人文科学研究所22.ウィーン その知られざる諸相?もうひとつのオーストリア

(表紙カバーより)
エゴン・シーレ『家族』1918年、油絵152.5×162.5cm。日付けもサインもないシーレの絶筆。オーストリア国立絵画館(Osterreichische Galerie Wien)蔵。

2000年3月30日発行
中央大学人文科学研究所 編 中央大学出版部発行
本体価格4,800円(税別)
ISBN 4-8057-5316-1
(A5判424頁)

第1部 夢幻と現実と  
ホーフマンスタールの『塔』 ?美しき世紀末をこえて 戸口日出夫
     はじめに-美しき世紀末の詩人  
1 変容  
2 成立そしてあらすじ  
3 権力に狂う者たち  
4 イグナツィウス?バロック的無常性  
5 生と夢?カルデロンの影響下に  
6 トロヘーウス改作稿から第二稿へ?人物像を中心に  
7 他者に限りなく開かれた心  
8 精神性と純粋性?ジギスムントの〈聖性〉  
     おわりに  
シュニッツラーのジャーナリズム批判-『フィンクとフリーダーブッシュ』 棗田 光行
1 世紀末の新聞界  
2 多様な登場人物  
3 多様なモティーフ  
4 結末、対立の一致  
カイザーリングのウィーン?『三番階段』をめぐって 小泉 淳二
     序  
1 思い出の地  
2 失われた痕跡  
3 年譜の空白  
4 三番階段  
5 大都会の肖像  
6 封印された青春  
     結び  
第2部 文明への懐疑  
カフカの歴史感覚 喜多尾道冬
1 「プロメーテウス」  
2 「都市の紋章」  
3 「ポセイドン」  
4 「新弁護士」  
5 「村医者」  
6 「家長の心配」  
7 「雑種」  
8 「狩人グラフス」  
9 「ファントマ、ダンテ、ジュール・ヴェルヌ」  
10 ポプラの樹とバベルの塔  
11 「狩人グラフス」異稿  
12 「科学アカデミーでのある報告」  
ヴィトゲンシュタインの倫理についての考え方 古田 裕清
1 『論考』の倫理についての考え方  
1-1 ショーペンハウアーからの影響の射程  
1-2 戦場での体験  
1-3 形而上的主体  
2 倫理についての後期の考え方  
2-1 倫理学講話  
2-2 『探究』期の倫理についての考え方  
3 ヴィトゲンシュタインの哲学的思考とオーストリアとの結びつき  
3-1 祖国と文化の共有  
3-2 文化的理想  
3-3 ユダヤ人としての自己意識  
モラヴィアのムシルたち 早坂 七緒
1 モラヴィア  
2 ブルノとムシル  
3 フラニーチェ(メーリッシュ・ヴァイスキルヒェン)  
4 リヒタジョフ村のムシル家  
第3部 惨禍の後で  
ジョージ・タボーリのホロコースト三部作 平山 令二
1 タボーリの略歴  
2 「人食いたち」  
3 「母の勇気」  
4 「記念日」  
おわりに  
私は別の者?ミロ・ドール<ライコウ・サガ>より 初見 基
はじめに  
1 ユーゴスラヴィアからウィーンへ-その軌跡  
2 <ライコウ・サガ>  
3 「私は別な者?〈戦後文学〉としての〈ライコウ・サガ〉 」  
第4部 新たな展開  
リーダーマッハー・シーンの展開?新たな国民文化形成の試み 高橋 慎也
1 オーストリアのLiedermacherシーンの誕生?新たなオーストリア国民文化の揺藍期  
2 オーストリアのLiedermacherシーンの確立?新たなオーストリア国民文化の確立期  
3 オーストリアのLiedermacherシーンの拡大期?確立されたオーストリア国民文化のドイツ語圏全体への拡大期  
4 オーストリアのLiedermacherシーンの拡散期?ドイツ文化へと拡大したオーストリア国民文化の拡散期  
5 オーストリアのLiedermacherシーンの衰退期と再生期?拡散したオーストリア国民文化の衰退期と古典化の時期  
感情の氷河化 ?ミヒャエル・ハネケの世界 スザンネ西村シェアマン
1 ミヒャエル・ハネケ監督  
2 「第七の大陸」(1989年)  
3 「ベンニ君のビデオ」 (1992年)  
4 「偶然の時間序列における71個の断片」(1994年)  
まとめ  
第5部 民話と歴史  
ワタリガラスとイラクサ ?グリムとオーストリアの昔話 飯豊 道男
1 なぜワタリガラスに変身するのか  
2 オーストリアの影響  
3 オーストリアの昔話の特色  
4 話を完結させるイラクサ  
ユダヤ小史のなかのウィーン 入野田 眞右
まえがき  
1 ウィーン・ユダヤの初まり  
2 レオポルトシュタットへ  
3 宮廷ユダヤ人とトルコ来襲  
4 ヨーゼフ二世の寛容令  
5 1848年「三月革命」  
6 「十二月憲法」?自由な市民社会へ  
7 反セム主義の嵐とシオニズム運動  
8 両大戦間  
9 ナチス支配下のウィーン  
     むすび  
人名索引