 | ||
少数民族の思想/現実と理想の間で?1920年代の「トランシルヴァニア主義」の動向 | 伊藤 義明 | |
第一章 | 消極活動から積極活動への転換 | |
第二章 | 出版物による積極活動 | |
第三章 | 政治的積極活動 | |
第四章 | 対立する思潮 | |
1 | セクフューの民族思想とトランシルヴァニア観 | |
2 | サボーのトランシルヴァニア主義批判 | |
第五章 | 「トランシルヴァニア主義」と文学の役割 | |
第六章 | おわりに?マロシュヴェーチの『エルデーイ・ヘリコン』 | |
ドイツにおけるエスニック・マイノリティ | 星野 智 | |
はじめに | ||
第一章 | ドイツにおける外国人労働者 | |
第二章 | 外国人労働者の社会的・経済的な地位 | |
第三章 | エスニシティと成層化 | |
第四章 | トルコ人の生活と労働 | |
おわりに | ||
問われるジャコバン共和国?フランスにおける共和主義と多文化主義 | 三浦 信孝 | |
第一章 | ガット・ウルグアイラウンド「文化特例」の両義性 | |
第二章 | 1989年の転換、ナショナル・アイデンティティの時代へ | |
第三章 | 普遍主義こそ「フランス的例外」である | |
第四章 | レジス・ドゥブレの変貌、社会主義からナショナル共和主義へ | |
第五章 | 「相違への権利」とジャコバン対ジロンダン | |
第六章 | 共和主義のコミュノタリザシオン | |
第七章 | なぜ共和国を問題にするのか? | |
第Ⅲ部 | ||
われらが生みだしたる憎悪?国家間民族紛争への非決定論的アプローチ | モジュタバ・サドリア | |
序論 | ||
第一章 | 従来の政策と理論の限界 | |
1 | 政策の限界 | |
2 | 理論の限界 | |
3 | 国際関係論における民族紛争研究 | |
第二章 | 民族紛争へのアプローチ | |
1 | 本章の概要とアプローチ | |
2 | 紛争拡大理論 | |
3 | 紛争相互作用理論 | |
4 | 紛争変容理論 | |
まとめ | ||
民族問題は人類のアポリアか? ?ローザ・ルクセンブルクの『民族問題と自治』をめぐって |
伊藤 成彦 | |
はじめに | 冷戦終結・社会主義体制の崩壊と民族問題の台頭 | |
第一章 | ローザ・ルクセンブルクの民族理論の特徴 | |
第二章 | ローザ・ルクセンブルクの民族理論の背景 | |
1 | 民族主義か、国際主義か?ポーランド社会主義運動の二つの潮流 | |
2 | 社会主義インター第三回(チューリヒ)大会での対立 | |
第三章 | マルクス・エンゲルスのポーランド独立支援論との対決 | |
1 | ポーランド問題論争 | |
2 | ポーランド問題とマルクス・エンゲルス | |
3 | 「社会愛国主義」批判 | |
4 | カール・カウツキーのポーランド独立支持論と社会主義インター・ロンドン大会 | |
第四章 | 民族の国家的独立か、自治か??レーニンとの理論的葛藤 | |
1 | スイスからドイツへ?理論から実践へ | |
2 | 「民族問題」の転換期(1989?1903) | |
3 | ルクセンブルクVSレーニン?最初の対立 | |
第五章 | 『民族問題と自治』への助走 | |
1 | 助走?論集『ポーランド問題と社会主義』 | |
2 | 助走?「われわれは何を要求するのか??ポーランド王国・リトアニア社会民主党綱領へのコメント」 | |
3 | 1905年?ロシア革命の中で | |
4 | レーニン・ボルシェビキとの協力 | |
第六章 | 『民族問題と自治』の位相 | |
1 | 『民族問題と自治』の執筆経過?書簡から | |
2 | 民族自決権の否定 | |
3 | 「国民」国家の廃絶 | |
4 | 中央集権化と地域自治 | |
5 | 「民族自治」の条件 | |
6 | 「ポーランドの自治」の領域 | |
7 | 『民族問題と自治』は未完か? | |
第七章 | 『民族問題と自治』への批判と評価 | |
1 | レーニンの批判 | |
2 | 「民族国家」VS「自治」 | |
3 | レーニンとローザ・ルクセンブルクの理論的相違点と歴史の現実 | |
4 | ローザ・ルクセンブルクの民族問題論 | |
おわりに |