Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「18・19世紀英国の女性詩人」チーム)

日程
2019年9月21日(土)10:30~12:30
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室3
日程
2019年9月21日(土)10:30~12:30
場所
多摩キャンパス 2号館4階研究所会議室3
内容

講  師:   大石 和欣 客員研究員 (東京大学大学院総合文化研究科教授)
 

テーマ: 「エリザベス・バレット・ブラウニングの『国民への呪い』を読む

 

要  旨:     

7月の田代氏の発表に続いてエリザベス・バレット・ブラウニングをとりあげる。今回は1970年代以降海外で評価が高まっている彼女の政治的な詩の一つである「国民の呪い(’A Curse for a Nation’)」を読む。自由を謳いイギリスから独立したアメリカ合衆国であったが、南部の州ではその理念を裏切るかのように奴隷制を維持していた。19世紀半ばの南北戦争に際して、ボストンの女性たちが奴隷制に反対しているのを支援すべく1854年に書かれた本詩は、翌年のクリスマス雑誌『自由の鎌(The Liberty Bell)』に掲載された。「呪い」という言葉をリフレインにして奴隷制を糾弾することで、反響と同時に批判も喚起することになった。アメリカの人々へ向けて書かれた詩であったが、イギリスへの呪詛としても受け取られ、国内でも反発を引き起こすことにもなった。

  女性詩人が詩を「書く」という行為を通して、政治的なテーマについて言葉を発することは、どのような意味があったのだろう。同朋の女性たちに「書け」と呼びかけるエリザベス・バレット・ブラウニンングにとってのエクリチュールとはどういう意味であったのか。また、女性たちにとっての声はこの時代においてエクリチュールとしてどう機能しうるものであったのか。それらを考えながら詩を読み解いていきたい。

 

 

企画実施名義

人文科学研究所研究会チーム「18・19世紀英国の女性詩人」