Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所主催公開講演会開催のお知らせ(「アフロ・ユーラシア大陸における都市と国家の歴史」チーム)

日程
2019年12月11日(水)15:10~18:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室1
日程
2019年12月11日(水)15:10~18:00
場所
多摩キャンパス 2号館4階 研究所会議室1
内容

講 師:  郭 雪妮 氏 (陝西師範大学准教授、北京師範大学博士)

テーマ:  「中世日本における長安青龍寺の神聖化-東寺本『弘法大師行状絵』を中心として-」

 

要 旨:

 

長安青龍寺は、日本真言宗の祖・空海が西暦805年に入唐した際、惠果阿闍梨と出会い、密教の大法を伝授された寺院として著名である。青龍時での邂逅を契機として、空海は求法者から仏法を教える僧への転換を実現し、密教を日本へと伝えた。空海の伝えた長安青龍寺の密教は、日本独特の真言密宗へと発展し、8世紀から12世紀にかけて日本で最も影響力のある宗派の一つとなった。鎌倉時代以降、真言宗各派は数多くの版本の異なる弘法大師伝記絵巻を描いた。特に、東寺蔵の『弘法大師行状絵』は名高い。14世紀に誕生した東寺本『行状絵』は、京都東寺の建築を参考に長安青龍寺の全境図を描き出しただけでなく、伝来したばかりの『仏祖統記』などの宋代仏教史の関連文献をも利用して真言宗伝教の系譜を歴史的に叙述している。本報告では、東寺本『行状絵』を中心に、空海が著した『御請来目録』、『付法伝』、『性霊集』等の文献を参考に、平安時代中後期に誕生した多種の弘法大師漢文伝記をも合わせ、構造・図像・詞書の三つの側面から、東寺本『行状絵』の長安青龍寺に対する重視、及び絵巻制作の背後にある東アジア宗教史・思想史上の意義について考察する。

使用言語:中国語(通訳あり)

                                         以 上

企画実施名義

人文科学研究所研究会チームアフロ・ユーラシア大陸における都市と国家の歴史」